テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

泣きたいなんて言えない。

一覧ページ

「泣きたいなんて言えない。」のメインビジュアル

泣きたいなんて言えない。

1 - 泣きたいなんて言えない。 16話

♥

505

2021年11月23日

シェアするシェアする
報告する

れい

皆さん!れいです!

れい

突然のアカウント
移動申し訳
ありませんでした。

レイ

投稿が大幅に
遅れたかと思えば
アカウント
移動ですか…

レイ

ふざけてるのですか?

れい

いやーもう……
定員さんに渡して
「データ消えて
 らっしゃい
 ますね」って
言われた私の
気持ちよ。

レイ

それでも
しっかり管理
して無かった
お前が悪い

れい

まことに申し訳
ありません
でした………

れい

さて、
『泣きたいなんて
 言えない。』
16話目です!

れい

終わりに近づきつつ
あるような…………
ないような!

れい

そんな感じで
始めて行きたいと
思います!

れい

では、本編
スタートです!

男達は声を上げた。 自らを勇気付けるように。

男達は声を上げた。 己の仲間を鼓舞するように。

男達は声を上げた。 自分が今この場にいる事を 肯定するように。

モブ

うおおおおお!

コネシマ

…………

咆哮を上げながら迫ってくる敵を、コネシマは片手間程度に振ったサーベルで斬り捨てる。

その剣を小気味良く振り、刃に付いた血を地面に落とした。

コネシマ

どいつもこいつも、
雑魚ばっかやん。

コネシマ

うーん、今回は
ハズレやなぁ……

そう言い、気怠げに息を吐いた。

そんなコネシマに、近付いて行く男がひとり。

シャオロン

よおシッマ。

コネシマ

お?なんや
ポメラニアン。

コネシマ

何の用やねん。
お前の持ち場と
ちゃうぞここ。

シャオロン

誰が
ポメラニアンや
しばき回すぞ。

コネシマ

お前しか
居らんやろ
ポメラニアン。

シャオロン

何やとチワワ!

そんな恒例の会話をしている間にも、敵兵たちは呆気なく散ってゆく。

シャオロンのシャベルは、本来土いじりをする道具とは思えないほど血に濡れていた。

コネシマ

ていうかマジで
何しに来てん。

コネシマ

トントンにまた
怒られんぞ。

シャオロン

いやー勝負しようと
思ってな!

コネシマ

勝負?

シャオロン

今から終戦まで
敵を多く倒した方の
勝ち!簡単やろ?

シャオロン

それにシッマも
暇なんやろなって
思って。

コネシマ

まー、確かにな……

シャオロン

何処からか飛んできた投げナイフが、どうしようか、と形だけでも迷っているコネシマを通り過ぎ、後ろにいたシャオロンの頬を掠めた。

ゾム

チーーーッス!

コネシマ

お、ゾムやん。

シャオロン

おいゾム!
危ないやろが!

ゾム

えー、ゴメン。

ゾム

ていうか、
楽しそうな事
やってるやん!

ゾム

俺も混ぜてや!

わくわくといった様子で話すゾムに、コネシマが呆れる様に言った。

コネシマ

ていうかゾム
お前持ち場は?

ゾム

え、知らん!
多分シャオロンと
合同やと思うけど

コネシマ

じゃあお前も
持ち場離れて
来たんかい……

ゾム

だってヒマ
なんやもん!

コネシマ

なんやもんと
ちゃうわ。

シャオロン

…ていうか、
そろそろ
始めへん?

シャオロン

集まって
きてんで?
………敵。

見ると、幹部が三人も揃っている異常事態に、敵兵達が続々と集まって来ていた。

いつの間にか、包囲されていたようだ。

そんな状況でも三人は絶望などせず、逆にニヤリと不敵に笑った。

シャオロンはシャベルを肩に掛け、コネシマはサーベルを敵に突きつける。

ゾムは獲物を狙うペリドットの目をフードから覗かせ、エーミール特製爆弾を取り出す。

コネシマ

いくで!

コネシマが最初に前に出、その後に二人も続く。

シャオロン

何でシッマが
始めんねん!

ゾム

なーどこまで
やったら
爆破してええ?

狂犬組

「「知らん!」」

絶望的な状況でも、楽しく。

むしろ、それを興奮材料として。

……因みに、3人共自分達のスピードに隊の一部がついて来れていない事に気付いていなかった。

トントン

何やっとんねん
あのアホ共お‼︎

戦況が逐一報告される指令室では、戦場を模した盤を中心にトントンの怒号が部屋に響いた。

チーノ

トントンさん!
大変や!
部長達が先に
行きすぎて新人達が
ついて行けてへん!

