「歪な少年少女」と「重りだらけの未熟者」【D.R.B.編】

第11話

第10話・動き出す舞台裏「D.R.B編」【アキハバラ編】

132

2024年01月23日

#ヒプマイ

#ヒプマイ夢

#二次創作

通りすがりのバーコード

数十分後

青龍の部屋

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

入れ

孤院狛佑染(くえんこうじ)

おっじゃましま〜！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

って薄暗い！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

コウモリ住み着くんじゃね？

孤院狛佑染(くえんこうじ)

アンタこれ以上視力悪くなったらジョジ○のン○ゥールみたいになるわよ！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

シュー○ヒム持ってねぇよ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

しかもマニアック

孤院狛佑染(くえんこうじ)

視覚障害があるんだから電気ぐらい付けなさい！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

俺は仕事が8割パソコンの作業

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

だから電気は節約しろと母親に言われている

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

それに俺はこれぐらいがいい

孤院狛佑染(くえんこうじ)

まぁ障害とか良く分からんからあーだこーだ言わんけども…

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

俺のコンタクトは障害に対応している

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

このコンタクトは暗視対応だから平気だ

孤院狛佑染(くえんこうじ)

ほぉ〜時代だねぇ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

…俺ラップバトルに割り込む前に話を少し聞いてたんだけどさ

孤院狛佑染(くえんこうじ)

お前、元々ロッポンギのラッパーだったんだな

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

リーダーがロッポンギの人だった

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

だから活動場所は決まってロッポンギだった

孤院狛佑染(くえんこうじ)

へぇ…まさかチームでも賢いお前があのアホと組んでたとは思ってなかったや

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

本当はあんな奴らでは無かったんだが

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

ロッポンギの権力を得ていく内にあんなになってしまった

孤院狛佑染(くえんこうじ)

相変わらず人間というのは権力に弱い生き物だな〜

孤院狛佑染(くえんこうじ)

まぁお前は染まって無かったから良かったけど

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

それは違う…俺も少し染まっていた

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

チームの活動方針を利用して日々の鬱憤を晴らしていたから…俺も奴らと同等だ

孤院狛佑染(くえんこうじ)

つまり龍は自分がアイツらみたいなバカだと思ってるわけね？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…まぁ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

アイツらや俺のバカは…きっと最初は可愛かったものだ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

チームを組んだ当初はDirty The dogを抜かす程のチームにする…

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

そう言って最初のうちは健気に頑張っていた

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

だがバトルを勝ち進んで行くに連れて権力も次第に大きくなっていく

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

その権力に呑まれてチンピラみたいになってしまった

孤院狛佑染(くえんこうじ)

…龍のせいで負けてしまったバトルってのは？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…話せない

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

でも俺のせいで負けたのは事実だ

孤院狛佑染(くえんこうじ)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

お前さ〜過去引きづりすぎ！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

は？

孤院狛佑染(くえんこうじ)

てか梅も同じだったしお前ら2人揃って拗らせてんな！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

今のお前は未練タラッタラの別れた彼氏並に引きづってる！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

今は俺と梅なんだから過去のいい思い出の無い奴はほっとけ！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…だが

孤院狛佑染(くえんこうじ)

「だが」とか「でも」とか面白くないって！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

俺の仲間で勝つことを許さない連中のことを頭に入れててもラップ出来ないぞ？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

感情が無い時点でラップで本領発揮なんてものは出来ない

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

そう思うのなら今すぐにでもチームメイトは変えた方がいい

孤院狛佑染(くえんこうじ)

いや〜分かってないっすね〜！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

ラップって言っても感情が左右する訳じゃないの！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

色んなスタイルがあんだから自分の可能性を自分から縮めるな！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

可能性と俺らから目を逸らすな！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

はぁ…全く懲りない奴だな〜

孤院狛佑染(くえんこうじ)

いや〜リーダーは困っちゃうわ〜

孤院狛佑染(くえんこうじ)

