顔 も 知 ら な い ” 誰 か ” を 探 し て

私は生まれたときから角があった

角は魔族の特徴の一つ

でも…

でも、なぜか

私だけは魔法が使えなかった

準魔族というらしい

だから、カナデたちが ルクスに入ろうといった時

私は何もできなかった

…あれ、ボクなんでこんなところにいるんだっけ

えーーっと…

あー…何か頭がふわふわする

すっごく調子がいいな…

…へへ、今ならどんな魔物も

冒険者とか勇者とかも倒せちゃいそう 笑

…ああ、そうだ

思い出した、ここまで来た理由

人間を消し去るためだ

…何か、違う気がする

…でもいいや

もう、どうでもいい

皆消えちゃえばどうにかなるでしょ

幹部…

あー、マフユが言ってたやつか

まだ来るのか…面倒だな

疲れたらこの城ごとふっとばそ、

ﾋｭｯ

ｶﾞｷﾝｯ

お兄ちゃんを連れて行った魔族と！！

ｺﾞｯ

あれ、思い出せない

さっきからおかしい

ボクじゃな いボ クが 喋っ て るみた い

…あ、ヤ バい ,か も

こ の まま じ ゃ――¿

その瞬間

ボクの中で 『ﾌﾟﾂｯ』 という音がした

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