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うわぁ、、相変わらず最高すぎます、!橙赤の両片思い、切なすぎてやばいです。。 私が恋のキューピットになりたい() 尊かったです。
そういう言葉系の大好きです…😭 むず痒い両片思い… 橙赤とは、ご褒美すぎます!ありがとうございます😭
橙赤
ポツポツと窓にあたる雨音に目を向ける
あと数分したら本格的に降り始めるだろうと思いながらノートにまた目を移した
誤字ってないか見直した後、チラッと少し離れた席を見るとメガネをつけて懸命にノートをとっている彼
その姿に自然と口角が上がり俺も頑張ろうとシャーペンを握り直した
黒板に書かれていく文字をひと通り読んで写して、先生の話を聞いて、彼を見て
そんな事を繰り返していくといつの間にかチャイムが鳴ってみんながゾロゾロと移動し始めた
片付けをしながらまた彼を見るといつものピンクの奴と水色、紫と一緒に話している
正直言うと彼と話した事は両手に収まる程度
委員会が同じでそこでしか話さないのだ
赤
まぁ、俺はそこらに居るモブな訳で
なんなら俺は男だし
こんな奴に好かれて良い気分になる訳もない
この恋が実ることはきっとない
赤
呟いた声は誰にも届くことなく消えていき、俺はスマホとAirPodsを取り出して音楽を聴いた
いつものようになーくん達と話している時、視界の隅に目立つ赤髪が見えた
橙
黄
光の様な速さで莉犬に抱きつく黄色い奴
伸ばしかけた手は行き場を無くして仕方なく元あった位置に戻した
その姿に笑いを堪える声が聞こえて振り向くと口に手を当てて振動がすごい2人に眉を下げて困った様に笑う1人
橙
桃
紫
涙目になりながら言うさとみになーくんが答える
青
紫
桃
青
橙
俺だってまだ仲良くなってすらないのになんでお前が先やねん
おかしいやろシンプルに
桃
紫
青
桃
青
橙
そんな他愛ない会話をしているとチャイムが鳴って次の授業が始まろうとしていた
慌てて席に戻り、チラッと窓際の後ろを見ると頬杖をついて雨の降った外を眺めている彼
好きな人は居るのだろうか
きっとこの気持ちは彼には届かない
万が一届いた所で、幸せにする事は出来ない
橙
呟いた声は先生の開始の言葉で掻き消され消えていった
放課後、陽キャどもに頼まれた掃除を引き受けて、ほうきを杖に窓に寄りかかって窓の外を眺めた
土砂降りの雨の音と吹部の楽器の音が微かに聞こえる
早く終わらせてしまおうと重い足を動かして掃除を進める
あらかた綺麗になった所で掃除用具を片付け、鞄を手に取って教室を出て階段を降りた
靴を履いて外に出ると勿論外は土砂降りの雨
傘を持っていない俺は雨宿りするか強行突破しか選択肢は残っていない
出来れば早くベッドに身を投げ込みたい所だが
どうしたものかと考えていると一つの足音が近づいてくるのがわかった
後ろを振り向くとそこには想像もしていなかった彼だった
橙
彼は片手を肩らへんまで上げて手を振っている
橙
赤
橙
ジェルくんが隣まで来て、そこからは沈黙が続いた
その沈黙は気まずくはないのに何処かソワソワとして、不思議な感覚だ
でも彼が隣にいると考えると全てがどうでも良くなってしまう
赤
零した言葉の意味はきっと彼は知らない
彼がこっちを向くのがわかる
それと同時に俺は下を向いた
上を向いてしまえば、今の表情がバレてしまうから
橙
ほら、ね…w
赤
俺は居ても立っても居られずに勢いよく雨の中に体を放り投げた
隣から小さく聞こえた言葉
莉犬を見れば下を向いていて表情が見えない
莉犬はその意味を知っているのだろうか
いや、きっと知らない
橙
そう言うと莉犬は雨の中を走っていった
追いかけようとして、ピタッと体が止まる
ドクンドクンと、うるさくなる心臓が痛い
視線が真横になるのと同時にドサッという音を最後に俺は意識を手放した
走り続けていた足を止めてその場に立ち尽くす
肩で息をしながら上を向く
流れていく水
滲んだ視界の中薄暗い雲だけが見えて自分の息しか聞こえない
周りの音なんて、何一つとして聞こえなかった
自分の視界な低く、横になって、身体中が痛い
そこでやっと、1つの音が聞こえた
赤
~ end ~