中国
中国は上機嫌だった。
わざわざ遠くの同人即売会にまで行き、 新作のかなり際どい本()を購入できたのだ。
正直今すぐにでも読みたいためダッシュで 帰りたいのだが。
中国
中国は一目で見て自分だと悟られないようにするため、いつものチャイナ服ではなくかなりラフな格好でここに来た。
チャイナ服じゃないと少し落ち着かないが、腐バレを阻止するためには多少は仕方がない。
帽子も被っている(?)し、万が一知り合いに遭遇してもやり過ごせるはずだ。
この通り心配することは何も無いため、 中国はカバンを大事に握りしめ、買った 同人誌のことを考えながら足を進めていた。
中国
中国
中国
同人誌の中身。それを考えるだけで 中国は胸が踊る。
一体どんなえr…いい作品が詰まっているのだろうと思うと、それだけで顔がほころぶ。
もう早く読みたい。その気持ちだけを巡らせ、 中国は足を速める。
中国
ドスッ
中国
同人誌に浮かれて前方への注意が疎かになっていた中国は、前方から来ていた人物とぶつかってしまった。
しかも体格差で中国が負け、思わず後ろに 転倒ししりもちをついてしまう。
中国
?
中国が痛がる様子を見て、ぶつかった人物は申し訳なさそうに手を差し伸べる。
中国
こんなことをしている場合ではないが、相手の親切を無下にする訳にもいかないため、 中国はその手を取ろうと顔を上げる。
その瞬間、相手と目が合う。
中国
?
声が出なかった。
目が会った瞬間、世界の時間が止まったように感じた。
それもそのはずだ。 今中国の目の前にいる人…いや、国は、
ロシア
ロシアだったのだから。
ロシア
中国
中国
中国
中国
手元を見ると、そこには先程まで自身が 被っていた帽子が。
帽子が外れることによって、特徴的な赤色の頭と星が顕になり、どの国がどう見ても中国だと分かるようになっていた。
中国は冷や汗を浮かべつつも、すぐにカバンを持ち直して立ち上がる。
中国
中国
なんとか話を逸らそうとするが、こういう時に限って話題が思いつかない。
もたもたしているうちに、ロシアが口を開く。
ロシア
ロシア
中国
ロシアからぶつけられた質問に、中国は答えられなかった。
言えるはずがないだろう。際どい同人誌を買っていることがバレないようにするために、別の衣装にしましただなんて。
何も言えず、気まずい空気が流れていた時。
?
急にでかい声でロシアを呼ぶ者が。
ロシア
中国
アメリカ
アメリカ
ロシアが嫌そうに視線を送った先には、 こちらにへと走って向かってくるアメリカが。
ロシア
アメリカ
中国
中国
今の中国は、アメリカが来た絶望感よりも アメリカとロシアが二人でいることに対して疑問を抱いていた。
素直にデートなのかと聞くなんて 絶対に無理だが。
アメリカ
アメリカ
中国
少し言い合った後、アメリカはようやく 中国の存在に気がついた。
もしかしたら逃げれるのではと思っていた 中国は、再度焦りをうかべる。
アメリカ
中国
もちろんアメリカにもバレる訳にはいかないので、とりあえず全力でとぼける。
それこそアメリカにバレてしまったら本当に終わってしまう。
アメリカ
中国
中国
会話を終わらせ、なんとか自然な流れでその場を立ち去ろうとした。
アメリカ
ふとアメリカの視線が、先程まで中国がいた場所にへと向けられる。
アメリカ
アメリカ
中国
中国
嫌な予感がすると、中国はすぐに振り返る。
見てみると、アメリカの手には自身が回収しそびれたであろう同人誌が…
中国
アメリカ
ロシア
↑見てない
アメリカ
アメリカ
アメリカ
中国
咄嗟に中国は高速で戻り、アメリカから本を奪い取る。
アメリカ
そして瞬速で本をカバンにしまう。
アメリカ
中国
中国
そう言って、中国は駆け足でアメリカ達から離れていった。
ロシア
アメリカ
二国は風のように消えていった中国に、 疑問が生まれていた。
ちなみにロシアがアメリカと一緒にいる理由だが。
アメリカが仕事の関係で遠くに行くことになったのだが、そこまでの道のりを教える者が 必要であり
その役をイギリスに押し付けられたらしい。
コメント
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私もロシアメ買います‼‼‼っていうか買ってきます(
ろしあめ……よし食おう中国さんも可愛いから一緒に食います
中国さんロシアメ買ってたんですか!? 私にも見せていただきたい!腐バレしなくてよかった…