トントン

わかっとるわ!

トントン

おいオペ組!
あの三馬鹿たち
止められへんのか!

ダメや〜
シャオちゃんも
シッマもインカム
切っとる………

エーミール

こっちは全力で
通信を試みて
いますが…………

エーミール

なんか戦うことに
頭いっぱいで恐らく
私の声届いて
無いかと…………

チーノ

コネシマさんとこは
隊列崩壊!
シャオさんとこは
ほぼ壊滅です!

チーノ

援護要請が
来てるけど
ショッピ…………

ショッピ

『俺コネシマさんに
 くっ付いてるから
 パス』

チーノ

やんなぁ…………

トントン

ああああ!

トントンの叫びも虚しく、次々と新兵たちが蹂躙されていく。

トントン

クッソ最悪
ショッピくん
離して…………

グルッペン

大丈夫だ。

トントン

いつのまにか窓に張り付いて外の様子を見ていた筈のグルッペンがトントンの横に立っていた。

手の中で兵に見立てたコマをくるくると回している。

グルッペン

"アイツ"が行く。

盤の上に置かれたひとつのコマが、銀色に小さく光った。

モブ

わはははは!

モブ

くうっ……!

未熟な構えの新兵たちを、大剣を振り回した男が下卑た声を上げ甚振っていた。

剣を跳ね返された新兵は急いで持ち直そうとしたが、敵兵の男に立ち塞がれ阻まれる。

モブ

我々軍は精鋭揃いと
聞いたが、なんだ、
この程度か!

モブ

っ………。

モブ

はあ…もういい、
飽きた。

モブ

死ねえ!

そのがなり声と共に振り下ろされた剣に、新兵はあえなく斬られた……

なんてことは無く。

ボゴオン‼︎

モブ

あ"え"??

モブ

…………?

おそるおそる目を開けた新兵を庇う様に、ひとりの人物の影が落ちる。

その人物は、自身の銀髪を羽ばたかせ、

慣れた手つきでナイフを構え、言った。

レイ

こちら、
独立部隊隊長、
レイ…………

レイ

只今より、
敵の殲滅を
開始します。

我々軍独立部隊。

その部隊は、元々現在の暗殺部隊隊長ゾムが隊長を、参謀役のエーミールが副隊長を勤めていた部隊である。

総統がグルッペン・フューラーに変わった時にその隊長の席は空き、長らく誰も座っていなかった。

そして、その後任を背負ったのが、齢12の少女だった。

独立部隊とは、その名の通り大まかな軍の流れには乗らず、戦場を駆ける遊軍の事である。

上からの指令をあまり受けず、独断で援護に回ったりする、所謂戦場の『バランス役』を担っている。

『バランス役』と聞くとそうでもなさそうな役回りの気がしてしまうが、そんな事は決してない。

戦況を独自に把握する観察力と、それを判断する決断力が必要になってくるのだ。

前隊長であるゾムは、圧倒的な洞察力と行動力でそれを可能にしてきた。

そして、独立部隊の必要な条件が、もう一つ。

味方の援護に回るにしても、自身が弱ければ何の意味も為さない。

そのため必要となるのは、時には死にかけの味方を起死回生に導く、

圧倒的、強さである。

ザッ………。

レイが砂利を踏み締める音が鳴る。

モブ

ひいっ‼︎

つい先刻まで調子に乗り嘲る様な表情を浮かべていた敵の顔には、明らかな恐怖が滲み出ている。

モブ

く、来るな!

無様に叫びながら振り回す小さな剣をレイは跳ね返し、相手の喉元にナイフを突き付ける。

モブ

ば、化けも……

ザシュッ!

敵が手放し地面に転がったナイフに、鮮血が降りかかった。

レイ

『チーノさん。
 レイです』

呑気な総統以外が頭をフル回転させていた指令室に、小さなノイズ混じりの声が響いた。

チーノ

ん、レイ?

普段余り報告に使われないチーノのインカムに起動の光が灯る。

自然と、部屋の意識がチーノとその会話に向いた。

レイは機械越しにその空気を感じつつも、何事も無いように報告を始めた。

レイ

『本隊とはぐれた
 前線第II部隊の
 生き残り達を
 救出、』

チーノ

え?

