ヴィーナ
あなたには姉のことを話しておかなくてはいけませんね
春陽
私の叔母様?
ヴィーナ
あれはまだ私のお母様が春の女神だったころ
ヴィーナ
私達姉妹はあなたと同じように人間界に降りて遊んでいた
ヴィーナ
でもある日
ペルセポネ
え?
ペルセポネ
キャー!
ヴィーナ
お姉様!?
ハデス
この娘はもらっていく
ヴィーナ
え!?
ヴィーナ
待って!
ヴィーナ
お姉様を返して!
春陽
そんなことが…
春陽
その叔母様をさらったのが冬夜のお父様であり魔界の王、ハデス様なの?
ヴィーナ
そうよ
ヴィーナ
お姉様がさらわれたことでお母様はとてもショックを受けて
ヴィーナ
人間界に春が来なくなった
春陽
!
春陽
そんなことになったら人間界は
ヴィーナ
そう
ヴィーナ
長く冬が続きすぎると植物も育たなくなる
ヴィーナ
でもそんな時だった
ヴィーナ
お姉様が戻ってきたの
春陽
え?
ヴィーナ
その頃にはもう天界まで冬が押し寄せてきていたけどね
ヴィーナ
お母様…
ヴィーナ
お姉様は帰ってくるのかしら…
ペルセポネ
…ヴィーナ?
ヴィーナ
…お姉様
ヴィーナ
お姉様!
ヴィーナ
お母様!お姉様が帰ってきた!
春陽
良かった…
ヴィーナ
お母様は少しずつ力を取り戻して、人間界も天界も元通りになった
ヴィーナ
でも、喜べたのもここまで
春陽
え?
ヴィーナ
お姉様は魔界に戻った
春陽
え!?
春陽
どうしてそんなこと
ヴィーナ
最初は私もお姉様はハデスに脅されているに違いないと思った
ヴィーナ
でも違った
ヴィーナ
お姉様は自分の意思で魔界に戻ったの
春陽
そんな…
ヴィーナ
私は姉を奪ったハデスも、母と天界を捨てた姉も許してない
ヴィーナ
だから春陽お願い
ヴィーナ
あなたまでいなくなって欲しくないの
ヴィーナ
分かるわね
春陽
…
春陽
はい…