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嘘恋   後編

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嘘恋 後編

1 - 嘘恋 後編

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2018年08月01日

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莎羅

ねえねえ!ジェットコースター乗ろうよ!

綾斗

ごめん…俺そういう系無理

私も…ごめんね

莎羅

えーつまんないの

綾斗

蒼、前まではジェットコースター乗れてなかった?

……

莎羅

えっ、そうなの?

…まあ、色々あって無理になっちゃって…

莎羅

ほんとに?

え?

莎羅

まあいいや

莎羅

悟くんと2人じゃつまんないし、他のとこ行こ!

何だよ、俺と2人じゃつまんないって…

莎羅

え?何?

別に

ごめんね、気にしないであげて

おう…

綾斗

…じゃあ、どこ行く?

莎羅

綾斗くんが行きたいとこでいいよ!

綾斗

いや、蒼の…

莎羅

いいからー!

綾斗

え…じゃあ、あれ

莎羅

あーあれ!私も行きたかったー!

莎羅

よし!行こ!

綾斗

(ついてけねえ…)

しばらくして…

莎羅

楽しかったね!ご飯も美味しかったし

莎羅

まだ時間あるけど、どこ行く?

綾斗

俺はどこでも…

俺も…

莎羅

つまんないなあ

莎羅

じゃあ決める前に!蒼ちゃん!

え?私?

莎羅

うん!トイレ行こーよ!

あ、うん、いいよ

莎羅

じゃあちょっと待っててー

あ…

ねえ、あや

綾斗

嫌な予感がする

綾斗

え?

トイレで…

莎羅

なんでジェットコースター乗れないなんて嘘つくの

え?私、嘘なんか…

莎羅

嘘つき!

莎羅が蒼の肩を押して、蒼が倒れる。

っ…

莎羅

どうせ綾斗くんと一緒にいたいだけでしょ!

え…そんな…

莎羅

次は許さないから

莎羅

やめてね、そういうの

莎羅

早く、綾斗くんが待ちくたびれてるじゃん

莎羅

ごめん、お待たせ!

綾斗

何してたの?

莎羅

え?何って、トイレはトイレだよ~、綾斗くん、そんなこと聞かないでよ

綾斗

変なバンッ、て音したけど

莎羅

あ、それは

莎羅

莎羅

私がバッグ落としちゃって

莎羅

ごめんね、変な想像させちゃうようなことして

綾斗

いや、別に…

別にじゃないだろ

莎羅

何?

莎羅

じゃあどこ行く?

莎羅

あ!ゴーカートみたいなのある!あれ行こーよ!

綾斗

別にいいけど…蒼はいいの?

莎羅

蒼ちゃんは気にしなくて平気だよ

莎羅

いいよね?蒼ちゃん

…別に、いいよ

莎羅

じゃあ行こ!

おい、気にしなくていいってどういうことだよ

綾斗

俺も…それはひどいと思った

莎羅

え?

莎羅

…ひどい。さっき蒼ちゃんがトイレでゴーカートに行きたいって言ってたから、そういう意味でゴーカート行こって言ったのに

え…私は

莎羅

ほら!だから行こ!

もうすぐ順番…

綾斗

やっとだな

莎羅

2人ずつしか乗れないっぽいね

莎羅

私は綾斗くんと乗るから、2人で乗って

なんで勝手に決めんだよ

莎羅

別にいいじゃん、綾斗くんも蒼ちゃんも何も言わないし

2人はそれでいいのかよ

私はあや…

やっぱりこれでいいよ

(莎羅ちゃんに次はやめてねって言われちゃったから…やめた方がいいよね)

ほんとにいいのかよ

…うん!平気だよ

あやは?

綾斗

俺は…蒼と

莎羅

私と乗りたいよね!

