ジュン
マジ、か
席替えで
アイ
あ、ジュン、よろしくね
好きな子と隣になった
ジュン
おう、よろしく
自分でも引くほど 嬉しい
ジュン
(やば)
ジュン
(ニヤける)
ハクト
ジュン、ジュン
ジュン
ん?
俺の後ろの席の友人 ハクトが小声で話しかけてくる
ハクト
よかったな
ジュン
ちょっ…
ハクト
大丈夫アイさんには聞こえねぇよ
ジュン
お前は無責任過ぎんだよ
ハクトは俺の思いを知ってる 数少ない人物
小学校からの友人 多分、一番長い付き合いだ
ハクト
ま、俺にとってもなかなか良い席になれたし
ハクト
今回は相当アタリだな
ハクトには好きな人がいる
それを教えてもらったことは 一度もない
ジュン
(ま、大体予想はついてるけど)
アイ
ね、ジュン
ジュン
アイ
ジュンってば
ジュン
ん?
ジュン
あ、なに!?
ジュン
(やば)
ジュン
(動揺した)
アイ
あのさ
アイ
ちょっと聞きたいんだけど
ジュン
なに?
アイ
えっと
アイ
ハクトの好きな人ってわかる?
ジュン
ハクトの?
アイ
うん
ジュン
(なんでそんなこと聞くんだ?)
ジュン
なんで?ハクト好きなの?
アイ
違うよ!
アイ
私じゃない。友達
ジュン
ホントかぁ?
アイ
ホント!
アイ
ね、知らない?
ジュン
(予想はついてる)
ジュン
(けど)
ジュン
ごめん、わかんないや
アイ
そっか
アイ
ありがとー🎵
ジュン
(可愛い)
アイ
にしても、けっこう良い席になったなぁ
ジュン
あー、確かに
ジュン
めっちゃ良い席
ジュン
(アイも良い席って思ってんのか)
ジュン
(嫌われてはないみたい)
ジュン
(よかった)
その時
アイの目を塞ぐ手が見えた
アイ
ん!?
コトハ
だぁれだ!
アイ
なんだ、コトハ
コトハ
即答!?
ジュン
んなことする奴はお前くらいだろ?
コトハ
酷い!
コトハ
アイの友人であり
ハクト
お、なにー?みんなでお話?
コトハ
あ、ハクト!
ハクトの好きな人
…かもしれない人
ジュン
(やっぱり来たか)
コトハがいるところに
必ず、と言っていいほどに ハクトは現れる
ストーカーってことじゃなくて もっと軽く、自然に
アイ
あ、やべ
アイ
先生にレポート出すの忘れてた
ジュン
あ、俺も
コトハ
えー?それって神崎先生の授業のでしょ?
ハクト
お前らオワッタな
アイ
そんなことないはず!
アイ
いこ!ジュン!
ジュン
お、おう
ジュン
(ラッキーイベントきた!)
ハクト
ったく。
ハクト
彼奴らはいつになったら付き合うのかねぇ
コトハ
ほんとだよね
コトハ
アイなんてジュンくんがレポート忘れたからって
コトハ
わざとレポート忘れたりして
ハクト
一緒にレポート出しにいけるとは限らないのにな
コトハ
ま、結局一緒に出しにいってんだけどね
ハクト
ホント、無駄になんなくてよかったよな
ジュンとアイは 両片思いだ
誰が見ても 「あ、両思いかな?」 って思えるほど分かりやすい二人
俺は、そんな二人を応援している
コトハ
で?ハクトはいないの?
ハクト
ん?なにが?
コトハ
とぼけないで!好きな人!
ハクト
ん?あー
俺の好きな人
一応、いるにはいる
ハクト
お前♡
コトハ
もーまたそれ?
ハクト
嘘じゃねぇよ?
ハクト
実際けっこう好きだし
コトハ
はぁ、ホントにハクトには
コトハ
恋愛感情てのがないのかね
ハクト
えー、信じてくれないの?
コトハ
じゃー私と付き合える?
ハクト
ん?いいよ?
コトハ
コトハ
冗談だからね?
ハクト
えー?そなの?
コトハ
当たり前
コトハ
そんなロマンスの欠片もないような
告白じゃ私は揺らがないの
告白じゃ私は揺らがないの
ハクト
残念だなぁ
俺の好きな人
この思いは 墓までもっていく