…本当に何があったんだ？

孤院狛佑染(くえんこうじ)

昨日の練習の時は異様に目を良く逸らしていて挙動不審だったぞ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…話せば満足するのか

孤院狛佑染(くえんこうじ)

多分！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…まぁいい

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

実は俺の両親は離婚して俺の親権は母親が持ってる

孤院狛佑染(くえんこうじ)

(こいつも激重な奴だったぁぁあ！)

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

ただ一昨日に俺の父親を名乗る奴が俺の前に現れた

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

母親からは父親が浮気していたから離婚したと聞いていた

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

ただ父親が複数の決定的な証拠を持って浮気をしていたのは母親だと言った

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

加えて母親からは伝えられてなかった姉の存在も明かされた

孤院狛佑染(くえんこうじ)

めっちゃ複雑やんけ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

父親は俺の親権を譲って欲しいとか言う

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

俺にとっては父親か母親かを選べと言われたような物、混乱で放心状態だった

孤院狛佑染(くえんこうじ)

そりゃ誰でもそうなるわ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…これで満足か

孤院狛佑染(くえんこうじ)

お前…とんでもない家庭で育ったんだな…

孤院狛佑染(くえんこうじ)

ハリー○ッターのダー○リー家もビックリのレベルよ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…どこがとんでもない家庭なんだ

孤院狛佑染(くえんこうじ)

おっと…！これは…

孤院狛佑染(くえんこうじ)

毒属性の洗脳系か…

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

は？

孤院狛佑染(くえんこうじ)

いやこっちの話

孤院狛佑染(くえんこうじ)

その母親結構やばくないか？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…まぁ母親がやばいのは分かる

孤院狛佑染(くえんこうじ)

(いや分かるんかーい！)

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

気づいたのは一昨日のことだが…

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

もう悩み全部吐け！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

爆発したらお前…感情どころか意思まで無くなってしまう気がする

孤院狛佑染(くえんこうじ)

俺を信用しなくてもいいから…

孤院狛佑染(くえんこうじ)

でも少なくとも俺はチームリーダーとしてお前を信用したい

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…母親は俺を愛してない

孤院狛佑染(くえんこうじ)

…！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

愛していたのは俺の外見と才能だった…

孤院狛佑染(くえんこうじ)

……

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

物心がちゃんと着く頃から俺の傍には母親…母さんだけが居た

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

友達だって出来なかった俺だから…信用出来たのはいつも母さんだけ

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

母さんのことをクソだ馬鹿だ、俺は道具じゃないとは毎回思った

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

でも母さんは少なくとも俺から遠く離れたりしない

孤院狛佑染(くえんこうじ)

はぁ…

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

でも…母さんは俺に嘘をし続けていた

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

俺をチェスの駒みたいに扱う為に、姉や父親のこと…全部隠していた

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

挙句の果てには一昨日…母さんにディビジョン・ラップバトルに出ることがバレた時

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

誰と出るのか問われた時に俺は大物と組んだと嘘を着いた

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

そしたら…母さんはなんて言ったと思う

孤院狛佑染(くえんこうじ)

一般的な考えだったら「おめでとう」とか「頑張れ」とかじゃね？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

違う

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

母さんは…俺の未来の出世を期待して、喜んでいた

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

それを言われた瞬間に誰を信じれば良いのか分からなくなった

孤院狛佑染(くえんこうじ)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

はぁ〜どこぞの音ゲーの闇キャラの母親よりも酷いな

孤院狛佑染(くえんこうじ)

こんな絵に書いた毒親いるんだな…

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

龍は…信用する人が居なくなったわけだろ？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

あぁ…

孤院狛佑染(くえんこうじ)

ほ〜…でもさ！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

俺のこと！信用してくれてんじゃないの？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

は？

孤院狛佑染(くえんこうじ)

だってこんなに喋ってくれてんじゃん！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

裏を返せば俺のことを信用してくれてるってことじゃんか！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

信用…俺が…お前を？

孤院狛佑染(くえんこうじ)

