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どぬく
もふ
⚠前の作品のやつも時々混ざってるよ!
先生
先生
生物担当の女教師が黒板の前で手を振ってる。
机に突っ伏していた顔を上げ俺は渋々先生の話を聞くことにした
自称進学校である俺の高校は3年生になると定期テストの大半が模試の過去問になっている。
入試対策に力を入れているせいだ。
先生
先生
どぬく
名前を呼ばれて俺はわざと大袈裟に席を立った。
周りの人は返却された答案用紙とにらめっこしている。
けど深刻に受け止めてる人はいない
一般入試は通知表なんて関係ないからね。
つまり、どんなに通知表が悪くても問題ない。
先生
渡された答案用紙には赤いペンではっきりと7点と書いてあった
もちろん100点満点のテストの話だ
どぬく
先生
先生
どぬく
先生
先生
どぬく
小言を聞きながら逃げるように席に戻る
生物が嫌いな訳では無い。
ただ俺の受験で使わないだけ。 ほんとにそれだけ。
のあ
のあ
どぬく
のあ
少し困ったように笑うこの子は小学校 からの付き合いだ
帰宅部で暇してる俺とは違い毎日部活で 忙しそうだ
真面目でいい子
型にはまった優等生。それが のあさんの印象
先生
先生の返却はまだ続いている。
はい、と立ち上がった男子生徒は、 我が校の誇りと名高い奴だ。
1年の時の時から模試は1位で当たり前
有名な高校の志望判定はA判定
漫画のキャラみたいな模範的優等生。
ちょっとムカつく綺麗な顔にメガネをかけてて服だっていつも綺麗
先生
もふ
先生
先生
もふ
先生
もふさんは丁寧に答案用紙を折りたたむ
その肩を近くに居たクラスメイトが ポンっと叩く
親しげな仕草で彼は声をかける
クラスメイト
その問いかけはクラスのみんなが気になっている事だった
もふ
学校終わりのグラウンドは、いつも活気に溢れてる。
多くの部活があるなか今日の主役は陸上部みたいだ
どぬく
気まずい、と本音が口に出そうになったから慌てて飲み込む
気まずい沈黙が背中にのしかかる
俺とあいつは離れ離れの島ぐらい離れてる
実際窓側と廊下側端に座ってるもんだからほんとに気まずいくらい離れてる
この教室で喋ってた生徒もこの異様な空気を感じ取って帰ってしまった
気まずいのを八つ当たりするように俺はプリント越しに机を引っ掻く
補習する人の為に作られてるプリントは 山ほどあってとても1日で終わるようなものではない
まぁ、でももふさんなら終わりそうだけどね
飽きてしまったので頭のいいあいつを眺めていたら視線が合う
メガネ越しだからなのか目が遠くに見えた
一心不乱にペンを動かしてたあいつが不思議そうに
もふ
って聞いてきた
どぬく
訳の分からない事を言った気がする
もふ
どぬく
どぬく
会話がぎこちない気がする
けど沈黙より断然まし
どぬく
もふ
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
もふ
どぬく
どぬく
もふ
ふふ、ってあいつが笑った気がした
異様な空気が軽くなるのを感じた
遠慮がちに笑ってるあいつが腹立つことに 俺の心をくすぐった
どぬく
もふ
どぬく
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
もふくんはきっと一流の所に行くであろう
あいつの手にはちょっとだけ高そうなシャーペンが握られている
あからさまに高価だとわかるんじゃなくて 遠回しに感じさせるような ちょっといいもの
まるで、もふくんみたい、って思った
どぬく
もふ
どぬく
この学校の人たちは頭の良さは平均より いいけど最高って訳じゃない
まぁ、仕方ないよね。ここ受験して受かった人しか来れないもん
けど、みんな周りより優れてるって思い 自分の立場を理解しない人ばっか
もふ
どぬく
もふくんがこっちをじっと見てる
第1志望だったのは確か
でも1番は
どぬく
どぬく
もふ
もふ
どぬく
ははってあいつは笑った
誤魔化すような社交辞令的な笑い方だ
俺は邪魔な横髪をすくって後ろにそっと 追いやった
