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❤️第7話:運命の糸の先へ
朝の光が差し込む部屋
昨夜、涙の跡が残るまま眠ってしまった紬は、指先にまだ赤い糸の感触が残っているのを感じた
外はもう雨もやみ、空が澄んでいる
その糸を見つめながら、彼女は思い出していた
小さい頃、泣いていたナツキに差し出した“運命の糸”—— あの瞬間、誰かの孤独を救えたと思った
でも今は、その糸が、彼を縛り続けていた
ドアの向こうに立つ気配。 開けると、ナツキがいた。 昨日と同じ笑顔。でも、その瞳の奥には後悔が滲んでいた。
ナツキ
紬(つむぎ)
沈黙のあと、紬はそっとナツキの手を取った。 小指の糸を見つめながら、静かに微笑む。
紬(つむぎ)
ナツキは目を見開いた。 そして、少し泣き笑いのような顔で頷いた
ナツキ
紬(つむぎ)
その瞬間、指先の糸がふっと光を放ち、 風に溶けるように消えていった。
“結ばれていなくても、心はつながっている”—— そう思えたとき、初めて紬はナツキの笑顔をまっすぐ見られた
そして、ナツキもまた、静かに息を吐きながら言った
ナツキ
二人は並んで歩き出す。 空には赤い夕陽。 まるであの日の“糸”のように、やさしく二人を包んでいた。
💫完結: 『どうしても君に愛を伝えたい』 それは、狂気のようでいて、 誰よりも真っ直ぐな愛の物語。 “運命の糸”は、確かに二人を繋いでいた——優しさという形で。