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夜空の綺麗なとても静かな夜だった。
鏡のような湖の水面下に理玖は足先を入れてゆっくり進んでいく。
矢野 理玖
その言葉が唇を離れたとき、僕は深い湖へと沈んでいった。
苦しかった胸の痛みも、頭を渦巻いていた後悔も、ぜんぶ溶けいって、視界が藍色に包まれていった。
綺麗だな……。
そこで僕の意識は無くなった。
〈矢野理玖(やのりく)、25才、辛く短き生涯の幕を自ら閉じたのだった。〉
ーーそして、意識が戻って目を開けたとき、そこにはまったく違う景色が広がっていた。
さっきの湖ではなくとても広い部屋の中のベットの上だった。
リチャル・アルマリス
いつもとはちがう幼い少年のような自分の声に違和感を持った。変だなとあたりを見回すと二回り以上に小さくなった自分の手が視界に入る。
リチャル・アルマリス
急いでベットから降りて鏡を探し自分の姿を確認する。
そこには前の自分とはかけ離れた美しい少年が写っていた。
黒みを帯びた焦茶の髪に真っ赤なルビー色の飴のようなまんまるの目。
リチャル・アルマリス
鏡に映る少年を見ていると激しい頭痛に襲われた。
そしてこの少年のものであろう記憶が脳内に注ぎ込まれる。
リチャル・アルマリス
全ての記憶が一気に頭の中に入り頭痛が治まる。
リチャル・アルマリス
ふと思い出した、前世での記憶。
クソ姉貴に「アンタこの嫌われ令息そっくりよね〜w一回やってみてよBLゲームだけど不憫なアンタそっくりだからwww」と言われて半ば強制でBLゲームをやらされた時、僕にそっくりだと言われたその嫌われ令息の名はーーー
リチャル・アルマリス
嘘だろ…僕やっと死ねたと思ったら嫌われて令息に転生したのかよ…最悪すぎる…死にた…。
確かこの世界では赤い目の持ち主は悪魔の子と呼ばれ恐れられ、嫌われていた。しかも、アルマリス家では代々琥珀色の目の子供しか生まれなかったため、うちの家系の子じゃないと痛げられてきた。それだけじゃない、魔法学園にいった時その赤く恐ろしい目からただ主人公をいじめたという嘘の罪を擦りつけられ断罪されるというかなりの不憫ようだった。
リチャル・アルマリス