桜樹 誠時
ユウトさん?
桜樹 誠時
こんな所に呼び出してどうかしましたか?
杉貴 優翔
あ、あのね……えっと……
桜樹 誠時
(なんだろう…。春に空き教室って…。)
桜樹 誠時
(まさか、別れ話……とか?)
桜樹 誠時
(いや、そんな訳ないですよね…。)
杉貴 優翔
あのねセイジ、僕達、思えばずっと分かり合えていなかったと思うんだ。
桜樹 誠時
そう…でしょうか…?
桜樹 誠時
(……え、嘘…でしょう?)
桜樹 誠時
(まさか本当に……!)
杉貴 優翔
ほら、僕って両親が海外にいるでしょ?
杉貴 優翔
だから、会えない時も増えると思うんだ。
桜樹 誠時
えぇ……
桜樹 誠時
(待って、思考が追いつけない……)
桜樹 誠時
(なんで急に?)
杉貴 優翔
でも僕、寂しがり屋だし、今くらいがちょうどいいんだと思って。
杉貴 優翔
卒業までも時間がないし、早く決めなきゃ行けないことだと思うんだ…!
桜樹 誠時
そうですか……。
桜樹 誠時
(小さい頃だってそんなこと気にしなかったでしょう!?)
桜樹 誠時
(嫌だ。まだ俺は優翔と一緒にいたいのにっ!)
杉貴 優翔
だから……さ?
杉貴 優翔
ってえぇ!?セイジ!?
桜樹 誠時
うっ…ひっぐ……優翔っ…俺、まだ別れたくないです……
桜樹 誠時
……なんで今別れ話なんて……っ……
杉貴 優翔
別れ話ではないよぉ?
桜樹 誠時
え……?
杉貴 優翔
高校卒業したら、駆け落ちしない?
杉貴 優翔
周りの奴らなんかほっといてさ。
杉貴 優翔
その方が、
杉貴 優翔
幸せじゃない?
桜樹 誠時
……っ!
桜樹 誠時
やだ、俺、もっと泣いちゃうじゃないですか……!
杉貴 優翔
泣いてもいいよ。
杉貴 優翔
誠時が泣き止むまでここにいてあげるから。
桜樹 誠時
……っ、ではお言葉に甘えて……!
杉貴 優翔
うん……