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階段を駆け上がり教室の扉を開ける。
予想通り誰もいなかった。
そして何故か日が暮れ始めていた。
時計は「5時15分」を指していた。
私は咄嗟に掲示板の日付を確認する。
それを見た私は絶句した。
"1月16日"
肩の力が抜けバッグがドサッと音を立てて落ちた。外でウザイほど鳴いていたセミはいつの間にか鳴くのを辞め、気味が悪いほど静かだった。
8月に入ったばっかりなのに"1月" 温度計は30度を指している。
蒸し暑さで流れ出た汗とは別に、異常な事態に脅かされ背筋に嫌悪感のある冷や汗が流れ出ていた。
私はバッグを拾い上げ学校から抜け出しひたすら走った。
徐々に日が暮れ初め途中、晴れ晴れとしていた空は不安を感じさせるように灰色へと変わりポツポツと雨が降り出した。
雨は大粒へと変わっていき、強く地面へ打ち付けられた。辺りは雨の量が多く霧ように濁った。
景色は次第に見覚えのないものへと変わり果てていた。
そんな時だった。
すぐ側でことりの鳴き声のように小さい鈴の音色が聞こえた。私は思わず走るのを辞めた。
その瞬間雨は止んだ。まるで大声で騒ぐ子供達が先生の合図で静かになる様に。
日は沈み夜になっていた。
しばらく止まっていると、また鈴の音が聞こえ今度は後ろから冷んやりとした風を感じた。
振り向くとそこには上り坂のような長い石の階段があった。
私は息を切らしながら重々しい足を1歩1歩踏み出しながら階段を上った。
階段を登りきると大きく紅い…少し塗装の剥げた鳥居があった。
鳥居に触れると石の木のザラザラとした感触がした。
くぐった先には石畳が真っ直ぐと続いていた。気がついた時には私は石畳の上を歩いていた。
進んだ先には少し大きな神社があった。
その奥には墓があり少しゾッとした。
私は財布を取り出そうと鞄を開けようとした時だった。
服も靴も全てが雨水でびしょ濡れになっていたことにようやく気が付いた。気が付いては居たが、走るのに必死でそこまできにしていなかった。今となってはとても不快感がある。
○○
私は100円を投げ入れ二礼二拍手をし…一礼しようとした。
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