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光って、散った。〜番外編〜

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光って、散った。〜番外編〜

5 - 光って、散った。〜番外編〜(驫編 前)

♥

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2021年09月03日

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私は鳥のさえずりと共に起きるのが好きだ

美衣

んー!よく寝た〜

時間を見ると、いつも通りの8時…

ん?8時?

美衣

やば!!!寝坊した!!!!

美衣

入学式だって言うのに先生に絶対怒られちゃうよ〜!

美衣

やばっ!!校門閉まってる…。

美衣

どっか入れるところないかな…。

よ!おはよーっす。

美衣

驫!

美衣

あんたも寝坊したの?

いや俺は別に。今日元々これぐらいの時間で来る予定だったから

美衣

え?

いや、ここから実はショートカットできるんだよーん、

美衣

え?!なんでこんな裏道知ってんの?

へへーん俺はなんでも知ってるんだからなー

驫は私の地元の幼なじみ。

優しくて頼りがいもあるけど少し…バカ?

あ!!ちょうど校長が遅れてるっぽいから、ここから入れるよ!

美衣

驫まじでありがと!

うん!

美衣

はぁ〜初日でもう疲れちゃった…。

美衣!同じクラス!よろしく〜

美衣

ほんと驫が同じクラスで良かったよ〜

美衣

じゃなかったら私この大事な1年、つまらないまま終わるところだった!

美衣

ねぇ、校外学習とかも一緒の班にしよ!

美衣

お願い!!

そんな大袈裟すぎるって。笑

美衣なら直ぐに友達出来ると思うけど。

俺だって、美衣だから仲良くしてるし話しやすいんだよ?

(とか言ってたのに)

美桜

え、美衣またやり忘れたの?!

美衣

だって先生に言われてなかったし!!

美桜

いやそうだけどさ〜

(あんなに仲いい友達もできて。笑)

(そう言えば最近話す回数減ってきたな。挨拶ぐらいだし。)

美衣

あ、驫!おはよー!

美桜

驫くんおはよ!

おはよ。

授業中

美衣

(ん??驫からメッセージ…?、)

美衣

(急になんでこんなこと聞いてくるの…!?、)

美衣

(でも、驫は大切な幼なじみだし、ちゃんと本当のことを言った方がいいよね…。)

美衣、もしかして今好きな人とかいんの?

美衣

実はね、

美衣

驫と同じ部活の先輩の人と付き合ってるんだ。

美衣

だから今の時点で好きな人はいるよ!

美衣

驫?

美衣

どうしたの?

美衣

(驫、スマホも見てない…。)

美衣

(私なんか変なこと言っちゃったかな…?)

『今日の授業はここまで。』

美衣

驫!急に何?笑

美衣

先生にバレたら終わってたんだからね〜?

ごめん、、笑

美衣

え、ちょっと…!私なんか変なこと言った?

別に。

美衣

え、驫…!

驫は私の方を見ないでどこかに向かって行ってしまった。

美桜

幼なじみくんとなんかあった?

美衣

別に何も無いけど…。

美桜

思ってたんだけどさ、こんなこと言っちゃダメだけど、結構見た目いかついじゃん?

美桜

大人しめな美衣がなんであんな子と仲良くなってるんだろー?ってずっと疑問に思ってたんだよね。

美衣

驫って良い奴に見えて、昔は問題児だったの。

おい!邪魔で見えねーよ!!

先生

先生に向かってそんな口の利き方はないでしょ!

先生だから何?特別に偉いわけじゃないでしょ?

先生

社会でそんなのが通用すると思うのか!!

美衣

先生、私から注意しておきます。

美衣

授業進めておいてください。

先生

わかった…。

先生

悪いな。いつもいつも。

美衣

いえ、みんなに迷惑かけたくないんです。

先生

ったく、幼なじみなのになんでこんなに違うのかね?

お前はいいよな。いつもいつも優しくされて

美衣

驫、あんたも優しい男になった方が人生得するよ?

別に俺得とか損とかそーゆーの気にしないタイプだからいい!

美衣

ねぇ驫、小さい時に私に言ってくれたこと、覚えてる?

あ?

