編み上げブーツの靴ひも結んで
りうら
ふろしきの中にミルクチョコレートを入れた
りうら
りうら
りうら
りうら
ふらんす物語を抱えて
りうらは歩き始めた
りうら
りうら
日本橋
りうら
りうら
そう思いながら銀座のカフェを横切った
カフェはインテリばかりだ
りうら
りうら
少し歩くと「ラジオ」という機会が売っているお店があった
小さな箱の中なのに遠くの人の声が聞こえてくる
りうら
りうら
そうして歩いているうちにバス停に着いた
りうら
ブーン
バスが来たようだ
バスの人
りうら
バスの人
バスに乗り、外を見た
「それでは出発致します」
りうら
動くバスに揺られながらあなたに会いにゆく
大正ロマンの街を駆け抜けて
目に映る全てが輝いて見えた
りうら
あなたと2人で
そんなことを考えてるうちにバスは目的地に着いていた
バスをおり、また歩き始める
りうら
新聞を配ってる人
りうら
少し見てみた
その新聞には大きな見出しに「普通選挙法」と書かれていた
りうら
りうら
りうら
新聞にはもうひとつの話題が乗っていた
大きな地震から2年
りうら
りうら
そこで2人は出会いそして
いつしか恋に落ちてしまった
りうら
バスがもう着いているようだ
りうら
りうら
りうら
りうら
バスの人
りうら
バスの人
またバスに揺られながらあなたのいる場所に近づく
大正ロマンの街を駆け抜けて
目が回るくらいに世の中が変わる日々いつまでも見つめてたいな
りうら
りうら
ライスカレーの店を通り過ぎたら
あなたの家の屋根が見えてきら
りうら
りうら
高鳴る胸をおさえ
髪飾りつけ直し
りうら
バスを降りる
りうら
袴を揺らしながら
あなたに会いにゆく
「ふらんす物語」を
りうら
大事に抱えて
キャラメルをひとつだけ
りうら
口に含ませながら
りうら
足早に歩き続ける
あなたの家まで
芥川先生も志賀直哉先生も
どんな名作も叶わないほどの
あなたとの物語
淡い恋物語
いつまでも続くといいな
あなたと二人で
りうら
りうら
ぴんぽーん
初兎
初兎
初兎
りうら
りうら
初兎
初兎
りうら
初兎
りうら
初兎
りうら
初兎
りうら
りうら
初兎
りうら
初兎
初兎
りうら
りうら
初兎