TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

LINE1025

一覧ページ

「LINE1025」のメインビジュアル

LINE1025

1 - あ

2023年08月17日

シェアするシェアする
報告する

ミズキ

ハナ!久しぶり。元気してる?

ハナ

あの、すいません。どなたでしょうか?

ミズキ

はあ?私の事忘れたの?

ミズキ

中学の時、同じクラスだったミズキよ。

ハナ

え?あのミズキ?

ミズキ

そうよ。忘れたなんて言わせないわ。

ハナ

正直言って、忘れてた。これからもずっと忘れたかったんだけど。

ミズキ

はあ?何生意気な事言ってんのよ。ハナのくせに!

ハナ

ハナのくせにって。私達、中学を卒業して何年経ったと思う?

ハナ

いつまでも中学生のメンタルで接して欲しくないんだけど。

ミズキ

あーあ、ハナのくせにそんな事言っちゃっていいのかな?

ハナ

別にいいけど。

ミズキ

本当に?同級生からさらにスカンされるんだよ?

ハナ

別に、中学の時からずっとあなた達に無視されてたし。今更。

ミズキ

そんな事言ってたら、ますます引きこもりになっちゃうよー。

ハナ

別に引きこもってる訳じゃないし。

ミズキ

はあ?高校大学はいいとこ出たみたいだけどさ。

ミズキ

その後は、まったく姿見てないって評判だよ。

ハナ

そりゃ、実家を出ているからね。

ミズキ

はあ?

ミズキ

何よ、実家を出て1人暮らししているの?

ミズキ

まさか、結婚したとか言ってないでしょうね?

ハナ

いや、結婚はしていないよ。

ミズキ

だよねwwwダサくて暗いあんたが結婚できる訳ないかwww

ミズキ

ちなみに私は婚約中の彼氏がいるよ。

ミズキ

なんと、コウスケ先輩だよ?

ハナ

誰?

ミズキ

はあ?中学の1年先輩のサッカー部のエースだったじゃん。

ミズキ

学校中の女子からキャーキャー言われててさ。

ハナ

ああ、あのサッカー部の先輩ね。

ミズキ

まあ、あんたなんかは話もできない存在だったけどさ。

ミズキ

しかも今は有名企業で働いてるのよ!

ハナ

そうなんだ。婚約したんだね。お幸せに。じゃあ。

ミズキ

ちょっと待ってよ、干物女のあんたに朗報を持ってきたのよ。

ハナ

何?

ミズキ

じゃじゃーん、同窓会のお知らせでーす!

ハナ

え?同窓会?

ミズキ

そうそう。中学の同窓会を開こうと思って。

ハナ

うーん、悪いけど、遠慮しようかな。

ミズキ

はあ?あんたに断る権利があると思ってる訳?

ハナ

中学の同窓会でしょ?

ハナ

私の事、ダサいとか根暗だ陰キャだと言って嫌ってたじゃない。

ハナ

いるだけで雰囲気悪くなるんでしょ?

ハナ

私が行くとせっかくの同窓会の雰囲気を台無しにするよ。

ミズキ

いやいや、大丈夫だって。

ハナ

は?

ミズキ

中学時代の雰囲気を懐かしもうっていう意味もあるんだから。

ミズキ

みんなもう大人になったんだよ?

ミズキ

久しぶりにみんなと会って親交を深められるかもよ。

ハナ

いや、でも私はいいよ。

ミズキ

いいから来るのよ!

ハナ

わかったよ。

〜同窓会当日〜

ミズキ

ハナ、同窓会お疲れ〜

ハナ

ミズキ。お疲れ様。今日はご招待ありがとう。

ミズキ

いやあ、衝撃だったわ。

ミズキ

あんた、すごい垢抜けてたじゃん。あのダサい根暗のハナがさ。

ハナ

大人になってTPOを弁えた格好はできるようになったよ。

ミズキ

でも仕事はフリーランスってwww生活大丈夫?

