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十六夜
こんな世界と嘆く誰かの
｢生きる理由になるのでしょうか」
十六夜
これは僕が今君に送る
香菜
最初で最後の愛の言葉だ
十六夜
街も人も歪み（ゆがみ）出した
香菜
化け物だと気づいたんだ
十六夜
欲動に巣食った（すぐった）愚かさも
香菜
全てがこの目に映る
香菜
シアトリカルに手の上で
十六夜
誰も彼も踊らされる
香菜
生まれた意味だって知らぬまま
香菜
形骸化（けいがいか）した夢は
錆び付いてしまった
十六夜
愛をください
香菜
きっと誰もがそう願った
香菜
愛をください
十六夜
そっと震えた手をっ取って
香菜
愛をください
心を抉る（えぐる）
十六夜
醜いくらいに美しい愛を
十六夜
こんな世界と嘆く誰かの
生きる理由になるのでしょうか
香菜
いつか終わると気づいた日から
香菜
死へと秒を読む心臓だ
十六夜
ねぇ このまま雨に溺れて
十六夜
藍に融けたって構わないから
どうかどうかまたあの日のように
傘を差し出し笑ってみせてよ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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