U-17のワールドカップ、準決勝のドイツ戦がとうとう始まった。向こうには中学生達にとっても、最も試合したい相手、手塚国光がいる。
マネージャー
初戦はQPと鬼……、
QPとは親しかった。彼らの中では特に、交流もしていた。QP以外にもドイツの選手達とは良く連絡はしていた方だけど……、試合はみんな別人。彼は一筋縄ではいかないようだ。いくら鬼のパワーが上でも。
マネージャー
十次郎。もう、十分頑張ったよ
鬼
ああ……。でも……、かっこわりぃところを見せちまったな……。
鬼はQPに負けた。あの鬼十次郎が。中学生の子達には慕われて、施設の子供達にも応援されてるあの十次郎が、負けるなんて。合宿所でも一時期、トップだったと言うのに……。私は包帯を巻かれた手首を両手で優しく包んだ。
マネージャー
負けたって、十次郎は凄くカッコよかったよ。手首を痛めても続けるなんて……、本当にバカ
鬼
フッ……、返す言葉もねぇ。この手首じゃ、暫くお前を抱けそうにねぇな
マネージャー
みんなの前で言わないでよ。恥ずかしい
試合が終わった後、痛めた手首を庇い、不器用ながら私を抱きしめてくれる十次郎に涙を流した。みんなが見てる、この場所で。






