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今回は、てりはるコンテストに 参加させていただきます お話を楽しんでいただければ 嬉しいです
ーATTENTIONー iris 桃青・青桃 低クオ ご本人様には関係ありません
不穏注意
なんでも許せる方はどうぞ
カナカナカナカナ…
夏の夕暮れ
どこか切なさを孕んだなき声が 辺りに響く
色とりどりの花が咲き乱れる 河原でただ1人、足を早めた
キラキラと輝いて揺れる水面
その手前で、涼風になびく 青い髪が見える
気づけば俺は駆け出していた
桃
彼もこちらに気づき くるりと振り返る
桃
勢いのままに抱きつくと 驚いた声を上げる彼
赤く染った耳が目に入る
暑いから離れろ、と すぐに剥がされてしまった
青
桃
桃
青
青
そう言って彼は笑う
スラリと高い背 整った顔立ち
長く、白い腕には
痛々しい赤と青の痕が 残っていた
首に付いた赤い輪を 指でなぞる
桃
青
目の前の恋人は 愛おしそうに微笑んだ
青
桃
青
桃
青
青
彼の冷たい手が そっと俺の頬を撫でた
顔が近づき、柔らかなものが 唇に触れる
青
青
桃
そう言って差し出された 白い花
桃
青
青
青
桃
桃
髪に飾ると 綺麗やな、と褒めてくれた
しばらくの間 たわいもない言葉を交わして笑い合う
青
桃
ふと、真剣な表情になった彼
濁りのない青色が まっすぐに俺を射抜いた
青
少し震えた声で 紡ぎ出された言葉
指先が震えているのが 見てとれる
青
返事なんてもう とっくに決まっていた
桃
震える手を握り 正面から微笑みかける
桃
ふわりと広がった安堵の笑み
恐る恐る、手を握り返される
青
『一緒に、逝こう?』
桃
互いに手を取り、笑い合う
木霊する蝉の声
赤い花が狂い咲く向こう岸へと 2人で駆け出して行った
夏の蝉がなく頃に Fin
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