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透明エレジー 小説バージョン

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透明エレジー 小説バージョン

1 - 透明エレジー 小説バージョン

♥

303

2022年03月25日

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私はあの日、羅々華(ららか)に屋上へ呼ばれた

屋上に行くと、彼女は居た

最上階に君が1人 揺れる影が

ずっと間が空いて彼女は言う

ずっとずっと

羅々華

私達、もう永遠に愛し合うことはできないね、

『ずっと、僕らの愛はもう見つかりはしないでしょう』

言葉を飲み込む音

瑳来(さく)

(もし、ここで近づいてしまったら、飛び降りちゃうかもしれない、、)

息を止めた 街中に一人

瑳来(さく)

…ッ

暮れた夜を混ぜては

喉の奥に 今落としていく

瑳来(さく)

昨日のことなんて、もういいんじゃない、?

瑳来(さく)

(考えたけど、これしか言えないよ…)

昨日のことは忘れました

羅々華

…大っ嫌い…ッ!

瑳来(さく)

ッ?!

明日のことも思い?出せ?なくて?

羅々華は、飛び降りた。

瑳来(さく)

羅々華の『辛い』って気持ち、わかってたのに、、

瑳来(さく)

聞こえてたのに、、!

ああもう、痛い、痛いなんて

声は確かに届いてたんです

瑳来(さく)

『大っ嫌い』なんて言葉が最後だなんて…

瑳来(さく)

聞きたくなかったよ…ッ

『嫌い嫌い』なんて言葉錆び付いて聞こえないや

瑳来(さく)

私に、羅々華を助けることは出来なかったのかな…

愛?のない?痛い容態

瑳来(さく)

私がもっとちゃんとしてれば、羅々華を助ける言葉を見つけられたのかな…?

唄も色も まだ六十八夜の

瑳来(さく)

羅々華の言う通り。もう、終わりだね…

そう、これでおしまいなんだ

僕が君におくる

回想

瑳来(さく)

羅々華!!

私がいくら手を伸ばしても、彼女の手は掴めなかった

私はただ、羅々華の堕ちていく姿を見ているだけだった

最上階から見た景色

落ちる影が ずっとずっと

それしか出来なかった

『ずっと、僕ら声ももう聞こえてはいないでしょう?』

私はいつか、言葉を選択して発するようになっていた

瑳来(さく)

もう、羅々華の可愛い笑顔も、優しい声も何もないなんて、、

言葉の錆びてく音

霧のかかる 心の奥底

朝焼け色の中に 君は1人 また透けてくだけ

静かな部屋の中。

瑳来(さく)

(ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ)

私の心臓の音だけが鳴り響いていた

鼓動の音は1つ限り

閉め切った部屋の中で響く

瑳来(さく)

あの日、どうして他に言葉が出なかったんだろう…

言葉も出ない出ないような

僕は確かにここに居たんです

瑳来(さく)

もっと、羅々華との時間を増やせば良かった…

見ない 見ないなんて 今も染み付いて離れないや

瑳来(さく)

『大っ嫌い』

瑳来(さく)

まだ、生々しく残ってる声…

ああもう、痛い 痛い容態

耳の奥で まだあの日の言葉が

瑳来(さく)

会いたいよ、羅々華…

ああ、これでお別れなんだ

そんな君の声も ねぇ

登校中

瑳来(さく)

羅々華の机を見ると、どうしても思い出しちゃうよ…

瑳来(さく)

もういっその事、存在自体忘れちゃおうかな、、

瑳来(さく)

そんなこと出来ないかもしれないけど…笑

あの日願った言葉がもう耳に染み込んじゃって

気持ちも切って『バイバイバイ』何を欲しがったんだっけ?

そして何年か経ち、私は大学受験生になった

瑳来(さく)

やっぱり、私が殺してしまった事実は変わらないか、、

瑳来(さく)

ごめん、ごめんね、羅々華…

僕が 君が 僕が捨てちゃったんです

まだ あぁ

瑳来(さく)

あの日から、忘れたフリして生活してたけど、忘れられる訳じゃなかった。。

心の 暗い 暗い奥の 底に本当は隠してたんです

瑳来(さく)

だけど今更、こんなこと考えても遅いか…

今じゃ 遅い 遅いなんて 今更知っちゃったんだ

瑳来(さく)

もう、私も羅々華も、お互い存在自体なくしちゃいたい、、

あぁもう、嫌い 嫌いなんだ

君も 僕も 全部 全部 全部

透けて消えて無くなって…

回想

瑳来(さく)

▆▆▆▆▆!!

羅々華

▆▆▆▆▆▆▆▆▆▆?!

瑳来(さく)

▆▆!

瑳来(さく)

▆▆▆▆▆…?

羅々華

▆▆▆▆▆。

瑳来(さく)

▆…。

羅々華

バイバイ

ドンッ グシャッ

羅々華

あ゛っ、う゛、、

瑳来(さく)

羅々華…!!

羅々華

あ゛ぁ゛、

言葉も出ない 出ないような

声が確かに響いてたんです

あの日屋上全体に響き渡った

大っ嫌い!!

という言葉は、いつまでたっても消えてくれない

嫌い 嫌いなんて 言葉近すぎて聞こえないや

瑳来(さく)

…ッ

ああもう、痛い、痛い容態

唄も色も まだ六十八夜の

そう これでお別れなんだ

僕が 君に 送る

瑳来(さく)

▆▆▆…!

瑳来(さく)

▆▆▆▆▆▆▆▆▆▆!

瑳来(さく)

いい景色、最後がこれなら…

響く夜空に溶ける

瑳来(さく)

▆▆▆!

大好きっ!羅々華!

透明哀歌

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