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母と慕う彼女は親ではない。
共に暮らす彼らは兄弟ではない。
ここ、グレイスフィールドハウスは孤児院で、俺たちは孤児。
そう思っていた。
ぴったり6時 ハウスの朝は鐘の音で始まる。
エマ
そう言って彼女はみんなを起こす。
施設の暮らしも10年 気が付けば最年長 今は44人兄弟
ないこ
仏
初兎
トーマ
ラニオン
エマ
仏
ないこ
初兎
悠佑
if
りうら
悠佑
年齢も性格も肌の色も様々。でも、
エマ
エマ
ノーマン
レイ
ないこ
if
悠佑
エマ
ノーマン以外みんな意地悪〜! そういう彼女を見て俺たちのママは笑う。
エマ
悠佑
ーでも、大好き。
大好きなママ。大好きなみんな。 血の繋がりはなくても、大切な家族 施設(ハウス)は俺の家だった。
全て俺の、俺たちの普通。 10年間疑ってすらいなかった、
当たり前の日常。
フカフカのベッドや美味しいご飯。 白ずくめの制服、首筋の認識番号。
そして、毎日のテスト。
if
ママは将来のために、俺たちのために、学校の代わりとしてこのテストをすると言った。
if
『age11 type1 各問10秒以内に答えなさい。では始めます。』
自分の耳に流れる人口音声と機械音が部屋に鳴り響く。
この瞬間が、俺には少しだけ心地が良かった。
弟
妹
お互いの手応えを話し合う年少者たち。
イザベラ
今回もどうせ、
イザベラ
イザベラ
イザベラ
イザベラ
イザベラ
イザベラ
イザベラ
そうだろうな。と独り言を吐いた。
俺はテストは嫌いではなかった。
ママが褒めてくれるのは嬉しかったし、終わったら思いっきり遊べたから。
ドン
ノーマン
レイ
何百回も繰り返したやり取りを行い、準備運動を始める。
ノーマン
初兎
悠佑
仏
今日はナイとまろとリウとは別れて行動する。 折角だから今日はほとけに頼ってもいいだろう。
ノーマン
ノーマン
木登りにかくれんぼに鬼ごっこ。 小さい頃からこの森で遊んだ。
穴のある木、その先に死角になる岩 ハウスの四方の森は勝手知ったる子供たちの庭だ。
ハウスの敷地は広い。けど、近付いてはいけない場所が2つある。
外へ通じる門と、森の柵の向こう。
理由は重要ではなかった。 ハウスにいる限り守るべき規則。
俺たちは外に出てはいけない。
だから俺も外に出たことはない。
初兎
仏
悠佑
門には一度だけ、ナイとまろと行ったことがある。
普段は閉じていて、何も無い廃墟みたいだった。
ないこ
if
ないこ
if
悠佑
悠佑
ないこ
if
悠佑
あの後、あんまり面白くなかったな、と話しながらハウスに戻った。
何故だろう。外は少し不気味。
でも、それ以上に…
悠佑
この言葉は心の中に留めて置くだけにした。
初兎
初兎
仏
外について知る手段はあった。 絵本、小説、学術書。図書館に並ぶ本の数々。世界はすぐそこに広がってた。
ー手を伸ばせば、すぐそこに。
初兎
悠佑
残るはないちゃんと俺たち、そしてエマ。
初兎
ノーマンだ。
バッチリ姿を見られているし、俺らはもう逃げ切れないだろう。 でも、
初兎
仏
悠佑
仏
ユウくん、彼だけなら確実に逃げ切れるだろう。
悠佑
そう言ってユウくんは駆けていった。
仏
今は無駄口叩いている暇はないぞ、なんて相方の彼が視線を送ってくる。
初兎
あにきを追うフリをしてジワジワと走る角度を変えていく。 ノーマンが気付く頃には、あにきからはもう大分離れた場所にいた。
ノーマン
初兎
背後には僕らを逃がす気はないと言わんばかりの木々が生い茂る森。 詰みだ。でもどうせ捕まるなら、
仏
りうら
道連れだ。
あーもう、ほとけっちめ! 今回は俺、結構いい線いったと思ったのになぁ。
途中ノーマンに追われてるときにまろが、
if
と言い、その後見事な程にはぐれた。
なんやかんや言って一人で逃げるのは初めてだったけど、あにきの体の動かし方、まろの判断、そしてないくんのフェイントのかけ方を駆使して長い間生き残っていたのに。
ドン
ギルダ
ギルダ
レイ
エマ
レイ
悠佑
ないこ
レイ
エマ
悠佑
ないこ
if
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
エマ
悠佑
レイ
ノーマン
if
レイ
エマ
ノーマン
if
レイ
エマ
ないこ
ナット
ギルダ
初兎
りうら
仏
中でも断トツの頭脳を持つ天才ノーマン
その天才と唯一互角で渡り合える博識で知恵者なレイ
抜群の運動神経と驚異的な学習能力で他の6人に常に追随するエマ
圧倒的記憶力と持ち合わせているカリスマ性でみんなを導くナイ
ノーマンでも追いつけないほどの頭の回転の速さを誇るイフ
人間卒業レベルの身体能力と鋼の精神で一番まで上り詰めたユウ
初兎
りうら
仏
ナット
何事にも臆さない冷静沈着なショウ
ここぞという時の閃きが誰より鋭いイム
年長者の良いところをどんどん吸収する欲張りセットのリウ
ドン
ドン
ドン
みんな
ノーマン
ドン
コニー
エマ
ノーマン
ないこ
if
悠佑
ハウスでの生活は永遠じゃない。
12歳になるまでには里親が手配され巣立っていく。 これもまた慣例。
エマ
ギルダ
ないこ
悠佑
ガチャ
エマ
ないこ
エマ
レイ
そこにはレイが立っていた。
レイ
ノーマン
エマ
ノーマン
エマ
if
悠佑
ないこ
ノーマン
この時感じた違和感の正体は一体何だったのか
ーー恐怖、だったのかもしれない。
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