美衣

大きくなったら、かっこいい大人になるって。

そんなこと言ったか?

美衣

私、そーゆー驫を見るためにずっとずーっと驫のそばに居たいの。

美衣

だから、絶対変な大人になって欲しくない。

美衣

ほんとは驫、私が先生で黒板見えないから言ってくれたんじゃないの?

………!

美衣

ちょっと言い方はあれだったけど…。凄く嬉しかった。

美衣

言い方は変えて欲しいんだけど…。優しい男になって。ずっと。

その瞬間から、驫はみるみる私よりも大人になっていき、

あの時の約束。

それを果たしてくれた。

先生。黒板が見えないので、少し避けて貰ってもいいですか?

先生

あら、ごめんなさいね。

ありがとうございます。

美衣

(あんなにかっこよくなっちゃって、)

美衣

(モテモテになっちゃって、)

美衣

(私からどんどん遠くなって言っちゃうんだな…。)

美衣

(やば!!!驫のこと見すぎちゃった…!)

美衣

(目合ってめっちゃ気まずい……)

〝 な!に! 〟

驫は口をパクパクさせながら私に話しかけた

美衣

〝 なんでもないよ! 〟

私もそれと同じように返した。

その後驫は、少し微笑みながら黒板を見た。

先生

では、うちのクラスは演劇に決定しました!

この時間は、文化祭で何するかクラスのみんなで決めていた。

『やったー!』

『私物語描きたいな〜』

色々な声が飛び交う中、役職がどんどん決まって行った。

先生

じゃあ、残るは舞台裏リーダーと主役だけか…。

先生

まだ残ってる人ー?

私は静かに手を挙げた。

クラスメイト

あの、僕男なので主役は確か…女の子しかできないんじゃないでしたっけ…?

先生

そうね…。じゃあ、舞台裏リーダーってことでもいい?

クラスメイト

分かりました。

先生

ってことで、このクラスの主役は山下美衣さんに決定ね!

美桜

すごいじゃん!美衣!

美衣

え、え?、、!?

わたしはほとんど話を聞いていなかったので全く理解出来ていなかった

分かるのは、私がやりたくなかった主役になってしまったこと。

先生

じゃあ、今日から放課後練習開始にするからね!

クラスメイト

じゃあ、僕お先に帰りますね。

美衣

お疲れ様。

周りを見ると驫と私の2人だけだった。

美衣

驫ってなんの役?

俺、ヒロインが恋をする男役。

美衣

あ、そうなの?!!

ずっとぼーっとしてるなって思ってたけどそこまで話聞いてないとは思わなかったよ。笑

美衣

いや、私文化祭とか全く興味ない人だから…。

それは俺がよく知ってる!

ねぇ、セリフ合わせしない?

明日ちょっと通すっぽいし!

美衣

うん、まぁいいけど…。

この物語は、最終的にキスをするシーンがある。

もちろんフリでやるということは知ってるいけど、幼なじみとやるとなるとやけに緊張する。

物語の初め、楽しそうに主役が散歩をしていると突然倒れてしまう

病気だと発覚した時、好きな人が病院に駆けつけてきてくれた。

自分が余命あと少しとわかっている時その好きな人は『好きだ』と告白してくれる

最高な日々を暮らしている中、突然病気が悪化してしまう。

その夜

美衣

(ここ、キスシーンだ…。ちょっと気まずいな…。)

美衣

ずっとそばに居てくれてありがとう。

美衣

あなたがいてくれたおかげで私はここまでずっと生きのびたの。

美衣

これからも、私のことを愛してください。

もちろんだよ

約束の指切り。

小指同士を絡み合わせたあと、突然手のひらを重ね合わせてきた。

美衣

(え、こんなの台本にないけど…?!)

突然のことに焦りながら驫の方を見ると何も動じていなかった。

美衣

え、ちょっと…

僕は、あなたがほかの人を好きになったとしても好きなままでいたでしょう。

美衣

え、ひゅ……

その瞬間、目の前が驫の目になった。

ずっと見てきた目が目の前にある。

緊張しているのが伝わるぐらい熱い。

あなたの体温が、唇から伝わってきた。

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