戦場中からくる報告の対応に追われていたトントンも手を止め、インカム越しの声に耳を澄ませる。

レイ

『独立部隊の
 一部と混ぜて
 隊列を組み直し
 ました』

トントン

は?

レイ

『今から戦場
 全体を回って
 来ます。』

レイ

『敵本陣を叩く
 時は報告を
 入れますので』

レイ

『では。』

そう言い、そのまま遠慮無くインカムを切る。

向こうからチーノの慌てた声が聞こえた気がしたが放置しロボロとショッピとの合同チャンネルへとインカムを操作した。

ロボロ

『レイ何やねん
 さっきの
 衝撃報告!』

レイ

え、あ……
衝撃でしたか?

レイはイマイチよく分かっていない様に心の篭っていない返事を返す。

ショッピ

『独立部隊って
 こんな動きする
 隊やったん
 ですね』

ゾムがちょうど暗殺部隊に配属された時に軍事学校を卒業したショッピは感心半分、呆れ半分といった声を漏らした。

レイ

あ、
それと………

レイ

ロボロさん、
申し訳ありません
でした。

ロボロ

『え?何がや?』

突然の謝罪にロボロは困惑といった様子で返す。

レイ

ロボロさんが
戦闘開始前に
して下さった
命令、

レイ

それを無下にして
自らの判断を
突き通して
しまいました。

ロボロ

ん?指令…
………?

んなもん出した覚えなんか無いけどな…と呟いたロボロだったが、次第にああ、あれか、と思い出した様にレイの発言を肯定した。

エーミールから配置指示が出され、一緒に持ち場に向かった二人は、そこで歩きながらという忙しない会話をした。

そこでロボロがレイに掛けた言葉が、

レイ

出来るだけ
回復力の見込めない
部隊は捨て置け……

レイ

…ですか。

ロボロ

冷徹って言われても
しゃあないけどな。

ロボロ

レイの独立部隊は
……ほら、前に
ゾムがやっとった
やつやろ?

ロボロはゾムの独立部隊時代を見ているので知っているが、

そもそも前独立部隊はキチンと「バランス役」は務めるものの、どちらかと言えば前線に突っ込んでいくタイプだった。

隊長があのゾムであったのだから仕方が無い。あのゾムなのだから。

ただ、今は代替わりして現在進行系で自分の横で無表情を貫き通している少女が隊長を務めている。

レイは、この変わり者だらけの幹部達の中ではだいぶ……いや、かなり真面目の部類に入るだろう。

となれば、誰かさんの様に援護に回ってた筈の部隊を引き連れて敵陣総攻撃なんてしないはずだ。

となれば、独立部隊の一番の役目「判断力」が非常に必要になるわけだ。

ロボロ

上に立つ者として
時には味方を
切り捨てる事も
出来なあかん。

ロボロ

分かるか?

