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side 紫耀

俺は、女なんて信じない。

幼い頃の記憶が蘇る

紫耀

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…

小さい頃、母に捨てられた記憶

施設にいる時ずっと思ってた

俺は女なんか信じない。

だから、この容姿を利用して女で遊んでやった。

この世界は男が有利に成り立ってる

要するに、男は女を捨てる事だってできる。

俺の顔目当てで付いてきて、ヤることヤッて中出ししたら馬鹿みたいに焦る。

あー、ホントこいつらクズだ。

そんなとき、あの女に出会った。

瀬奈

暦、良かったね!

瀬奈ぁー!ありがとうー!

俺がおらんくても頑張れよ高瀬!

永瀬もねー!

俺が大学の合格発表を見てるときに見つけた、暦とかいう女。

なんか…今をちゃんと楽しんでて…目が離せなかった。

こいつは、苦労せずに生きて来たんだなと思うと、無性に腹が立った。

そして、ある日あいつと一緒の講義に出て、偶然隣に座ったあの日。

平野…くんだよね?よろしくね。

紫耀

え…?あ、あぁ、よろしく。

突然話しかけられて、びっくりした。

今までも数人の女に声をかけられたけど、

こいつには、少しびっくりした。

何故だ…?

そして数カ月経ったある日、暦に告白した。

こんな私でもいいなら…。

すんなりOKだった。

やっぱ、女はちょろい。

ノコノコ付いてきやがって

紫耀

後悔させてやるよ…。

この純粋な女を汚してやる

俺のカタチになるまで、ドロドロに愛して

俺しか頼れないように

俺でしかイケないように

俺に依存させる

だから、俺以外に暦に近づくやつは

男だろうと女だろうと許さない。

ある日、女子学生3人くらいが暦の方を向いて何かを言っていた。

その時の眼は母と同じ、軽蔑の眼…

気付いたらそいつら殴ってた。

紫耀

なぁ…お前らだろ?暦に近づいてんの。

女子学生1

平野くんっ…近づいてなんかな…

黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ

紫耀

黙れよっ…!

俺は女を蹴り飛ばす

女子学生1

痛いっ…痛いっ

俺が蹴り飛ばしたのがクリーンヒットしたのか、痛さに顔をしかめる女。

女子学生2

やばいって…ねぇ!ウチら女子なんだけど…

紫耀

関係ねぇ。暦に近づくやつはぶっ殺す。

女子学生3

あたし達は…暦ちゃんの愚痴を言ってただけで…

紫耀

はぁ…?愚痴…?

自分でも驚くほどドスの聞いた低い声でそう問い掛ける

女子学生3

え…あ…あの…

口が滑ったせいで戸惑う女

紫耀

テメェ、暦の悪口言ってたの?

女子学生3

いや…来ないで…

女子学生3

イヤーーーっ!!!

ふぅ…こんなもんかな。

タタタッ…

紫耀

誰かが物凄い勢いで走っていく

チッ…見られたか

俺は音のした方に近づいていった。

瀬奈

……暦に…言わないと…

こいつ…坂本…瀬奈?

紫耀

何で?

瀬奈

!?

何故か俺を見て過剰に驚く坂本

瀬奈

平野…くん

紫耀

ねぇ、何を暦に言うの?

紫耀

教えてよ、減るもんじゃないんだし。

瀬奈

ちが…

俺は痺れを切らした

紫耀

何が違げぇんだよ!!!!

バンッ!

俺は坂本のすぐ横の壁を殴る

紫耀

何?さっきの事?

紫耀

あぁ、それなら言っていいよ。暦の為にやったんだし。

紫耀

暦も喜んでくれるでしょ。

俺は気付いた

あぁ、自分も知らない内に

暦に依存してたんだなって

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