寂しいエルフは愛が欲しい

寂しいエルフは愛が欲しい

＿＿町に歓声が響き渡る。

この国には、よく魔物や化け物が出てくる時があった。

だから、国の範囲のどこからどこまで化け物や魔物がいるかと

冒険がてらに魔物を倒しに

ここちゃん、マオーロ、キリル…そして僕で

冒険へと行った。

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ!!

僕がそう答えると、3人は少し寂しそうに笑った。

40年後…

はいはい…

ｶﾞﾁｬ

久々に会った仲間＿＿その姿は

すっかり変わり果てていた。

僕はエルフだということ、そして

キリルとマオーロは僕より早く死ぬことを忘れていた。

きっとキリルが、「またね」じゃなく、「さよなら」を言ったのは

多分＿＿＿＿。

キリルは明日死ぬって、わかってたから。

僕は、泣けずに黙っていた。

何も言えない…いや、言葉が出なかった。

皆が墓場から出ていった後も、僕は動けなかった。

何も言わずに眠るキリルに問いかける。

ここでやっと気付いた。

あぁ、もう二度と喋れないんだ。

今まで、人の死なんて気にしたこともなかった。

でも、大切な人が死ぬって＿＿。