叶
葛葉
葛葉
お決まりのやり取りに葛葉は顔をしかめた。
叶
葛葉
叶
叶
叶
意地を張った叶が叫んで音が割れる。
葛葉
叶
まちゅかい
戌亥とこ…
こ、…こ!?“こ”っている?
www
ゴプッ。
葛葉
血を呑みむせる音とすぐ上から降る声によって現実に引き戻される
叶
叶
こんな時に見たのはとるに足らないいつもの日常。
これを走馬灯と云うのだろうか
__もう、
目が霞んで相棒の泣き顔すら拝めない。
叶
叶
葛葉
持ち掛けたのは、あれ以降ことある毎とき合間に2人でしていたしりとり。
いつも通りくだらない、日常の記憶を呼び起こす。
叶
なんとなく僕の番で 終わりにしてたのは__
叶
葛葉
葛葉
最後に葛葉の声が震えたままなことだけが気がかりに思えた。
叶
短い最期になってしまう。
こんなにも呆気ないのか__
叶
最後の力を振り絞って重い瞼を開けた。
『“お”やすみ』
葛葉と主催でAPEXの大会開くっていう僕の夢。
とうとう叶わなかったなあ…
葛葉side
「息をするのが怖い 」
「生きているのがつらい」
「死にたい」
「老いるまで生きていたくない」
吸血鬼には解らなかった
いつの日かリスナーから届いた悲痛な声。
相棒の口から洩れた言葉。
何故人間は生きるのに意味を見出したがるのだろう。
気長に待っていればいいのに。
そんなことを考えていた自分が、
今はどこかで呑気に思えた。
今になって愚問だと切り捨てていた、言葉の重みが解った気がした。
__冷たかった
終わりを迎えてから時間が経っていた。
叶の体を抱きながら、人間の脆さを知った。
コメント
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あっ…めちゃめちゃに好きです…ありがとうございます…(?) フォロー失礼します!!