もう一度

グッ （手を掴む）

俺には双子の妹が居た。

鷹見風羽（ﾀｶﾐ ﾌﾜ）

それが俺の双子の妹の名前。

俺と風羽は士傑高校ヒーロー科に 入学した。

風羽も俺ほど強力なものでは なかったけど、羽を操ることが出来た。

でも風羽の持つ羽の先は鋭く簡単に 物が切れてしまうほどの鋭さだった。

それと活用は出来ないけど 戦闘にはほぼ役立たないような 目眩し程度の ちょっとした煙を出せた。 （⬆️ただ単に今使ってる毒の煙に繋げたかっただけ）

先生からの信頼度も高くて 将来有望と言っても過言では ないくらいの評価を受けていた。

しかしある日の授業の実践訓練中

救助訓練の真っ最中だった。

ボロボロになったビルで火災。 ビルの天井から瓦礫が落ちてきた。

偶然クラスメイトに落ちようとしていた 瓦礫に気づいた風羽は クラスメイトを庇った。

クラスメイトは風羽に押され、 ビルの外から無事脱出できた。

瓦礫は風羽を下敷きしたように見えた。

それと同時に大きくならないはず だった火が何故か大きくなり、 風羽は炎に包まれた。

消化した後、 クラス全員で風羽を探した。

しかし風羽は居なかった。

どこを探しても見つからなかった。

そのうち風羽は焼けてﾀﾋんだ。

という邸で死亡と見なされた。

ﾀﾋんだと伝えられて数日後

本人の遺体もない状態での 葬式でのことだった。

は？

何を言ってるんだお前らは、

そう思った。

ヒーロー志望として？

立派な最期ってなんだよ。

風羽はまだこれからだったんだぞ？

そりゃあ ヒーローとして人を助けて ﾀﾋぬのはヒーローとして名誉なこと なのは分かってる。

でもまだヒーローでもない。 ヒーロー“志望”だったんだ。

夢も叶えられないままﾀﾋんだんだ。

立派もクソもない。

悪気がないことは ちゃんと俺だってわかってる。

でも

今の俺にはどうしても

風羽のﾀﾋが受け止めきれなかった。