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樋口一葉

行って参ります!

そう云った樋口ちゃんと別れたのは三分程前の事。

予定している袋小路の場所と少し距離を置いた道路脇に 三人で乗ってきた車を停車させている。

樋口ちゃんは今頃探偵社に潜入中だろう。

車の中は私と芥川君と運転手の構成員だけ。

私を何時も乗せてくれる車だから そこら辺の車より遙かに広く、乗り心地も善いのだけど

やっぱり車内と云うのは狭いものだ。

万が一探偵社に顔を見られては面倒なので 私はスモーク窓になっている後部座席で芥川君と隣。

私と居るのが気まずそうな芥川君を見て 必死に場を明るくしようと話を繋げてくれていた 樋口ちゃんはもう居ない。

こんなに樋口ちゃんという存在が大切だったとは…。

貴方が去ってやっと感じるものなのですね(死んでません)。

杏堂〇〇

あー、芥川君はさ

杏堂〇〇

好きな食べ物とか有るの?

芥川龍之介

……

おーっと、無難過ぎたかー!?

ってかこんなにヒョロッちい芥川君が 何か好んで食事するとは思えない!

一言目からミスったー!!

芥川龍之介

………無花果は偶に食す

杏堂〇〇

あー、無花果!無花果ね〜

杏堂〇〇

美味しいよね〜

ヤバい、あんまり食べた事無いよ無花果なんて!

杏堂〇〇

無花果タルトとか善く聞くけど

杏堂〇〇

どんな味がするの?

芥川龍之介

僕、甘味には少し疎い故

あ"ー、渾身の質問がッッッ。

折角無い無花果話の中から やっとの思いで繋げたのに…!

杏堂〇〇

そうなんだね

杏堂〇〇

……

芥川龍之介

……

どうしようどうしよう。

芥川君何考えてるんだろう。 何で急に好きな食べ物やねんって思われたかな?

ってか芥川君芥川君って恋する乙女かよ!

杏堂〇〇

そうだ、さっきの任務

杏堂〇〇

交番爆破してたよね

芥川龍之介

ああ、はい

杏堂〇〇

やっぱり直ぐバレた?

杏堂〇〇

指名手配犯って

芥川龍之介

はい、なので皆殺しにしました

わお、残酷。

グロテスクな事するのねぇマフィアって。

まあ私も人の事云えないケド。

…で、この後何話す!?

芥川龍之介

…先程から顔色が善くないですが

芥川龍之介

何処か痛むのですか?

気を使わせてしまった…。

杏堂〇〇

ううん、大丈夫だよ

杏堂〇〇

ありがとう

芥川龍之介

いえ

杏堂〇〇

……

芥川龍之介

……

…芥川君成長したなぁ。

まあ、まだ会って五日目だけど。

突然呼び出しては襲いかかって来て 敬語もロクに使えない上から目線ニキだったのに。

今では顔色が悪ければ心配してくれる迄に…。

太宰の件を見てても判る様に 従おうと思った者には忠実なんだろう。

忠実を通り越してストーカー迄いってる気がするけど。

まあ其処は置いといて。

と、一人でしんみりしていると 近くの歩道から樋口ちゃんが喋る声が聞こえた。

外を見てみれば狙いの人虎にもう二人探偵社の子達が。

杏堂〇〇

芥川君、樋口ちゃん達が路地に入ったら

杏堂〇〇

車から出て様子を見るよ

芥川龍之介

承知

双 黒 に 狙 わ れ て ま す

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