青黄
12月25日
この日世間はクリスマス一色で
僕はいわゆる、クリぼっちとやらで、
気分転換に街を歩こうにも周りにいるのは恋人だらけ
本来なら、僕だってこの恋人達の中に溶け込めたはずだったのに。
一週間程前
黄
青
冗談だと笑う僕に
黄くんは黙ってこちらを見つめて
黄
青
なんで、そんなに悲しそうな顔をするのか
泣きたいのは、こっちなのに。
不満や苛立ちもあった
昨日まで僕と笑っていたのに
昨日まで、僕のことが好きだって言っていた
クリスマス、どこに行こうかって話してた
プレゼントだって用意した
プロポーズをするつもりで、指輪まで買ったのに
なのに、なんで
今頃、他の誰かと過ごしているんだろうか
今日はクリスマスだし、僕への嫌がらせなのか、雪まで降っているし。
他のやつと、過ごしているんだろうか
青
胸の奥の方が苦しくなる
僕の隣で笑っていてほしいのに
僕の隣で笑う黄くんを抱き締めて
キスをして
指輪を渡して。
他の誰かではなく、僕のことだけを考えて欲しくて。
人混みの中から一際目立つ赤髪が近づいてくる
赤
青
最悪だ。こんな日に友達に会うなんて
クリスマス前にフラれるなんて、きっと馬鹿にされる
赤
青
確かに、約束はしていた。
クリスマスに何処か出かけよう、と。
でも、どこに行くか具体的に決めたわけではなかったし、なんせ決める前にフラれたわけで。
赤
青
とは言ったものの
待ち合わせの検討もないし、連絡は取れないし。
青
こんなに寒い中連絡も取れないで、僕のこと待って
別れたんだから、来ないかもしれないのに
聞き慣れた落ち着く声が、背後から聞こえた。
黄
僕は黄くんの側によって、思いっきり抱き締めた
痛いくらい力いっぱい、抱き締めてやった。
青
雪まで降っているのに、マフラーひとつ付けていない。
黄
そう言って、僕の頬を触って暖めてくれた。
黄
目を真っ赤に腫らして僕に尋ねる。
なんで、と聞かれると、正直僕も分からなくて
ただ、ひたすらに、行かなきゃいけないような気がした
青
黄くんは僕の答えに少し笑って
それから切なげに微笑んだ
黄
そう言って黄くんは鞄の中から時計を取り出した
黄
青
まさか、プレゼントを貰えるとは思ってなくて、呆然としてしまった
黄
青
意味がわからない。そもそも前提として僕に彼女はいない。
青
黄くんが言うには、僕が最近家にいなくて
不安に思っていると僕が女の人と一緒に歩いているところを見たらしい
黄
黄
青
青
無性に腹が立って、つい早口になってしまった
でも、考えても見てほしい
クリスマスにプレゼントを渡そうと張り切って
準備に準備を重ねて
やっとの思いでプレゼントを買ったその日にフラれるなんて。
しかも、ちょっとした勘違いで。
青
黄
青
やばい、つい。ぽろっと口から溢れてしまった。
青
黄
最悪だ。こんなつもりじゃなかった。
青
イメージでは、夜景の見えるレストランでロマンチックにいくつもりだった
こんな寒い街中じゃなくて、もっと思い出になるような。
黄
青
ほんと、まじで最悪。
青
セリフとかも考えたのに、全部真っ白
ほんと、最悪のクリスマスだ。
青
コメント
1件
すれ違い系好きすぎるはぴえんも最高