あいつは温厚な奴だ
声を荒らげる事もないし、ムキになったりしない
他の人に勉強を教えるが頭の良さを鼻にかけない
人望あり、積極性なし
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
俺の勝手な予想だけど自分より下の人間じゃないとあいつは活躍できないタイプだ
多分それを自分でもわかってるはずだ
だからこの学校に来たんだ
こうゆうタイプの人間は珍しくない
自分の賢いアイデンティティを失うなら 少し下の学校に来て
トップの座を保有するのが有意義な3年間の使い方だ
自分の実力を知って最大限行かせるそういう人間が強い
大抵の人は背伸びしがちだからね
どぬく
もふ
どぬく
何気なく選んだはずの言葉なのになぜだかこいつの顔が強張った
どぬく
どぬく
慌てて謝罪するともふくんは静かに首を振った
もふ
もふ
どぬく
もふ
もふ
どぬく
もふ
もふ
どぬく
どぬく
もふ
もふ
ぽつりと溢れた一人称は、きっと無意識なのだろう
くしゃっと笑うのを見てると何枚も重なったこいつの温厚な皮を剥いでやりたくなる
最後までやれば最後に残るのは空虚な あいつの本性なのだろうか
もふ
どぬく
もふ
もふ
どぬく
もふ
もふ
もふ
どぬく
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
もふ
確かに、冬のマラソン毎年足の遅い女子の所で辛そうな顔で走ってたもんな
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
もふ
もふ
どぬく
思わず声が漏れてしまった
なんか、すっごい生々しいなって思った
もふ
そう言ってくしゃっとまた笑ってた
もふ
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
一つだけわかった気がする
もふくんにとっては勉強もただの趣味なんだなって
ステータスの中で優れたものがあった
ただそれだけ
スピーカーから規則的なチャイムがなった
もふ
と呟いていた
俺のプリントはほとんど手がつけられていなかった
もふ
紙の端と端を合わせながら、もふくんは眉を寄せた
こいつもまた半分以上白かった
赤点の経験者だから得意に言ってやった
どぬく
もふ
どぬく
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
こいつは雑にプリントを机にしまい
もふ
とだけ言って行ってしまった
階段を1段抜かしで進むのが好きだった。
登るのも降りるのもなんだって楽な方がいい。
昇降口に向かっている最中職員室の前を通る
そこには色んな部活の表彰やトロフィーが飾ってある
中には声優部のもある
えと
どぬく
この子はえとさん!俺の幼馴染で親が再婚して今は兄弟?なんだ!
でも、親友って感じの方が近いんだよね
えと
どぬく
どぬく
どぬく
えと
えと
どぬく
すごいなぁ
俺なんて帰宅部でなんも頑張ってないのに
えと
どぬく
えと
どぬく
えと
えと
どぬく
のあ
のあ
えと
えと
えと
どぬく
どぬく
部活に入ってない俺には先輩と呼んでくれる後輩はいない
この細長い静かな廊下で現実を突きつけられる
そんなことはどうでもいい
俺はただいいはずの生き方をしてるはず
どぬく
ヒロ
どぬく
この羊みたいな先生は俺のご近所さんだった
しかも結構仲良い
だからこうやって話せる
ヒロ
どぬく
どぬく
ヒロ
ヒロ
どぬく
ヒロ
どぬく
どぬく
ヒロ
ヒロ
どぬく
どぬく
どぬく
ヒロ
ヒロ
ヒロ
どぬく
ヒロ
ヒロ
どぬく
平等にしたい
そう思うのは自分勝手だからだろうか
シャーペンに力を込めると芯が折れた
折れたのを机から落としてるとちょっとだけ手が黒くなった気がした
ヒロ
どぬく
ヒロ
ヒロ
ヒロ
ヒロ
ヒロ
そんな事思いつかなかった
ずっと推薦だけがズルだと思ってた
でも俺がそっちの立場だったら羨ましいと思う
すごい偏差値の高校に行くもふくんには俺ってずるく見えるのかな?
他の子にもずるく見えるのかな?
