テラーノベル
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ふと, 今日の実習室でのことを思い出す 康平が, 自然に歩幅を合わせたこと。 先に待っていると言ったこと。
そして──
「蓮音」
呼ばれた声。 あの一瞬, 胸の奥がはっきりと揺れた。
蓮音
そう思った 前にも,思ったはずなのに でも,止めなかった 訂正もしなかった むしろ呼ばれるたびに 少しだけ期待してしまった
ぽつりと呟く
蓮音
声に出した瞬間, それがもう言い訳じゃないと 分かってしまった
距離を取ればいい 呼び方を戻せばいい 関わりを減らせばいい
分かっている
でも
蓮音
こんなことにはなってない
康平先輩は何も奪っていない でも,オレはもう, 渡してしまっている 期待も,覚悟も, 名前で呼ばれるたびに 積み上がる何かも
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