レイ

…………

我ながら、この言葉はまだ12の子供には酷なものだと思う。

だが、自分達と同じ幹部という立場に立つ以上、その位は出来て貰わないと困る。

なんて思っていると、存外その返事はすぐに返ってきた。

レイ

分かりました。

レイ

手駒として
使えない様に
なりましたら、

レイ

「見捨てる」
という手段を
頭に入れて
おきます。

表情を微塵も崩さず言い切ったこの少女に、ロボロは思った。

ああ、コイツも中々、イカれてる。

事のあらましを思い出したロボロは面白そうに姿勢を崩し、椅子を軋ませる。

レイと会話し始めたあたりから感じ始めた薄い視線をロボロがジェスチャーで振り払うと、何人かが目を逸らした。

大方聞き耳でも立てていたんだろう。

ロボロ

まーあんなモンは
命令っていうか
アドバイスみたいな
感じやからそんな
気にしやんでええで

レイ

『そうですか』

納得のいっていない様な声が返ってくる。

ロボロ自身がいいと言っているのに、おかしな話だ。

ロボロ

まあでも、
あれやな。

ロボロ

やっぱりレイと
言えど、味方を
見捨てんのは
しんどかったか。

そう言ってから、今の言葉が大分失礼だったという事に気付く。

ロボロ

あ、……

見事に失言した。

なんでそんな鬱先生みたいなガバするかな、と宙を眺めながら考えても仕方が無い。

レイ

『………』

そして相手側のレイが無言なのもまた怖かった。

普段のレイの性格から見て、返事が返ってこないのはさほど珍しくはないのだが、こんなタイミングで黙られたら困る……

などと、かなり自分勝手な理論を展開していると、レイがボソリと呟いた。

レイ

『…見捨てるも
 何も、私は
 元よりそういう
 思想を持って
 いませんので』

ロボロ

あーそうやった
か……

なんとも面白くない答えが返ってきたと思うと、

レイ

『ただ……
 あの新人達は
 シャオロン
 さんの管理下
 ですので』

レイ

『数が減れば、
 シャオロンさんが
 困るかもしれないと
 愚考した結果です』

ロボロ

……なるほどな

少し予想から外れた続きの言葉が紡がれ、ロボロはまた面白そうに笑った。

レイ

『それで……
 確認ですが
 私はこれから
 戦場全体を回り
 あわよくば
 敵本陣を叩く
 という事で良い
 でしょうか?』

ロボロ

あ、うん。
それで……

トントン

『おいゴラ
 馬鹿共オ‼︎』

頷きかけたロボロの後ろで、トントンが大声を上げエーミールのマイクを引っ掴んだ。

トントン

『ゾム!聞こえ
 てんな⁉︎今すぐ
 180°旋回して
 自分とこの新人
 拾って回れ‼︎』

トントン

『……やらん
 かったら………
 分かってんな?』

ブチ切れお怒り書記長が、怨念こもった声で低めに脅す。

マイク越しに、ゾムの動きがストップしたのがわかった。

レイ

『……道中、
 他の部隊の
 新人を援護して
 いきます』

その怒声が聞こえたのだろう、レイは小さな声で付け加えた。

ロボロ

…おう、
頼むわ。

お互い大変だな、と2人が慰め合った瞬間だった。

定期報告を終えたレイは、インカムをマナーモードにし戦場へと向き直る。

そこでは、レイが救出した兵達がまた志気を取り戻し、必死に戦っている姿があった。

モブ

レイ隊長!
これから
どう致しますか?

近くにいた独立部隊の隊員が話しかけてくる。

レイ

ああ、それは……

隊員達にこれからの行動の予定を説明しながらも、レイは何処か上の空だった。

さっきのロボロの質問が、ずっと頭に残っているのだ。

「味方を見捨てんのはしんどかったか」

その問いにレイは「幹部達が困るから」と返した。

あれはあれで、ロボロは面白いと思っていそうだが、レイの中ではその自分自身の答えこそが引っかかっていた。

何故なら、「手駒が減り幹部が困る」のならば自分がその分働けばいいし、レイはそれを実行する自信を持ち合わせていた。

レイ

(では、何故…)

レイ

(…何故、私は
 彼らを助けた
 のでしょう)

自分を嗤うような、いや、少なくとも自分を潔く認めてくれはしなかった彼らを。

何故?

その答えは、手を伸ばせば届き、同時にその闇の中に引き摺り込まれるであろう、自分の過去の中に在る気がした。

辺りに舞う血煙は、その闇すらをも、覆い隠してしまった。

モブ

あっっ……
っぐうっ……

モブ

なんだコイツら
弱っ!

そう言い、数十人で笑い合う敵兵。

戦場の片隅で小さな悲鳴を上げた集団は、そのまま力無く地面に伏せる。

彼らの動きは、一般人よりはマシだろうが、明らかに非戦闘員の動きをしていた。

これなら、どんなに敵が三下の部類でもやられているだろう。

モブ

誰か……
助、け……

武器も奪われ、人に寄りすがるしか無くなった彼らは誰の目にも留まらない筈のその場所で小さく祈った。

レイ

……あの場所は
なんです?

レイは声と顔との両方で訝しげさを表した。

レイの視界の先に見えたのは、戦場には似つかわしくない小さな洞窟の様な場所。

モブ

……え?…
何処ですか?

周りの部下達の視力では捉えきれないらしく、キョロキョロとレイの視線方向を見渡す。

その奥で、レイは小さな硝煙が上がったことを見逃さなかった。

レイ

…………

レイ

…すみません。

モブ

え?

レイ

…少しだけ、
ここをお任せ
します。

モブ

ええ⁉︎隊長⁉︎
ちょ、
ちょっと!

背後から聞こえる部下の情けない声を無視して、レイは全速力で走り出した。

モブ

………

モブ

おい、もう
へばったのか?

b国の軍服を纏った兵士が、もう抗う気力もない我々軍の兵らしき人物を剣先で突つく。

モブ

それにしても
なんでコイツら
こんなに
弱いんだ?

