~前回のお話の数分前~
フジ
レトルト
フジ
やっと雲ちゃんのところに行ってあげられる。そう思い少し上機嫌に歩き出した…その瞬間だった。
ボカンッッ!!!
レトルト
フジ
緊急装置
下から聞こえた耳をつんざくような爆発音と、少し遅れて建物内に鳴り響く嫌な警告音。
フジ
フジ
レトルト
気づけば俺は雲ちゃんの病室へと走り出していた。
フジ
フジ
守れなかった。
俺が守らなきゃいけないのに。
俺が…あの子を… キヨの大切な人を…守らなきゃいけないんだ。
フジ
追わなきゃ。命に変えても…守らなきゃ。
そうわかっているのに、窓枠に掛けた手が震える。
「フジ!俺はお前を信じてる。だから雲を…お前に任せる!」
キヨは俺を信じて雲ちゃんを任せてくれたんだ。だから…だから!!
手の震えがピタリと止まる。
それを合図に、俺は勢いをつけて窓枠を蹴り、飛び降りた。
一方レトルトは…雲の事をフジに任せ、爆発音がした1階へと向かっていた。
…トさん!レトさん!聞こえる?(無線)
レトルト
雲は!?!?
レトルト
…ごめん。俺は1階の外で爆心地を探してるとこ!で、間に合ったのか!?
レトルト
レトさん聞いてねーの!?建物内に2人侵入してるんだよ!!
レトルト
さっき4階で職員があの野郎…牛沢に後ろから刺されたって情報が入った…だから…もう既にあいつは雲の病室に辿り着いてるはずなんだ!雲はあいつに奪われたのかよ!?
レトルト
レトルト
ッ…ぁあ…そうだな…ごめんな、レトさん。
レトルト
……了解。気をつけて…な…
プツッ(無線が切れる)
レトルト
足早に歩きだした、その時だった。
ガコッ…ガコッ…ズ‐…ズ…
レトルト
薄暗く静かな廊下に、下駄の音と、鎌を引きずるような音が響く。
そして…その音はどんどんこちらに近付いてきているようだ。
戦うしかない…と覚悟を決め、小刃を構える。
ガコッ…ガコッ…ズ‐…ズッ
レトルト
音が止まった。
かと思うと、数メートル先の暗い影が、ぐらりと揺れる。
レトルト
俺は急いで後ろに飛んだ。
カンッッ!!!(鎌の先が地面に思いきり刺さる音)
レトルト
暗い影の正体は、大きな鎌だった。そしてその鎌は…俺の頭上へと真っ直ぐ降りかかってきていたのだ。
歌音
歌音
歌音
コメント
8件
なんか凄い温度差が激しいね。あと最後の私のセリフなんか狂人感あって嫌だから変えよ。
ありがとう!長くしてくれてありがとう!