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シャブシャブ　獄中自叙伝

第473話 - 警視庁鑑識課　①

2024年04月18日

#刑務所

#犯罪組織

#警察

#実話

#ヤクザ

#薬物

ますいさくら

シャブシャブ

鑑識について話そう

シャブシャブ

余り知られてないが

シャブシャブ

オマワリにパクられると

シャブシャブ

その当日
必ず鑑識に連れて行かれる

シャブシャブ

警察署内にある

シャブシャブ

まず指紋を取られる

シャブシャブ

むかしは黒い墨をべったり
手のひらに塗られて

シャブシャブ

指や手を
左から右に回しながら
きれいに指紋を取っていた

シャブシャブ

なかなか上手に指紋がでず
幾度もやり直しさせられた
想い出があるわ

シャブシャブ

鑑識で指紋を取られる時って

俺もついに有名犯罪者に
出世したのかなって

シャブシャブ

まるでハリウッドの
チャイニーズシアター前で

有名スターが足型と手形を
セメントタイルに取るだろう

鑑識相手に
そんな気持ちになる

シャブシャブ

シャブの売人は
富山の薬売り
富士薬品の社員より

夢見がちで
センチメンタルなんやで

シャブシャブ

仕事仲間の中国人で
指の指紋を焼き切ったり

皮膚ごと切り取ったりして
指紋部分をなくすように
努力してる奴がいるが

シャブシャブ

指紋の切り取りっていうと
表皮をそぐように切り取って

指紋がついている部分を
なくしてしまえ！って事だが

シャブシャブ

一時的には
指紋のない状態にはなるが

人間の体は
悪いコトができないように
良く作られていて

皮膚の傷は再生される

指先の部分の怪我が治り
表皮が元通りになると
指紋もまた元に戻ってしまう

指紋を戻さないためには
ずっと年がら年中
指先の皮膚を
そいだ状態にして
おかなくてはならない

それは痛いし、過酷だろ

シャブシャブ

大察刑務所の時に
有名宝石強盗がいて

キャッツ・アイって
呼ばれていた中国人がいた

シャブシャブ

キャッツ・アイっていうと
レオタード姿の
女怪盗を想像するが

シャブシャブ

残念なことにそいつは
白のブリーフやった

シャブシャブ

そのキャッツ・アイは
強い酸の薬剤を使って
すべての指先の指紋を
溶かしていた

皮膚を切り取るよりも
ずっと簡単にできるとかって
云ってたわ

シャブシャブ

警察の取り調べでは

たき火で焼き芋を
作っている時に
火傷してしまったとかって
云ったらしいが

シャブシャブ

冬キャンプの
アウトドアって
感じの男ではなかった