夏幽霊と私たち

言い訳ターイム☆

本編どーーーん

カタカタカタカタ

………

ふと、気づいた。

もうすぐ、にゃぽんとパラオの夏休みだ。

夏休みはなにをするか。

………

お墓参り……

あのときは…

たしか、遊び疲れて眠っていた時だった。

ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

あまり、深くは覚えていない。

防空壕の中から外に這い出て。

ブォォォォォォォン

女の子を抱いた父さんは、

ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

紅い花を咲かせて、

海兄さんと空兄さんの前で。

それは、まるで、自分に言っているかのような。

ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

泣きそうな顔の海兄さんと、

羽交い絞めにされて、暴れている空兄さん。

ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

頭上では、弾丸の雨が降っているのだろう。

耳が壊れそうなほどの音の中。

私とにゃぽんは二人で隅で身を寄せ合って。

二人を見ていた。

結局、父さんが身を挺して守った女の子は死んだ。

戦闘機が何処かに行った後、

海兄さんと空兄さんは隅の方にいる私たちに、 そこに居るように言った。

その後、目元が赤くなった空兄さんは言った。

「父さんは、、、立派だったんだよ。」

私たちは、どういう事か分からなかった。

私は、父さんの遺体を見ていない。

よく見たら、この幽霊さんは、

記憶の中の海兄さんと、空兄さんにそっくりだ。

嗚呼。寂しいな。

最近、日本はボーっとしている事が多い。

幽霊の方を見て。

コイツは、たまに無理をして倒れたりする。

無理してないか心配だ。

カタカタカタ

昔から思っている事がある。

なにか、足りない。

思い出せない。

大切なこと。

私の血の繋がった家族は、

父さんと、

海兄さんと、

空兄さんと、

にゃぽんと、

…

やっぱり、何だか違和感が拭えない。

それに、何だか、

幽霊さんをみていると、懐かしい。

なにか。

なにか、関係があるのでは無いか。

そうだ。