君と春を迎えられたなら

英太くんと一緒にお花見行きたいな

桜の雨が降る下で一緒にお弁当食べるの

もちろん私の手作り弁当！

春ってね、私が1番大好きな季節なんだ！

だって新しい出会いが始まるんだよ？

プレゼントの箱開ける時みたいにワクワクする！

今はその準備期間

寒い冬を超えた先に、あの綺麗な桜が降るんだよ

ねぇ、英太くん！

いつかまた会った時に、一緒に行こうね！

今年の春は無理でも

100年後でも、来世でも、その次でも

いつか、絶対行こうね！

大好きだよ、英太くん！

そうやって無邪気に笑っていた君を

桜を見る度に思い出す

もう一度会いたい

掴んで離したくない

こんなに人を好きになれたのは

今までもこれからもきっとない

今どこにいるんだ？

元気にしてるか？

なぁ、初華

今すぐにでもお前に会いたい

強く強く抱きしめたい

もう、あんな顔絶対させないから

だから

もう一度だけ

君に会いたい

これは俺が2年生の時の話

12月1日

肩より少し長いセミロングの紫がかった髪が電気光に当たってツヤツヤと輝いている

ぱっちりクリっとした二重の瞳はキラキラと輝いて、まるで無邪気な子供のように見えた

小柄な身長で150cmくらいだろう 体も細くて肌も透き通るように綺麗だ

それが君との出会い

笑顔で笑っている君は、緊張しているのか、さっきまで廊下にいたからなのか耳を赤く染めていた

先生が指定した席は、俺の席からだいぶ離れていて、しばらく話せそうになかった

指定された席に向かう君を目で追う

振動で揺れる髪

綺麗な姿勢

ただの直感だけど周りの人とは何か違うと思った

そんな君が俺はなんだか気になっていた

初華side

休み時間

転校初日、私は沢山のクラスメイトに囲まれていた

放課後

体育館

私は扉の影に隠れながら中の様子を伺った

まだ部員も集まりだしたばかりのようで、練習は始まっていないようだった

私は自分の欲を抑えて首を振った

急に現れた君は、テレビで見た時よりもずっと大きかった

ガッチリした体

色素の薄い髪に、つり目だけどどこか優しい色をした瞳

男の子らしい声

気さくに話しかけてくれて、試合で見た真剣な顔とは違った柔らかい笑み

本当はちょぴっと緊張してたから、思ったよりも普通の同級生でなんだかほっとした

なんだか楽しい毎日が始まりそう

残り3ヶ月

楽しい思い出でうめ尽くせたらいいなぁ

𝐍𝐞𝐱𝐭…♡50