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美空❀@低浮上
32
2,300
主
### 『花びらの秘密』 夜。 ダダドゥー卿はひとり、薄暗い部屋に座っていた。 「……また、か」 口元を押さえる。 ――ぽとっ。 手のひらに落ちたのは、小さな白い花びら。 「……まずいな」 最初は、ほんの一枚だった。 けれど最近は、咳をするたびに花びらが増えている。 「ゴホッ……ゴホッ……!」 慌てて口元を押さえる。 数枚の花びらが、床へ落ちた。 ダダドゥー卿は急いで拾い集める。 「誰にも……見られてはいけない」 そのとき―― 「ダダドゥー卿?」 扉の向こうからシリンジョンの声がした。 ダダドゥー卿の動きが止まる。 「……なんでもない」 「本当に?」 「……ああ」 シリンジョンが扉を開ける。 その瞬間、床に落ちた花びらが目に入った。 「……花?」 「!」 ダダドゥー卿は、とっさに花びらを隠した。 「見るな」 「ダダドゥー卿……それ、何?」 「……ただの花びらだ」 しかし、その直後。 「ゴホッ……!」 また一枚。 今度は花びらだけではなく、小さな花まで落ちた。 シリンジョンは驚いて駆け寄る。 「ずっと隠してたの?」 ダダドゥー卿はしばらく黙っていた。 そして、小さな声で答えた。 「……最近、こうなるんだ」 「いつから?」 「……少し前から」 「どうして言ってくれなかったの?」 ダダドゥー卿は視線を落とした。 「心配をかけたくなかった」 シリンジョンは、落ちた花を拾い上げる。 「じゃあ、これからは一人で抱えないで」 ダダドゥー卿は何も言わなかった。 ただ、手の中の花をじっと見つめていた。 その花には――まだ、見たことのない色のつぼみが一つだけ残っていた。 「……この花、何なんだ?」 二人はそのつぼみを見つめる。 そして翌朝。 そのつぼみが、ゆっくりと開き始めていた。
続き
### 『止まらない花びら』 翌朝。 ダダドゥー卿は目を覚ました瞬間、異変に気づいた。 「……っ」 胸の奥が重い。 息を整えようとするが、喉の奥がむずむずして、咳がこみ上げてくる。 「ゴホッ……ゴホッ……!」 口元を押さえる。 ――ひら、ひら。 今までよりずっと多くの花びらが手の中に落ちた。 「……こんなに……?」 花びらを片付けようと立ち上がる。 しかし、足元がふらついた。 「……っ、まずい……」 壁に手をついて、その場でしばらく動けなくなる。 そこへシリンジョンが入ってきた。 「ダダドゥー卿?」 「……来るな」 「え?」 「今は……近づかないでくれ」 ダダドゥー卿は必死に平静を装う。 けれど、また咳がこみ上げた。 「ゴホッ……ゴホッ……!」 花びらが次々とこぼれ落ちる。 シリンジョンの表情が変わった。 「昨日より酷くなってる……」 「……大丈夫だ」 「大丈夫じゃないだろ」 ダダドゥー卿は答えようとする。 だが、言葉が出ない。 喉が苦しく、呼吸を整えるだけで精一杯だった。 やがて咳が収まると、床一面に白い花びらが散っていた。 「……こんなに……」 ダダドゥー卿は呆然と呟く。 さらに―― 胸元に小さな花の模様が浮かび上がっていた。 昨日まではなかったものだ。 シリンジョンが息をのむ。 「ダダドゥー卿……それ……」 「……見るな」 ダダドゥー卿は服で隠す。 しかし、その声にはいつもの強さがなかった。 「このまま……もっと酷くなったら……」 そこで言葉が途切れる。 シリンジョンは静かに言った。 「だったら、もう一人で隠すのは禁止」 ダダドゥー卿は返事をしなかった。 ただ、床に落ちた花びらを見つめていた。 そしてその夜――。 今度は、部屋いっぱいに花の香りが広がり始めた。
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### 『止まらない花びら』 翌朝。 ダダドゥー卿は目を覚ました瞬間、異変に気づいた。 「……っ」 胸の奥が重い。 息を整えようとするが、喉の奥がむずむずして、咳がこみ上げてくる。 「ゴホッ……ゴホッ……!」 口元を押さえる。 ――ひら、ひら。 今までよりずっと多くの花びらが手の中に落ちた。 「……こんなに……?」 花びらを片付けようと立ち上がる。 しかし、足元がふらついた。 「……っ、まずい……」 壁に手をついて、その場でしばらく動けなくなる。 そこへシリンジョンが入ってきた。 「ダダドゥー卿?」 「……来るな」 「え?」 「今は……近づかないでくれ」 ダダドゥー卿は必死に平静を装う。 けれど、また咳がこみ上げた。 「ゴホッ……ゴホッ……!」 花びらが次々とこぼれ落ちる。 シリンジョンの表情が変わった。 「昨日より酷くなってる……」 「……大丈夫だ」 「大丈夫じゃないだろ」 ダダドゥー卿は答えようとする。 だが、言葉が出ない。 喉が苦しく、呼吸を整えるだけで精一杯だった。 やがて咳が収まると、床一面に白い花びらが散っていた。 「……こんなに……」 ダダドゥー卿は呆然と呟く。 さらに―― 胸元に小さな花の模様が浮かび上がっていた。 昨日まではなかったものだ。 シリンジョンが息をのむ。 「ダダドゥー卿……それ……」 「……見るな」 ダダドゥー卿は服で隠す。 しかし、その声にはいつもの強さがなかった。 「このまま……もっと酷くなったら……」 そこで言葉が途切れる。 シリンジョンは静かに言った。 「だったら、もう一人で隠すのは禁止」 ダダドゥー卿は返事をしなかった。 ただ、床に落ちた花びらを見つめていた。 そしてその夜――。 今度は、部屋いっぱいに花の香りが広がり始めた。
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### 第一段階 ― 違和感 「……ん?」 喉に、ほんの少し違和感。 「……ゴホッ」 ――ひらっ。 白い花びらが一枚落ちる。 ダダドゥー卿は拾い上げる。 咳は一度だけ。 体調にはほとんど影響がない。 「……気のせいだ」 --- ### 第二段階 ― 咳が増える 数日後。 「ゴホッ……ゴホッ」 一度では終わらない。 花びらも一枚、二枚、三枚……。 夜になると特に咳が増える。 眠りかけたところで、 「……ゴホッ!」 目を覚ます。 「……またか」 少しずつ、休める時間が減ってきた。 --- ### 第三段階 ― 苦しさが残る さらに悪化。 「ゴホッ……ゴホッ……!」 咳が収まっても、胸の重い感じが消えない。 息を整えるため、壁に手をつく。 「……はぁ……」 花びらに混じって、小さなつぼみまで落ちる。 以前なら数秒で戻った呼吸も、なかなか落ち着かない。 ダダドゥー卿は初めて、 「……これは、まずいな」 と呟いた。 --- ### 第四段階 ― 体がついてこない 朝。 起き上がろうとする。 「……っ」 思うように体が動かない。 立ち上がっても、すぐに足を止める。 少し歩いただけで咳が出る。 「ゴホッ……!」 花びらが床に散る。 以前なら隠せた量ではない。 さらに胸元の花模様も広がっている。 シリンジョンが見つける。 「ダダドゥー卿、顔色が……」 「……大丈夫だ」 しかし、その直後。 また咳。 今度はすぐに立ち直れなかった。 --- ### 第五段階 ― 日常が崩れる 昼。 会話の途中で咳が止まらなくなる。 「ゴホッ……ゴホッ……!」 一度、二度では終わらない。 ダダドゥー卿は椅子に手をつき、呼吸を整える。 「……少し……待て」 以前なら普通にできたことが、今は難しい。 歩く。 話す。 眠る。 その一つ一つに、症状が入り込んでくる。 シリンジョンが言う。 「もう隠す段階じゃない」 ダダドゥー卿は答えない。 ただ、床に落ちた大量の花びらを見つめていた。 --- ### 第六段階 ― 目に見えて危険な状態 深夜。 ダダドゥー卿は眠れずに座っていた。 「……ゴホッ……!」 また咳。 花びらが大量にこぼれる。 息を整えようとしても、すぐには落ち着かない。 立ち上がろうとする。 「……っ」 しかし、足に力が入りにくい。 そのまま椅子へ戻る。 胸元の花模様は、以前とは比べものにならないほど広がっていた。 そして―― 部屋の中の花まで、次々と開いていく。 「……こんなに……」 ダダドゥー卿の声が震える。 そこへシリンジョンが駆け込んでくる。 「ダダドゥー卿!」 「……もう……一人では無理だ」 その言葉を聞いた瞬間、シリンジョンはすぐそばへ駆け寄った。 第一段階では**一枚の花びら**だった。 それが今では、 **咳・呼吸の乱れ・強い疲労・歩くことや会話への影響・大量の花びら・広がる花模様。** 六段階目では、もはや隠して過ごせる状態ではなくなっていた。