ハナ

それ、同窓会でも何度も言ってたね。

ハナ

あの時も説明したけど、生活できているから大丈夫だよ。

ハナ

少なくとも、ミズキに心配されるほどじゃないよ。

ミズキ

そう?フリーランスって、いつもカツカツな人ばかりじゃん。

ハナ

そういう人ばかりじゃないと思うけど。

ミズキ

でもさ、ハナは厳しそうだよねwww

ハナ

確かに私はものすごい稼いでる部類には入らないけど。

ミズキ

だよねー。それよりもさ。あんた彼氏が迎えに来てたじゃん。

ハナ

うん、迎えに来ていたけど。

ミズキ

なにあのイケメン!ハナの彼氏とは思えない!

ハナ

確かに、私には不釣合いと思うような人だけどさ。

ハナ

色々気が合って、お付き合いさせてもらってるよ。

ミズキ

どこで知り合ったの?何歳?お勤め先は?

ハナ

そんなズケズケ聞いて来ないでよ。

ハナ

年は私と同い年だよ、とだけ。

ミズキ

えーいいじゃん。今度さ、彼氏と一緒に遊びに行かない?

ハナ

お断りするよ。

ハナ

はっきり言うけど、もうあなたとは縁を切ったつもりなの。

ハナ

中学の時にあなたがして来た事、忘れてないからね。

ミズキ

私も忘れてないけどwww

ミズキ

あんたが地味で根暗だって事。

ハナ

もうお互い大人になったんだし、違う社会で生きていきましょう。

ハナ

じゃあ、さようなら。

ミズキ

あれー?いいの?

ミズキ

あんた、今は垢抜けてるよう頑張ってるみたいだけどさ、

ミズキ

昔のダサーい姿、彼に知られたらどうなるかなー?

ハナ

はあ?

ミズキ

イケてる彼氏、あんたの過去をしったらガッカリするかもよ。

ハナ

そういう人じゃないから。

〜1週間後〜

ミズキ

ハナ!あんたの彼氏、すごいじゃない!

ハナ

ミズキ、どうしたの?

ミズキ

この前のあんたの彼氏よ。社長なの?

ハナ

うん、まあ。会社経営しているけど。

ミズキ

なんで言ってくれないのよ!

ハナ

言ったら今みたいに騒ぎそうだったから。

ハナ

彼氏の事、どうやって知ったの?

ミズキ

ネット記事になっていたのよ!

ミズキ

しかも社員もいる会社ですって?

ハナ

うん。でもほとんどが大学から一緒に会社立ち上げた人だよ。

ミズキ

でもすごいじゃない!若くして社長だなんて。

ハナ

でもコウスケ先輩も有名企業にお勤めなんでしょ?

ミズキ

コウスケもすごいけど、社長している方が

ミズキ

年収がいいに決まってるじゃない!

ハナ

そうとは限らないんじゃない?

ミズキ

だからますます会わせてほしくなっちゃって。

ハナ

いやいや、あなたに彼を紹介する理由はないから。

ミズキ

ハナが私の頼みを断るっていうの?

ミズキ

中学の時は、私のパシリもしていたハナが?

ハナ

今はもう中学生じゃないよ。

ハナ

あなたが怖くて命令を聞くハナじゃない。

ミズキ

は?

ミズキ

ハナの分際で、私に歯向かうなんていい度胸ね。

ミズキ

ハナにはあんな高収入イケメン分不相応なのよ。

ハナ

あのね。中学生の力関係を振りかざしても意味ないから。

ハナ

もうこのラインもブロックさせてもらう。

ミズキ

あら、いいの?

ミズキ

そんなに生意気な態度だったらコウスケに言うから。

ハナ

コウスケ先輩と私は何も関係ないけど。

ミズキ

あら、言ってなかったっけ?コウスケ、UME社に勤めてるのよ。

ハナ

UME社?

ミズキ

そう、コウスケに聞いたら、あんたと取引があるんですって?

ハナ

うん、まあ時々一緒に仕事させてもらってるけど。

ミズキ

フリーランスが取引先がなくなったら大変よねえ。

ミズキ

特にあんたみたいな零細フリーランスなんて。

ハナ

確かに取引先がなくなったら嫌かも。

ミズキ

私の一言で、コウスケがあんたと取引停止にするかもよ。

ハナ

は?

ミズキ

だから、私がコウスケに頼めば、あんたみたいな

ミズキ

零細フリーランスなんてどうにでもなるんだから。

ハナ

あなたはUME社とは何も関係ないんでしょ?

