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舞海@不定期更新…
“神聖でもなければ帝国でもなければローマでもない“
かつて幾星霜もの栄華を誇った帝国も、いずれは壮大な歴史の荒波の中へと溶け出して行く。
すべてを投げ打ち消え去ってしまいたいと思う程に絶え間なく世界は回り続ける。
確実に堕ち行く砂時計の一粒一粒がいつか等しく訪れる終わりの時を告げる度に嘲笑う。
ローマの歴史より永く、我が国の歴史程に昏く。
絶え間なく回り続ける歯車の音を聴きながら、先の見えない暗澹とした未来へと想いを馳せる。
重苦しい国家の重責に、逃れられない現実に、あまりに漠然とした不安。
あまりに空虚な檻の中、血と涙に濡れた呪いに繋がれた私が生まれて初めて見た色は、
視界が眩む程に鮮やかな光を纏い、それでいて全身を焼き尽くす程に蠱惑的な優美さと毒を孕んだ一羽の蝶のようだった。
朗らかに笑い、艶やかな光を呑み込んだ貴方は宝石のように輝かしく、それでいて触れれば脆くも崩れ去ってしまいそうで。
世界は惹かれ合う。
健やかなる時も、病める時も、死が2人を別つまで
否、いつか訪れる破滅へと向かう中、道を違えるその時まで。
ただ、貴方の傍にいられたらーーーーーー。
消えない過去の痛みも、悲哀も、綻びも、すべてを呑み込んで笑えることにどれだけ救われ、 その度絶望しているか。
私は、生まれて初めて恋をした。
最初で最後の恋の味は、あまりに苦く、それでいて飴のような味がした。
いつか訪れる破滅に身を委ね、すべてが終わる時が訪れると知りながら、地獄の底まで共に堕ちて行く。
世界が戦禍の渦へと巻き込まれていくその中枢で、一輪の花が咲き誇る。
1人と1人、これは狂おしい程に惹かれ合ってしまう2人の絶望的なまでの恋物語。
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