橙
……
毎日毎日一人ぼっち
地味だしなんの取り柄も無い陰キャの俺には一人も友達がいない
今日も一人で屋上にお弁当を食べに来る
橙
いただきます……ボソッ
こんな俺にも一人、憧れの人がいる
それは俺と真反対の桃くん
桃くんは人気者で周りに人がいっぱいいてモテて………………
優しいし面白いしかっこいいしハイスペック
こんな俺にもたまに挨拶をしてくれる
いてもいなくても変わらないような俺に挨拶をしてくれた時は大変驚いた
しかも俺、クラスメイトに陰キャって陰口言われてるし……
陰口だって聞いているはずなのに話しかけてくれる彼
俺は密かにそんな彼と"友達"になりたいと思っている
まぁ到底なれる訳は無いけれど……
モブ
桃~!!飯食お~ぜ!!
桃
い~よ
女子
私も一緒に食べたい……っ、!
桃
おけ~
桃
…………ちょっとトイレ行ってくるから先に食ってて?
モブ
りょ~
女子
は~いっ!
桃
…………………………ソッ
橙
……
……いた、
俺の好きな人
彼は陰キャと呼ばれている橙くん
なんで俺が彼を好きなのか……
簡単に言えば一目惚れ
誰とも話さないし地味な彼のことはずっと気になっていた
気になったから…………挨拶してみたんだ
桃
…………………………ぁ、
いつもより早く登校した時、橙くんが先に来ていて教室で二人きりになった
だから俺はこれを機に…………
桃
橙くん、おはよ
橙
ぇ……っ、?ぁ……っ、ぉはよっ、
その時はあわあわしてて変なやつだと思った
でも……………………
桃
……………………、!
…………また二人きりだッ!
桃
……おはよ!
橙
……
桃
……、?……橙くん、?
橙
へッ…………、俺…………、?
桃
うん……笑、おはよ、
橙
ふぁ…………っ、おはよ……っ、
桃
…………っ、/
初めはおどおどしている彼を不思議に思っていたけれど今となってはそんな姿も可愛いと思える
桃
………………よしッ、ボソッ
橙くん見れたし戻ろ~っと!