ミズキ

そうよ。でも、コウスケは私の頼みなら何でも聞いてくれるのよ。

ハナ

いくら身内でも、仕事に口出していいはずなんてないんだけど。

ミズキ

何を言っても無駄よwww

ミズキ

私の言う事を聞かなければ、コウスケに言うからwww

〜3日後〜

ハナ

ミズキ、彼氏の会社のインスタに迷惑なコメント止めてくれない?

ミズキ

え?単にファンとしてコメント送ってるだけなんだけど。

ハナ

あのインスタは、会社のPR用のアカウントなの。

ハナ

彼氏のプライベートな質問は答えられないから。

ミズキ

そう?じゃあ直接会うしかないわね。

ハナ

そんなコメントを送る人と会う訳ないじゃない。

ミズキ

またまたwww反抗的な態度取って。

ミズキ

本当にコウスケに言うからね〜

ハナ

だから、コウスケ先輩に言っても何もないから。

ミズキ

またまたwwwフリーランスのあんたが有名企業からの

ミズキ

取引がなくなったら大ダメージでしょ?

ハナ

確かに、UME社から切られたら焦るかな?

ハナ

だからと言って、私の彼氏を紹介する理由にはならないから。

ミズキ

あーあ、強がっちゃって。

ミズキ

別にあんたの彼氏を取ろうって意図はないのよ?

ミズキ

友達になりたいなーって思ってるだけ。

ミズキ

ま、一生懸命取り繕ってもダサさが滲み出るあんたより、

ミズキ

昔から一軍だった私に目移りしても知らないけどwww

ハナ

言っておくけど、

ハナ

私の彼氏は見た目が華やかだけな女性は苦手なの。

ミズキ

そうなの?でも実際に会ってみなきゃわからないでしょ?

ハナ

なんで私の彼氏なんかに固執するの?

ハナ

あなたにはイケメンで有名企業にお勤めの婚約者がいるのに。

ミズキ

えー、だって根暗でダサいあんたに彼氏が

ミズキ

しかも社長やってるだなんて面白くないじゃん。

ハナ

そう。やっぱりそれが本音だったんだ。

ミズキ

あんたなんかと付き合うレベルの男だったら

ミズキ

簡単に落とせそうだわwww

ミズキ

あんたは最初で最後の彼氏を逃して悔し涙を流しすのねwww

〜3日後〜

ミズキ

ハナ、昨日コウスケに言っておいたからwww

ミズキ

あんたとの取引は中止になるって。

ハナ

ミズキ、いい加減にしてほしいんだけど。

ミズキ

息してる?

ハナ

あのさ、UME社って結構大きな会社よね?

ミズキ

そうよ、グループ会社も入れたら、全国社員1万人規模の会社よ。

ハナ

そんな大規模な会社と、私がどこの部署で取引してるか知ってる?

ミズキ

知るわけないでしょ!

ハナ

じゃあコウスケ先輩はどこの部署にいるの?

ミズキ

それは、確か営業って言ってた!

ハナ

へえ、どの営業部?第一、第二?

ミズキ

それは知らない、営業は営業よ!

ハナ

まあいいけど、私、UME社の営業とはまったく関係ないの。

ミズキ

へ?

ハナ

だから、営業のコウスケ先輩がいくらもちかけても

ハナ

私と取引している部署は聞き入れてくれないはずよ。

ミズキ

そんな事ないわよ!

ミズキ

コウスケが大丈夫、上に言ってやるからって言ってたし。

ハナ

そうなの?でもコウスケ先輩、今連絡取れるのかしら?

ミズキ

へ?

ハナ

今、UME社のコウスケ先輩の部署、大騒ぎのはずだけど。

ミズキ

へ?どういう事?

ハナ

あら、本当に気付いてないんだ。私の彼氏のインスタ見ても?

ミズキ

だから、どういう事なのよ。

ハナ

私の彼氏、同じ中学のタツロウって言ったらわかる?

ミズキ

へ?タツロウ?

ハナ

そう。中学時代、同じ学年だった。

ミズキ

まさか、あのタツロウ?

ミズキ

あんたみたいにダサくて根暗なオタクだったタツロウ?