さすがにおかしいと自分でも思ったのだろう。

男の一人が、隣に立っている仲間に聞いた。

モブ

あーコイツらは
恐らく……噂に
聞く我々軍の
「諜報部隊」
なんだろ。

モブ

普段潜入ばっかで
実戦に慣れて
ないんだろうよ。

モブ

へえ
そうなのか!

モブ

そんな奴らを
駆り出すなんて
我々軍は
よっぽど人材
不足なんだな!

男はそのまま嘲る様に笑った。

レイ

(思ったより
 最悪………
 ですね)

レイは岩の影に隠れ、その一部始終を聞いていた。

レイ

(あの男は彼らを
 諜報部隊だと
 言っていますが
 …………)

レイ

(諜報部隊は
 前線第II部隊の
 別名で、
 その隊の者が
 そこまで弱い筈
 無いんです…)

レイ

(彼らは……
 重装部隊
 です!)

重装部隊。

我々軍幹部の鬱大先生が隊長を務める隊のことである。

隊名とは裏腹に、彼らは日頃情報整理が主流で、構成員で動ける者はほとんどいない。

その代わりに彼らは貴重な軍の情報セキュリティとして、各個人に強力な装備が渡される。

それが元となり「重装部隊」と名が付いたのだが、まあ今はそんな事置いておいて。

レイ

(重装部隊は
 稀に報告で
 把握しきれない
 戦況を掴むため
 外に出る事が
 あると聞いては
 いましたが…)

まさかこんな所で見つけてしまうとは。

更に、レイが何に頭を悩ませているかと言うと、

「さっき助けた新人達とは違い、彼らは確実に助からない」

という事である。

例えば今レイが軽く援護に行ったところで、恐らく何人かは助からない。

逆にレイが本気で助けに行けば彼らは全員助かるだろうが、そうなれば今度はレイが助からないだろう。

レイ

(落ち着いて、
 考えろ……)

レイ

(どう考えても、
 私が助かる方が
 軍に有益な筈)

レイ

(私が助かる
 方が……)

目の前で行われているのは、一方的な、蹂躙。

「……レイ」

レイ

……‼︎

……少女は、いつかの母親の声を聞いた。

もう、誰も助からない。

小さく口だけを動かした自分の周りには、倒れている味方が大勢。

もうみんな、動けない。

なにより、全員が気力を失っていた。

誰一人、気がつけなかった。

皆、自分達には装備があると慢心していた。

……その結果がこれだ。

もう力も入らない手を、ぼんやりと眺める。

ああ、鬱隊長に顔向け出来ないな……。

そう思い、データの入ったUSBを硬く握った、その時。

レイ

逃げなさい‼︎

小さな軍服を着た誰かが、目の前で笑っていた男の一人を斬った。

モブ

……なんだ
このガキ。

いきなりの襲撃に急いで身を固めた敵兵達は、立ち塞がったのが小さな少女一人だけだという事に気付くと途端に警戒を解いた。

モブ

ガキだあ?
なんでこんな
とこにいんだよ

レイ

…私は、我々軍
独立部隊隊長…

レイ

レイです‼︎

独立部隊隊長と聞き、男達の笑みが引っ込む。

モブ

ほお……?

モブ

それは……
意味分かって
言ってんのか?

レイ

意味も何も……

「つべこべ言わず、かかってきなさい‼︎」

我々軍対、b国大戦。

この戦いは、見事我々軍側の勝利で幕を下ろした。

【とある書記長のメモ】

今大戦において、我々軍本拠地への侵入は無し。

途中情報収集に出た重装部隊数名も、無事帰還。

今回の大戦では我々軍、死傷者およそ1945名。

………その内、約1名、行方不明。

……終戦数刻前。

レイ

…………う、
うう…………

倒れるレイの傍に、足を進めた者がひとり。

???

……なんだ?

???

子供…………?

訝しむ様な声と共に吐いた煙は、そこらに立ち籠める土煙に溶けて消えた。

れい

はい!

れい

今回はここまで
です!

れい

なっっっっっっが‼︎

れい

過去最長かも
しれん…………

れい

いや、すみません
ホントに。

れい

単純にここで
切りたい!までが
長すぎた………

れい

というわけで
ですね、

れい

次回!あの人が
初登場という
ことでね。

れい

よろしくお願い
します!

れい

では、また!

この作品はいかがでしたか?

505

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