綾斗

…あ、ああ

ふざけんなよ、あやは蒼とって

莎羅

何?聞こえないんだけど

莎羅

ほら、いいよね。じゃあ、もう順番も来そうだし、悟くんと蒼ちゃん先に行って

…うん

ゴーカート中…

ごめんな、俺となんかになっちゃって

ううん、全然

でもほんとは、あやと乗りたかったんだろ

…まあ、うん

悟は気づいてくれるんだね

…うん

綾斗は、全然気づいてくれないのに

あいつは馬鹿だからな

悟に出会ったのはもうちょっとしてからだけどさ、それでも3人で幼馴染なのに、なんで悟は気づいてくれて綾斗は気づいてくれないの?

なんかごめんね、愚痴みたいになっちゃって

別にいいよ

なんか後ろは騒がしいね

莎羅だけな

あれ、この前まで莎羅ちゃんって言ってたのに

今日遊んだらウザかったから

何それ、可哀想だよ

蒼もそう思わないのか?

どうせトイレでもなんか言われてたんだろ、莎羅、あやのこと狙ってるっぽいし

…まあ

でも、せっかく楽しんでるんだから、気にしないで。第一、私が誘ったんだから

…そうするけど、お前も無理すんなよ

うん、ありがと

……あれ、静かになったね

2人が振り向くと…

莎羅が綾斗の頬に唇を当てていた。

え…

あや!何してんだよ!

綾斗

…あ

綾斗

おいっ、やめろっ

綾斗が突き放そうとするが、莎羅はやめない。

莎羅

やだ

莎羅

どうしていつも蒼ちゃんといるの?

莎羅

どうして私を見てくれないの?

莎羅

私が好きなんじゃないの?

莎羅

私は綾斗くんが好きなの

莎羅

だからやめない

綾斗

…やめろって

莎羅

綾斗

やめろって!

ドンッ

莎羅

っ…痛い

莎羅

何すんの!

莎羅

蒼ちゃんがいるから…全部蒼ちゃんのせいだよ!

ぇ…

莎羅

あーあ…着いちゃった

降りてから…

ごめんなさいっ、私のせいで

せっかくだし、もう少し…

バタンッ

蒼が悟の肩に倒れた。

綾斗

蒼っ!

蒼!

莎羅

蒼…ちゃん?

綾斗

何で!?どうして…

とりあえず救急車呼べよ!

綾斗

あ、…おう

早く!

綾斗

…あ

綾斗

ごめん、頭回んなくて…

じゃあ誰でもいいから!

早く誰か!

通行人

わ、分かった!

病院の廊下で…

綾斗

なんで蒼が…

俺も知らねえ…

綾斗

あ…

綾斗

蒼の両親来た

ほんとだ…

蒼の母

綾斗君に悟君…

蒼の母

色々迷惑かけちゃったみたいでごめんね

いや、迷惑とかじゃ

綾斗

蒼は何で倒れたんですか?

綾斗

なんか病気とかじゃ…ないですよね?

蒼の母

やっぱりみんなには言ってなかったみたいね

綾斗

え…

蒼の母

綾斗くん、ごめんね、あなたの予想通りよ

蒼の母

蒼は病気なの

蒼の母

もう、長くは無いらしくって…

そんな…

蒼の母

ごめんね…

蒼の父

迷惑かけて、心配かけて、すまなかった…

綾斗

いや…

迷惑とかそういう問題じゃ…

綾斗

治療法とかは?ないんですか?

蒼の母

…うん、なくてね

蒼の母

一年くらい前から言われてたんだけど、やっぱり誰にも言ってなかったみたい

じゃあ最近学校休んでたのって…

蒼の母

入退院繰り返してたのよ…

蒼の母

…あの子は、どちらさん?

綾斗

あ、莎羅です

綾斗

今日一緒に遊びに行ってて

莎羅

…ごめんなさいっ

莎羅は泣きながらどこかへ走り去っていった。

綾斗

おいっ

蒼の母

どうしたんでしょ…

多分…平気です、ほっとけば

蒼の母

そう…平気かしら

綾斗

平気ですよ、蒼の方が心配です

蒼の母

…ありがとう

医者

お父さん、お母さん、お話があるので、別室に来てもらいたいのですが

蒼の母

…はい

蒼の父

…はい

蒼の母

ちょっと、待っててね

綾斗

はい

……

蒼が…なんで…

綾斗

なんで蒼は、こんな時に俺らと遊ぶことなんか選んだんだろう…

お前、それ本気で言ってんのか?

