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コメント
6件
うわぁ前回同様神作で勝てる気が しません…! もしや感動系の天才とかですか?
天才すぎてハートが上昇中❤︎ また書いてよね 沢山、最高の作品をさぁぁぁあ✨ 最高だった👍
主
主
主
主
主
主
主
主
この世界にはヒーローがいる
俺はヒーローに小さい時から憧れていた
限られた者だけがヒーローになれる “力” をもっていた
でも俺には発動しなかった
ヒーローになる!
なんて夢は
齢、5歳で諦めなければいけなかった
それからの人生は残酷で
力のない者は
努力していい大学に入る
それだけを目標に生きてきた
でも俺は
頭も良くなかった
絶望している時
ヒーローに出会った
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
母
母
母
桃
面接官
面接官
面接官
桃
桃
桃
見た目は俺と同じ歳
なのに
どうしても
遠いところにいる気がした
桃
桃
桃
桃
ピピピー
桃
あ〜またこの夢だ
てか今日も仕事じゃん
…
この夢を見ると
もう一度会えるような気がする
桃
桃
桃
俺の名前は桃
去年大学卒業したばかりの会社員
結局大学は普通のとこしか行けなかった
ま、
俺にゃそれがお似合いか
桃
そんな期待を持って会社に行った
会社
桃
赤
赤
桃
桃
赤
桃
赤
赤
桃
桃
赤
赤
赤
桃
桃
赤
桃
赤
今何時だ?
2:00
桃
赤
桃
赤
桃
桃
桃
桃
赤
深夜のコンビニ
俺たちは良く出会った
偶然と片付けるには夜が同じ形で当てはまりすぎた
2時17分
先にコンビニの中に入って待ってる
自動ドアが開く音がして
1人の足音が聞こえてきた
桃
彼は少しだけ目を細めて笑った
眠そうな顔
いつも同じ黒い上着
ポケットに手を入れたまま棚の前にいく
青
コーヒーを二つ
絵柄はいつも一緒
なぜこの時間なのか
どうして毎晩会うのか
どちらも聞かない
聞かないままでいられる距離が
この夜を保ってるから
コーヒーを買ったら店の裏に行く
俺たちの会話は仕事の話ばっかり
青
青
青
それ以上の言葉は夜に溶かす
俺の好きという気持ちも
全て
夜に溶かされてしまう
言ったら
今の関係でいられなくなるから
沈黙は長い
でも
不足はなかった
レジを出て店の裏口に行く
雨の日も
風の日も
立つ場所は同じ
缶コーヒーが冷めるまでの
ほんの数分
俺はブラック
彼はラテ
初めてした口付けは
とても甘い味がした
彼は苦い快楽に溺れていた
青
彼はよく冗談を言う
その笑い声の中に違和感があった
夜を超えてきた人間特有の
戻れない場所を一度見てしまった目
…
結局俺はあの子供を救えなかった
分かる
誰かの死の境界を見てしまって
もう普通の夜には戻れない
それでも触れなかった
触れられなかった
それでもまだ
俺は彼の名前を知らない
この時間帯に来る理由は単純
勤務が終わるのが2時過ぎだから
夜を走る
無線の音
誰かの悲鳴
電灯の灯り
誰かが生きてるか、死んでるか見るだけの日々
冷え切った指先
胸の奥に溜まる緊張感
救わないと怒られる
救っても怒られる
それでも2時17分になるとここへ来る
足は自然とこのコンビニへ向かった
理由は一つ
ここにきたら
「普通の夜」があるから
確かに存在するから
桃
名前を知る必要はない
知らなくても分かる距離だから
彼が来る前にコーヒーを二つとる
一つは自分用
もう一つは____
缶コーヒーを胸元で少し温める
夜の冷たさを
あげたくないから
もしもこの温度で
誰かの夜が壊れずに済むなら
それでいい
初めての口付けは
少し苦かった
雪が降った日だ
桃
青
言葉は少ない
それでも彼はコーヒーを一つ多くとった
缶コーヒーを差し出す
指先が触れる
青
桃
青
桃
桃
軽い口調だった
冗談だと思った
そう
彼のいつもの冗談
次の日
彼は
いなかった
2時17分
自動ドアは開く
違う人の足音
その次も
その次も
俺は同じ時間にコンビニに入る
棚の前で止まる
缶コーヒーを一つだけとる
胸の奥が静かに削れてくる
音はないけど
確実に
ある夜
店で受け取ったレシートを捨てられなかった
印字された時刻
2時17分
指先が震える
ネットニュースを見る
ニュースに夜の街が映った
「ヒーローあお」 敵により殺害
助けられた人の感謝の言葉
短い報告
俺を救ってくれたヒーロー
違う
もう決まってたんだ
最高のヒーローは
あなただ
顔が映されてる
青い髪の少年だ
それでも、息が詰まった
理由はもう
分かってしまったから
その後
コーヒーをもう二つ買った
ブラックとラテ
理由はない
体がそう動いただけ
裏口に行く
一つ目の缶コーヒー
冷たい
もう一つも
…
冷たい
あぁ
そうだったんだ
桃
その瞬間
どうしてあのコーヒーいつもが暖かかったのか
どうして毎晩会えてたのか
すべていっきに繋がった
レシートが指から落ちる
濡れた地面に落ちてく
桃
毎晩会えていたのは
生きて戻れた夜だったから
あの時間は
生きて帰ってきたら証拠の時間だったんだ
桃
会えなかった夜は
もっと遅かった
帰れなかった
そして
あるいは、もう___
ネットニュースはそのヒーローの名前でもちきりだ
コーヒーが暖かかった
青
と言いながら胸元でごそごそなにかしてた
桃
その場にしゃがみ込んだ
缶コーヒーを胸に押さえながら
鳴き声は抑えきれなかった
桃
肩が震える
息が上手くできない
ここにくれば
確かに誰かがいた
夜にだけ
確かにあった
でも
それを失った
朝焼けが街を薄く染める
世界は何事もなかったように動き出す
桃
時刻だけ指でなぞる
そして
ゴミ箱の中に捨てた
あいつは
何かから帰ってきた夜だけ
俺の日常に入ってきた
温度はもう残っていない
ただ
ただ缶コーヒーだけ温かい
それでも__
夜にだけ確かに存在していた理由は、 胸の奥で、壊れないまま生き続けていた。
初めて聞いた声も
青
初めて知った声も
青
初めて見た表情も
青
青
全部
ぜーんぶ
愛しい
また救えなかった
俺は
やっぱり
ヴィランなんだな
青
青
2人 「ヒーローだ」
そんなことないよ
でも
あなたは
ヒーローあおは
確かに俺のヒーローだ
主
主
主
主
主
主
主
主