わからない
ただ、わかるのはそう思われてたら
すごく すっごく悲しい事だけ
ヒロ
ヒロ
ヒロ
この先生の言葉は柔らかいけどなんかぐっとくる気がする
ふわふわなパンケーキの上にパラパラとかけられる粉砂糖みたい先生の言葉はあまい
瞳だけ上に寄せれば穏やかに優しく笑ってた先生と目があった
ヒロ
ヒロ
ヒロ
どぬく
綺麗事だってすぐに思った
でも、これはきっとヒロくんなりの気づいだったと思う
いつだってヒロくんは年下の俺にとって人生で大事な事を教えてくれる
大人の優しさを俺に教えてくれて、将来 俺が困らないようにしてくれる
どぬく
でもそれを認めれるかはまた別だ
その辺の大人なんてズルはダメだと言うけど平然とズルをする
理想を語るのは容易いが実現するのは難しい
ヒロ
ちょっとだけ真面目に語る先生から俺はそっと目を背けた
俺はヒロくんからの優しさに目を背けていたくなるんだ
だって、眩しすぎるんだもん
俺は雑に扱われるぐらいが丁度いい
けど、優しくしてくれるヒロくんはちょっとだけ、たぶんちょっとだけ心地がいい
どぬく
なだらな坂道だった
坂だと気づかない坂だ
塾帰りいつもここを黙々と1人で歩く
街灯がつくくらい暗い
街灯って暗い道を案内してくれてるみたいだよね
だって、真っ暗な道じゃ何もわからない
でも街灯が行く道を照らしてくれる
俺はいつものルートをただ街灯を見ながら、ただいつもどうり歩くだけ
1番近くて、最も明るいと思う場所を
ヒロ
地面を蹴る靴底にヒロくんの台詞がこびりついてる
歩幅は小さくなるし、急かされてるみたいに足が速く動く
何もかも捨てて逃げ出したい
けど、肩にのし掛かる鞄が理性のブレーキをかけてる
加速してた足もどんどん鈍くなって少しずつ止まる
どぬく
どぬく
なんだか、体に力が入らない気がする
これでいいの?ほんとにいいの?
どぬく
気が抜けた瞬間強烈な不安の塊が俺の思考を貫いた
俺は小学校もみんな入ってるクラブに入らなかった
今だってそうだ
みんな入るけど俺は入らない
だって、時間が無駄な気がするから
きっと無意識に俺は部活で頑張るみんなを内心見下していたのだろう
俺には何も無いのに
曲がり角に目を向けても暗闇だけ
最短ルートだかり選んでると寄り道が怖くなる
どぬく
どぬく
どぬく
不安が止まらなくて、声を出したくないのに出てしまう
俺の常識のナビゲーションは正しかったのだろうか
本当にいつも正しいのだろうか
脱線した先の道があっても俺は気づかない
息を殺して歩く度に自由な歩き方を忘れる
内面を押し潰すように思いっきり息を吸う
肺が膨らむ事に生きてるって思える
どぬく
体温がわかる感じが煩わしくて仕方なかった
きっと、夜だから、冬だからこんな嫌な気分になった
そう思いたかった
翌朝 今日は早起きしてえとさんを置いて急いで学校に行った
まずは、真面目そうに授業を受ける。
受ける価値のない授業では受験用の問題集を作る
昼休みには母親が作ってくれた多分愛情のある冷凍食品まみれのお弁当を食べる
頬ずえ着きながらうたた寝して午後の授業を耐える
そして、補習
これが1日シュケジュールになっていた
慣れのせいか時間の流れが早い
でも、補習にもふくんが居るのはシュケジュールにないからちょっと不思議
放課後の教室には人の気配がなくて俺ともふくんしかいない
あ〜めんどいな
沢山のプリントを綺麗に整え鼻をフンっと鳴らした
前の授業のやつが黒板に残ってるから見てみたら大きな地図が書いていた
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
思わず顔を向けたらほんとにプリントが無かった
これだから天才は、
これは持っていたシャーペンを投げ出した
どぬく
もふ
もふ
どぬく
もふくんは俺の問いに軽く上を見て答えた
もふ
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
もふ
もふ
もふくんは恥ずかしそうに頬をかく
ムカつく。俺は腕を組んで聞いた
どぬく
どぬく
もふ
もふ
どぬく
そう返されるとは思わなかった
ちょっとびっくり
もふ
と言った所で少し本性が出てきたのか知らないけど声が少し低くなった気がした
もふ
もふ
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
もふ
どぬく
どぬく
いい将来を望むなら学力を上げないといけないそう言われてきた
大人数が選ぶのが一般常識
その内容が理不尽でも俺は効率的に生きたい。
損をしないよう出来る限りいい道を通りたい
誰もが羨む所に行き、誰もが羨む職に就く
それが望ましい人生なんだろう?