そ！しかも着いてきてくれたのは少なからず俺を認めてくれてる証拠！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…俺は名を上げる為に狛佑染を利用した

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

それ以外組んだ理由は無い

孤院狛佑染(くえんこうじ)

それでも！ここまで自分のことを言ってるってことはそういうことだろ！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

俺はお前に約束したことがある！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

覚えてるか？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…いや全く

孤院狛佑染(くえんこうじ)

感情を探すってやつよ〜！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

今、俺はお前のカーテンで隠された割れたガラスを見ることが出来た！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

ならやることはひとーつ！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

一緒に乗り越える他ないだろ？

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

まぁそれはお前のペースでOK！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

感情はいつでも近くどころか自分の中にある！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

逃げたりなんかしないんだからさ！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…そうか

孤院狛佑染(くえんこうじ)

そうそう！

ゴーンゴーン

時計が15:00を刺す

孤院狛佑染(くえんこうじ)

うわやば！今日店番なの忘れてた！

孤院狛佑染(くえんこうじ)

ちょっと今日はおいたまするわ！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

孤院狛佑染(くえんこうじ)

そんじゃ！またな！

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…あぁ

ガチャン

狛佑染が部屋を去る

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

…そうなんだな

梅花の部屋

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

あーは言ったものの…

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

(あの人を信じるかどうか…私にとって人生を180度変えることになる…)

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

(この判断を間違えたら…あの時と同じになるんでしょうね…)

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

でも…

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

あの言葉が嘘だとしたら匠すぎない…？

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

あんなラップを食らったら…誰でも考えが揺らぐに決まってる…

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

(でも…私の‪”‬コレ‪”‬は？)

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

(もしバレたら裏社会の人達やらなんやらで売られる可能性も捨てきれない…)

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

私は…

貴方は頭じゃなくて心に従いなさい

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

…！

私や父さん、兄さん達と慧音のことは良いから貴方らしく堂々とね

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

…そうだ

梅花が棚を漁り出す

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

確か…ここに置いてあった気が…

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

あった…！

アイオライトのペンダントを手に取る

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

あはは…何で忘れてたんだろ

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

(あの時の話…お母さんの言っている意味が分からなかったけど)

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

(でも今なら少し…分かったかも)

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

(このペンダントを捨てろと言ったのは…)

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

私が責任を持たせて私の可能性を潰してしまうからだっんだ…

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

お母さんは…きっと私は私の道を歩いて欲しかったってことか…

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

…完全に盲点だったな

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

兄さんとお母さんはそれに気づいてたのにね

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

でも…決心はついた

今自分が身につけているペンダントを外す

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

…捨てることは出来ない

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

私はうるさいくらいに思い出に執着する

紅克鬼梅花(あかつきうめか)

でも…このやり方なら…！

パリン

青龍の部屋

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

俺が狛佑染を…信用

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

(確かにあそこまで自分のことを話せたのはいつぶりだろう)

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

(アイツのやりたいことはイマイチ分からない)

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

(でも…結構アイツはお節介だったな)

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

……

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

(これで…最後にするか)

朽澄微青龍(くすみせいりゅう)

(最後なら…好き勝手させてもらう)

✨おまけ✨ 〜狛佑染の異常な観察力〜

狛佑染は話を見てもらったら分かる通り観察力が周囲より飛び抜けてます。でも元々観察力があった訳ではなく、パフォーマーになってから着き始めた力です。パフォーマーは色んな年齢層だったり色んな状態(障害や妊婦)の多種多様な人達の前でやることが多いです。その為、客の年齢層、様子や盛り上がり、気分を伺って次のパフォーマンスを選んだり、非常事態の対応などをしていました。そうしている内に普段から周りの変化や様子に敏感になっているのだと思います。つまり職業病のような物ですが、彼のバカを設定の関係上で観察力が補ってる感じです…

「歪な少年少女」と「重りだらけの未熟者」【D.R.B.編】

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