綾斗

え?

なんで気づかないんだよ

綾斗

え?

いい加減気づけよ!

蒼はお前のことが好きなんだよ!

綾斗

え…

でも、お前が莎羅を好きなんだって思ってたから何もしなかった、出来なかった

きっと昔から、お前のことが好きだったのに…

だから蒼は!

最後にお前と2人で思い出を作りたかったんだよ…お前と2人で

でもお前は、それに乗らなかった

だから仕方なく蒼は莎羅と俺の4人で遊びに行くことにした

そしたら、こんなことに…

なんで気づかなかったんだよ!

綾斗

そうなのか…!

綾斗

ごめん…ごめん

綾斗

なんで俺

綾斗

好きな相手のこと、何もわかってなかった…

だから今、今だけでも蒼のそばにいてあげろよ

俺も

俺も蒼が好きなんだ…

綾斗

え…

だから、幸せにしてあげてくれよ、最後くらい

綾斗

俺は蒼を想うだけで幸せだった

蒼が幸せなら幸せだった

だから最後くらい、最後だけ…

頼む

悟は綾斗に深々と頭を下げた。

綾斗

…おう

今度は綾斗が悟に深々と頭を下げた。

綾斗が頭を上げると、もう悟の姿はなかった。

綾斗は、蒼のいる病室に入った。

そして蒼の横に座る。

綾斗

蒼…

綾斗

ごめん、何も気づけなくて

綾斗

何もわからなくて

綾斗

俺…

すると、蒼の瞼が上がった。

綾斗

蒼…!

綾…斗…?

綾斗

おう

綾斗

大丈夫か?

うん

私…

綾斗

いいよ、無理に喋らないで

綾斗

…ごめん

綾斗

俺、何も知らなくて

お母さんに聞いたの?

綾斗

…うん

本当は今日だけ医者に外出許可貰ったんだ、遠くに行くね

ジェットコースターも禁止されてたから

最後まで、皆と笑顔でいたかった、普通に過ごしたかった

ごめんね

綾斗

ううん

綾斗

俺こそ

いいの!

私が悪いんだから

でも私、もう長くないって

綾斗

…うん、聞いた

いつ何が起こってもおかしくないって

綾斗

…うん

綾斗

でも大丈夫

何が?

綾斗

…最後まで、俺がずっといるから

え…

なんか目がチカチカしてきた…

綾斗

泣いてるの?

それもあるけど…

今日が私の命日になるかも笑

綾斗

そんな事言うなよ

綾斗

明日も明後日も、その先もずっと、俺はお前のそばにいるよ

嬉しい

ありがと

綾斗

だからもう、そんな事言うなよ

うん

でもほんとに…

気のせい、気のせい。

そう信じたかった。

でも、蒼は弱っていっているように見えた。

この数秒で。

綾斗

ごめんね、私、嘘ついてた

ひとつは、病気だったこと

もうひとつは

綾斗のこと好き

でも、綾斗は莎羅ちゃんのことが好きだって…言ってたから

でも今は

綾斗

綾斗

俺も嘘ついてた

綾斗

俺は

綾斗

莎羅なんか好きじゃない

綾斗

蒼が好きなんだ

綾斗

ごめん、ずっと気づかないで、傷つけて

…嬉しい

でもね、気づいてたよ

綾斗は、莎羅ちゃんの事好きじゃないって

綾斗

そっか

私は

綾斗のこと

ずっと…ずっと…

大好き…だよ

綾斗

俺も––––

綾斗は、蒼の唇に自分の唇を重ねた。

心電図が1本の直線になった。

ピー、という音が鳴り響き、心停止を知らせる。

それでも綾斗は蒼の唇から決して自分の唇を離そうとはしなかった。

蒼の両親が来ても。医者が来ても。

どこかで蒼が笑っている気がした。

少し照れた顔で。

何故か悲しくなかった。今は。

もう誰にも止められない。この恋は。永遠に。

大好きだよ、蒼。

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