(・。・
### 第1段階 ― 小さな異変 **症状** * 一日に1〜2回、軽い咳が出る。 * 咳のあとに花びらが1枚だけ落ちる。 * 喉に少し違和感がある。 * 普通に歩いたり話したりできる。 ダダドゥー卿は花びらを拾い、 「……これくらいなら問題ない」 と自分に言い聞かせる。 まだ、誰にも気づかれない。 --- ### 第2段階 ― 咳が増える **症状** * 咳が一日に何度も起こる。 * 一回につき数枚の花びらが出る。 * 特に朝と夜に症状が出やすい。 * 夜中に咳で目を覚ますことがある。 * 少し喉が疲れやすくなる。 「ゴホッ……ゴホッ……」 枕元に花びらが数枚。 ダダドゥー卿は急いで片付ける。 しかし、前より明らかに花びらが増えている。 --- ### 第3段階 ― 咳の後に苦しさが残る **症状** * 咳が数回連続する。 * 花びらに小さなつぼみが混じる。 * 咳が収まったあとも胸が重く感じる。 * 階段や長い移動で疲れやすくなる。 * 会話の途中で咳が出ることがある。 「ゴホッ……ゴホッ……」 「……少し、休ませてくれ」 ダダドゥー卿は壁に手をつく。 以前ならすぐ元に戻っていたが、今は休む時間が必要になっていた。 --- ### 第4段階 ― 体力が目に見えて落ちる **症状** * 朝から疲労感がある。 * 少し歩いただけでも咳が出る。 * 咳の回数と花びらの量がさらに増える。 * 花の模様が胸元に現れ始める。 * 以前より長く休まないと動き出せない。 「……今日は、少し動くのがきついな」 椅子から立ち上がるだけでも時間がかかる。 シリンジョンが異変に気づく。 「昨日より悪くなってない?」 ダダドゥー卿は答えられない。 --- ### 第5段階 ― 普通の生活が難しくなる **症状** * 咳が昼夜を問わず起こる。 * 一度始まると、しばらく止まりにくい。 * 花びらだけでなく、開きかけの花も出る。 * 会話が何度も途切れる。 * 長時間歩くことが難しくなる。 * 夜も症状で何度も目を覚ます。 「ゴホッ……!」 話していた言葉が途切れる。 「……待ってくれ。少しだけ……」 椅子に座って呼吸を整える。 以前できていたことが、一つずつ難しくなっていく。 --- ### 第6段階 ― もう隠せない **症状** * 咳が頻繁に起こり、休んでいても症状が出る。 * 花びらが一度に大量に落ちる。 * 大きな花が混じるようになる。 * 胸元の花模様が広い範囲に広がる。 * 少し動いただけでも強い疲労を感じる。 * 会話を続けることさえ難しい時間がある。 * 一人で症状を隠すことができなくなる。 深夜。 「ゴホッ……ゴホッ……!」 ダダドゥー卿は椅子に座ったまま、しばらく動けなかった。 床には大量の花びら。 胸元には広がった花模様。 そこへシリンジョンが駆け込む。 「ダダドゥー卿!」 ダダドゥー卿はしばらく黙ってから、ようやく言った。 「……もう、隠すのは無理だ」 第一段階では**「花びら一枚」**だった。 第六段階では、**症状が生活そのものを大きく妨げるほどになっている。** そして二人は、花吐き病の原因を探すために動き始める――。
コメント
2件
コメント1番最初だー うれしい
うわああんっ第2話もエモすぎるよ〜〜😭💕 ダダドゥー卿が症状隠そうとしてるの、もう胸がぎゅってなる…( ; ; ) シリンジョンに見つかって「一人で抱えないで」って台詞、めっちゃ優しくて刺さった…!花模様が浮かび上がるところも視覚的に切なくて綺麗だよ🌸 二人の距離、この先どう変わっていくのか続きが気になって仕方ない…!