ハナ

そうだよ。

ハナ

タツロウも一生懸命勉強して、今の成功があるの。

ミズキ

あのタツロウがイケメンで高収入になったなんて気付かなかった。

ミズキ

だったらなおさら、女に免疫がない分、私になびくんじゃない?

ハナ

中学時代、あんなにいじめてきた相手になびくと思う?

ミズキ

わからないじゃない。しかもそんな子どもの頃の話だし。

ハナ

その子どもの頃の力関係を今も振りかざしているのは誰よ。

ミズキ

うるさいわね!

ハナ

話を戻すけど、コウスケ先輩、連絡取れてる?

ミズキ

確かに、朝からラインしても既読もつかない。

ハナ

コウスケ先輩、タツロウから訴えられているのよ。

ミズキ

へ?

ハナ

だってコウスケ先輩も、中学時代タツロウをいじめていたでしょ?

ハナ

それどころか主犯格だったわね。

ミズキ

確かにそうだけど。昔の事じゃない。

ハナ

ミズキが私にしたみたいに、コウスケ先輩も

ハナ

中学時代の力関係ふりかざしてタツロウに

ハナ

無理な要求していたみたいよ。

ミズキ

へ?

ハナ

金貸せとか、契約しろとか迫ったみたい。

ミズキ

まさか、そんな。

ミズキ

コウスケはUME社でもトップ営業って言ってたのよ。

ハナ

トップ営業だろうと、人に対してそんな態度は良くないよね?

ハナ

しかも要求を断ると、会社にいじめられっ子だった事をバラすと

ハナ

脅していたみたいよ。当時の写真もばらまくと。

ハナ

それでタツロウも脅迫で訴えたって訳。

ミズキ

そんな、コウスケはどうなるの?

ミズキ

UME社のトップ営業で、私と結婚するのよ?

ハナ

それはUME社が判断するところよ。

ハナ

タツロウも弁護士を通して訴えてるから、良くて示談じゃない?

ミズキ

ねえ、タツロウに会わせて?

ハナ

まだ言ってるの?

ミズキ

私がお願いすれば、タツロウもイチコロよ。

ミズキ

コウスケへの訴えを取り下げてもらうの。

ミズキ

駄目だったら、タツロウの女になってもいい。

ハナ

寝ぼけた事をこれ以上言うと、私も訴えるよ。

ミズキ

へ?

ハナ

私がいじめの証拠を持ってないと思ってるの?

ミズキ

でも、中学の頃の事じゃない。

ハナ

あなたやコウスケ先輩、取り巻きたちにされた事は

ハナ

日記に記録してある。破られた教科書やノート、

ハナ

悪口を書かれた手紙も取ってあるよ。

ミズキ

そんな陰湿な!

ハナ

陰湿なのはどっちよ。

ハナ

あなたは遊びのつもりでも、私達は辛い思いをしてきた。

ハナ

前を向いて頑張って生きてきたのに、あなた達は今も

ハナ

中学時代の精神のままで、私とタツロウを傷つけてきた。

ミズキ

そんなつもりじゃ。

ハナ

今までのラインの履歴を読み返してよ。

ハナ

どうみても見下して馬鹿にしている態度だよ。

ミズキ

誤解なのよ。

ハナ

もう何を言ってもあなたへの気持ちは揺るがない。

ミズキ

ねえ、助けて。

ハナ

私とあなたの縁はこれで終わり。

ミズキ

待って、コウスケを助けて!

ハナ

コウスケ先輩とタツロウの問題だから。

ハナ

じゃあ、このラインはブロックするから。

ハナ

アカウント変えて接触しようとしたら、私も訴えるからね。

ミズキ

そんな!

〜後日談〜

ハナ

コウスケ先輩はタツロウに対しての脅迫が会社にばれ

ハナ

さらに他にも違法な営業方法で契約を取ってきた事が発覚。

ハナ

懲戒処分となりました。

ハナ

その後、コウスケ先輩は消息不明となりました。

ハナ

婚約者であるミズキともまったく連絡が取れないそうです。

ハナ

コウスケ先輩の話は中学時代の同級生にも広がり、

ハナ

ミズキの地元での立場は悪くなって行ったそうです。

ハナ

私とタツロウは地元を離れて暮らしています。

ハナ

お互いの仕事にますます邁進し、落ち着いたら結婚式を

ハナ

挙げる予定です。

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