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俺はみんなみたいにはなれない…

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俺はみんなみたいにはなれない…

4 - 一瞬でも期待した俺が馬鹿だった

♥

1

2024年11月16日

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莉犬

ここは海が綺麗だなぁ

莉犬

こんなに綺麗な海が近くにあるなんて

莉犬

最高じゃん

莉犬

莉犬

風が気持ちいい

莉犬

……

莉犬

よし

莉犬

走ろう

莉犬

今後こそ、なーくんと同じくらいに

莉犬

いや、

莉犬

なーくんを越すんだ

莉犬

もっと練習して

莉犬

努力して

莉犬

それで、みんなから褒めてもらうんだ

莉犬

よし

莉犬

頑張ろう

数時間後

莉犬

はぁはぁはぁ

莉犬

ゴホゲホ

莉犬

ふぅ

莉犬

疲れた…

莉犬

ちょっと休憩…

莉犬

ゴホゴホ

莉犬

ふぅふぅ

莉犬

ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...

莉犬

はぁはぁ

莉犬

ふぅー…

莉犬

(/◎\)ゴクゴクッ・・・

莉犬

"(…′○′/𖠚໊プハァー!

莉犬

うま

莉犬

莉犬

よし!もっかい!

さらに数時間後

莉犬

はぁはぁはぁはぁ

莉犬

やば

莉犬

死にそう笑

莉犬

はぁはぁ

莉犬

もうこんな時間…

莉犬

帰んなきゃ

次の日も

次の日も

次の日も

毎日練習した

頑張った

だから

今度こそ…

大会当日

ころん

あ!なーくんと莉犬くんだ!

ななもり。

あ!ころちゃん!

るぅと

おはようございます!

莉犬

おはよぉ

さとみ

今日の大会出るんだな!

二人

はい!

ジェル

頑張ってな!

二人

はい!

ころん

もう始まるんじゃない?

ななもり。

ほんとだ!

莉犬

行かなきゃ!

それでは

位置について

よーい

\パァンッ!!!/

莉犬

はぁはぁ

ななもり。

えへへ

莉犬

はぁはぁ

ななもり。

えへへ

ななもり。

楽しい笑

ななもり。

・*・:≡( ε:)

莉犬

はぁはぁ

莉犬

やばい…、

莉犬

い、いや!

莉犬

まだだ

莉犬

行ける

莉犬

大丈夫

周り

ε=┏(・ω・)┛

周り

ε=┏(・ω・)┛

周り

ε=┏(・ω・)┛

莉犬

はぁはぁ

莉犬

はぁはぁ

莉犬

大丈夫

莉犬

行ける

莉犬

はぁはぁ

莉犬

行ける

莉犬

行ける

莉犬

行ける

行ける

莉犬

はぁはぁ

莉犬

ごーる、!

ジェル

すげーじゃん!

莉犬

え、!

ジェル

なーくん!

莉犬

あ、…

一瞬でも期待した俺が馬鹿だった

結果、最下位

頑張ったはずなんだけどなぁ

なーくんばっかり…

やだ

さとみ

すごいな!

さとみ

さすが!

ころん

また一位なんて!すごい!

るぅと

ほんとにおめでとうございます!

莉犬

るぅと

莉犬も!

るぅと

よく頑張りましたね!

莉犬

るぅと

ほら!見てください!

るぅと

前よりもタイムが1分も縮まってます!

るぅと

凄いじゃないですか!

るぅと

努力した証ですよ!

莉犬

なんで褒められたのに

素直に喜べないんだろう

なんか

悔しい

また負けた気がする

莉犬

さとみ

救急車!救急車呼べ!

莉犬

え、

莉犬

救急車?

莉犬

なんで、

ななもり。

ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...

ななもり。

ゴホゲホ

ななもり。

ゴホゲホゴホゲホ

莉犬

な、なーくん!

ジェル

ちょ!ゆっくり息してな!

ころん

ゆっくりだよ

ななもり。

ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...

ななもり。

ふぅ

ななもり。

うぅ

ななもり。

ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...

るぅと

やばいですね

るぅと

息が上手くできてないみたいです

莉犬

あ、…

莉犬

え、…

莉犬

ななもり。

パチ

ななもり。

…ここは?

莉犬

なーくん!

莉犬

起きたんだね!

ななもり。

ここ、どこ?

莉犬

病院だよ

ななもり。

なんで、?

莉犬

なーくんが急に息が荒くなって

莉犬

救急車で運ばれたの

ななもり。

…そっか

ななもり。

大会は?

莉犬

優勝だよ

莉犬

なーくん

ななもり。

…やったぁ

莉犬

…よかったね

お母さん

あ!

お母さん

起きたのね!

お母さん

心配したのよ…!

ななもり。

大丈夫だよ

お母さん

お母さん

よく聞いて

ななもり。

なに?

お母さん

あなたはもう

お母さん

運動が出来ないわ

ななもり。

え、

莉犬

お母さん

陸上は…出来ない

ななもり。

な、なんでよ!

お母さん

あなたは重い喘息なの

お母さん

軽い運動でも発作が起きるわ

お母さん

下手したら…

お母さん

亡くなるかも

お母さん

ななもり。

うそ、

お母さん

だから

お母さん

今後は学校は車で送っていく

お母さん

陸上もやめる

ななもり。

や、やだよ

ななもり。

辞めたくないよ

ななもり。

ここまで頑張ったのに

ななもり。

やだ!

お母さん

わがまま言わないで…

お母さん

ごめんね

ななもり。

治らないの、?

お母さん

大人になったら治るかも…って

ななもり。

…そんな

莉犬

なぜか少し嬉しいと思ってしまった

ラッキーと思ってしまった

なーくんが陸上を出来なくなるのは

悲しいはずなのに

なぜか

心の中で喜んでいた

馬鹿じゃないのか

俺の表の良い奴が問いかけた

でも

裏の悪いヤツはやっぱり喜んだまま

よっぽど嬉しいんだろうな

俺の中で

なーくんは

邪魔

なのかな

本当はこんなこと思ってるのかな

どっちが俺なのかわかんない

なーくんが陸上をやれなくなった今

俺はなーくんに何が言える?

こんな心の奥底で

嬉しいと喜んでいるやつが言う言葉の重みは

とてつもなく軽くは無いのか

なーくんに声をかけてもいいのか

俺の中で天使と悪魔が戦っているようだった

莉犬

えっと、

莉犬

その、

ななもり。

莉犬くん

莉犬

なに、?

ななもり。

今度さ

ななもり。

トロフィー持ってきてよ

莉犬

え、?

ななもり。

莉犬くんのトロフィー

ななもり。

俺、みたいなぁ

莉犬

でも、

ななもり。

でもじゃないでしょ

ななもり。

俺、莉犬くんが頑張ってるの知ってる

ななもり。

だからこそ、

ななもり。

莉犬くんの努力の結晶をみたい

ななもり。

お願い

ななもり。

いつか持ってきてね

莉犬

…うん

ななもり。

約束!

莉犬

…!

莉犬

約束!

俺はみんなみたいにはなれない…

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