常識が俺にそう言っている
少なくとも俺はそう育てられてきた
もふ
もふ
もふ
どぬく
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
もふ
どぬく
もふ
どぬく
思わず声が出てしまうぐらい驚きだった
昨日の「頭いい訳じゃない」っていう謙虚が無くなっている
昨日はフィルター越しに会話してるみたいだった
けど、今日はフィルターを外して息をするように秘密をこぼしてるみたいだ
もふ
もふ
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
ムッかつくわ〜、
クソだわ〜
ちょっとでもいいと思ったらダメなタイプやん
どぬく
もふ
もふ
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
どぬく
もふ
もふ
こっっっわってちょっと思った
本物の天才ってこうなんだ
いいな〜、俺なんの取り柄もないし
ずるい
ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい
あ〜ぁこんな黒いモヤ消えればいいのに
黙ってたら、不自然だよね
必死に繋げようと声を出そうとした
でも出ない
出たとしてきっと本音だけ
ちょっと本音を質問にしてみるか
どぬく
もふ
どぬく
どぬく
どぬく
どぬく
もふ
もふ
どぬく
脆い心に影が刺した
そんな気がして、黙って俯いた
でも、もふくんは興奮して語り出した
もふ
もふ
もふ
もふ
もふ
もふ
以外だった
俺の予想からかけ離れてた
本人は真面目なんだろうけど、ちょっと面白い
しかも そう思わない? って共感求めてるし
俺は、もふくんのギャップに思わず笑い転げてしまって、もー大変!
もふ
うん、変!って言いたいくらいだけど
首を捻るもふくんに俺は涙目で首を振る
どぬく
もふ
もふ
もふ
どぬく
もふ
どぬく
窓から吹き込む風に、重ねられたプリントがさらわれている
手を伸ばしてその端を掴めば紙の上部がへにゃりと前に倒れ込んだ
もふ
そう言ってプリントの回収を手伝ってくれた
どぬく
もふ
空いていた窓ももふくんが1つ1つ閉めていく
あんなに騒がしかったカーテンも、今じゃ静かだ
全ての窓を閉め終わった時、もふくんがこっち向いた
教室は少し暑かったのか袖をまくってて
そこから白くて触っただけで折れそうな腕が見えていた
もふ
そう言って優しく見た事もない安心する顔で笑った
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
もふ
どぬく
もふくんの言葉は、自分に丁度いい甘さがあって眩しすぎない
なんか、ずるくてもいいって思えて来ちゃった
自分の事を好きになれなくても、大事な大好きな友達が憎くなっても、ずるく思っても
俺と言う人間はここにいる
どぬく
もふ
もふ
どぬく
愉快そうにもふくんはニヤついてる
どぬく
わざとらしく嘆くともふくんはふふって今度はあの時みたいじゃなくて本当の笑い方で
もふ
まるで共犯者だねって言いたげな顔で優しくこっちを見ている
もふ
もふ
もふ
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
あの日以降もふくんとは度々話してたまに時間がある時遊んでいる
今日はあの日から2回目のテスト返し
当然のように赤点だった
どぬく
どぬく
あの時みたいな不安が俺の事を潰しに何度も来てるけど
のあさんやもふくんに助けられてなんとか生きている
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
もふ
もふ
どぬく
もふ
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
どぬく
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
もふ
どぬく
もふ
もふ
もふ
もふ
どぬく
どぬく
どぬく
どぬく
もふ
どぬく
もふ
もふ
どぬく
どぬく
もふ
もふ
どぬく
どぬく
もふ
もふ
どぬく
ーEND