仲村友梨
仲村友梨
案内人
仲村友梨
仲村友梨
仲村友梨
そう言う彼女の顔は どこか吹っ切れたように
晴れやかだった
案内人
案内人
彼女は 透明な渦の中へと入っていく
振り返りざまに、彼女は言った
仲村友梨
仲村友梨
案内人
聞き返そうとした時には 彼女の姿は消えていた
『ちゃんと、見付けて』
いったいどういう事なのだろう
後輩
案内人
案内人
後輩
後輩
後輩
案内人
案内人
後輩
何回目だろう、と思う
『見たくないなら見なくていい』
『見たくなったら呼んでくれ』
そう言ってくれた先輩も
もう自分の過去と向き合って それぞれの選択をした
気が付けば 自分独りだけがここに残っている
そろそろ本当に 向き合わなくてはならない
案内人
案内人
もうすっかり古びてしまって
消えかけているその扉を 半ば強引に開けて
覚悟を決めて乗り込んだ
震える手で階数ボタンを押した
???
???
???
???
???
???
???
???
???
???
案内人
案内人
儚げに栗色の髪を揺らす女性と
その隣で切なそうに笑う 長い銀髪の男性
???
???
???
???
???
???
???
案内人
案内人
頭が割れるように痛み出す
それを堪えて必死に過去を見た
案内人
案内人
案内人
案内人
案内人
案内人
さっきの緑溢れる 暖かな風景とは違い
暗い闇が広がっていた
アラン
アラン
アラン、と呼ばれていた青年は
先程の過去では伸ばしていた髪を 今では短く切っていた
それだけではなく 至る所に傷が目立っている
アラン
アラン
アラン
アラン
アラン
案内人
案内人
案内人
帰ってくるから待っていて、と
ナイフで切った髪を彼女に渡して
必死に、必死に生き抜いて
案内人
辛うじて身体を支えていた膝から カクンと力が抜けて
エレベーターの床にへたり込む
それと同時に
自分を隠す手段でもあった仮面が 音を立てて割れた
案内人
エレベーターのガラスに反射した 自分を見て、初めて気が付く
案内人
案内人
案内人
そして、思い出す
案内人
案内人
もう一度彼女を失った時を 見るのが怖くて
自分の過去から目を背けて
記憶から消し去ろうとしていた
案内人
過去を見た、ということは
私もまた、選ばなければならない
現世か、偽りか、生まれ変わるか
滲む視界でもう一度 彼女と同じ色の瞳を見て
案内人
案内人
呪文を唱えて
現れた渦に、身体を入れる
『ちゃんと、見付けてね』
彼女の声が、聞こえた気がした
案内人
案内人
案内人
案内人
久し振りの__は きっと眩しすぎると思うけれど
貴女を見付けてみせます
彼方者エレベーター No.3
案内人の場合 後編 完
コメント
15件
案内人さんの過去…すごく切なかったです。 情景が浮かび上がるような 物語で、面白かったです!
仲村友梨が、案内人(アラン)の恋人であるリリーの生まれ変わりであり 『ちゃんと、見付けてね』 これは『私を思い出して』というリリーの本能的な(無意識な)メッセージ 案内人(アラン)は、現世に戻った(幽霊として現世を見て回ることにした)友梨(リリー)を追い、次こそは一緒に______為に逢いに行く