明日香
(私はいじめにあっている。今日も学校に行かなければならない。母にも先生にも相談できない私はいつも地獄のような日々を送っている。)
明日香
今日もあいつと会うのか……
姫華(いじめっ子1)
明日香?あいつって誰のことかしら。
明日香
え?あぁ、姫華様のことではないのでお気になさらず。
明日香
(相変わらず私は奴隷と変わりないな…)
朱里(いじめっ子2)
姫華様のことをあいつなんて言ったら私がただじゃ置かないからね?覚えておきなさい。
明日香
分かっています…
二人はすたすたと行ってしまった。あと何ヶ月、私はこの苦痛に耐えればよいのか。きっとあと3ヶ月もしたら心も体もボロボロになっている気がしてきた。
健人
おはよう!明日香!
明日香
え?あぁ、健人か…おはよう
健人
どうした?朝っぱらから元気ないな!ほら、顔上げてもっとハキハキしろよ!
明日香
うぅん…
隆一
健人、お前はいつになったら分かるんだ。明日香がお前の熱血さに疲れてるぞ。
明日香
(今のところは隆一が私の助けだ。でも隆一は心優と付き合ってるな……)
心優
明日香おはよっ!
明日香
心優、おはよう。
心優
大丈夫?明日香。またあの二人?
明日香
う、うん……
健人
なんだよ明日香!なんかあったらすぐ言えって言ったろ!
明日香
ご、ごめん…
明日香
(やっぱり健人と話してると疲れる。健人には言えない。)
健人
わっ!遅刻だ!
心優
明日香、行こ!
明日香
うん
明日香
(あれから何時間がたっただろうか…あれ、まだ1時間も経ってないや。早く帰りたいなー)
先生
今日は8日だから…明日香、この問題はどうやって解く?
明日香
え?あ、聞いてませんでした。すみません。
先生
じゃあ後ろの〇〇!
明日香
(ここまで来ると生きているのさえ疲れてしてしまう。せめて素敵な出会いがあればな。)
お母さん
明日香聞いて。姫華ちゃんと朱里ちゃんが塾に行く途中、大型トラックに跳ねられて亡くなったって電話が来たの。明日香、塾休んで良かったわね……
明日香
え?
明日香
(私は母の言葉にただひたすら呆然とするしかなかった。)
明日香
(私をいじめてくる人がいなくなったのは嬉しい。でも2人がいなくなればこのクラスは少しつまらなくなるな。ちゃんと自分の意見を言って、最後くらい仲良くすれば良かった。)
明日香の心には後悔と満足感の混ざった不思議な気持ちが残り続けた。 次の日。
健人
明日香、聞いたか?2人が…
明日香
その話はしないで。2人が可哀想だよ。
明日香
(私は自然と2人をかばっていた。)
隆一
明日香の言う通りだ健人。そっとしといてやれ。
心優
でも、ほんとに偶然なのかな…
健人、隆一、明日香
え?どういうこと?
心優
実は私、あの時2人と一緒にいたの。それで、トラックに乗っていたのは……先生だったの。
明日香
……え?
隆一
どういう意味だよ…
健人
そういえば先生、この間ほかの先生にいじめの話してた気がする。それに、半年前にも隣のクラスのやついじめてたやつ死んだよな。あれもトラックがひいて、犯人は捕まっていない……
明日香
それってまさか…先生が犯人だって言いたいの?
隆一
でもそうだとしたら辻褄が合う。もしかしたら先生はいじめが許せなくて善意でやったのかもしれない。
心優
でもさすがに殺しちゃうなんて酷すぎるよ。
明日香
例えそうだとしても誰もそんなこと望んでないよ……私だって、二人は嫌だったけど死んじゃえって思ったことは1度もないもの……
心優
そうだよね……
明日香
うん… うっ……
明日香
(私は自然と涙を流していた)
心優
明日香、大丈夫?
明日香
大丈夫。ありがとね
健人
でもさ、さすがにこれは先生に言ったら俺達も殺されちまうんじゃねぇのか?
隆一
それもそうだな。特に心優は危ない
心優
なんで?
隆一
顔を見てるんだったら先生も気づいてるかもしれないだろ?
明日香
ねぇみんな。今日の放課後、みんなで警察に行こうよ…このまま放っておいたら心優が危ないもの。
健人
そうだな、明日香の意見に賛成だ
隆一
俺も今日はスイミング休んでもいいから行くよ
心優
え?でも隆一は次テスト受けないと落ちちゃうんでしょ?
隆一
そんなことはどうだっていい。それにこれは人が死んでるんだ。それに比べりゃスイミングなんて小さいことだ。
明日香
みんながいてくれて心強い、ありがとう
健人
おう!念の為今日は心優を真ん中にして歩いて、家に帰らずそのまま警察行こうぜ!
心優
そうだね。その方がいいかも。
隆一
よし!決まり!じゃあとりあえず今日一日は気をつけて乗り切ろうな!
明日香
うん!
隆一
よし、行こうぜ!
健人
ああ!今更怖いなんて言うバカはいないよな?
明日香
もちろん!
心優
これ以上人を死なせない為にも怖さなんか捨てなきゃ!
隆一
一応聞くが、この中に誰かをいじめた心当たりがあるやつもいないよな?
健人
ここには心優しいやつしかいねぇよ!そうだよな!みんな!
明日香
うん!
心優
そうだね!
隆一
よし!じゃあ行くか!
その後、みんなは警察に全てを話した。先生は捕まってしまったが笑顔で、「こんな形で力になってしまってごめんな」と言っていた。
明日香
これで全部終わったね……
健人
ああ、一件落着だ!
隆一
やっぱり警察に行って正解だったよな。
心優
…うん…
隆一
どうした?心優。
明日香
なにか引っかかることでもあるの?
心優
え?あ、うん。あんなに優しい先生が正義のために人を殺すのはやっぱりまだ信じられないし、やっぱりなにか裏があったんじゃないかな……
健人
そんなこと言ったらキリがねぇよ。世の中みーんな裏だらけだからな。
明日香
そうだよ心優、もう忘れて、私達だけでも卒業まで楽しく過ごそう!
心優
うん!ありがとう!
健人
明日香、ちょっといい?
明日香
いいけど、急にどうしたの?
健人
相談があるんだ。
明日香
相談?
健人
ああ、恋愛相談な。
明日香
いいよ!
健人
おれには好きな人がいて
健人
まぁ、仲はいいひとでな
健人
えきで初めてあって、
健人
がんだむのチャーム落として
健人
すぐに教えてくれたんだ
健人
きづかなくて助かった
明日香
健人?その話って…
健人
気づいた?
健人
俺、ずっと前から明日香が好きだったんだ。こんなやつだけど、付き合ってくれ!
明日香
健人……
健人
や、やっぱりダメだよな。
明日香
ううん。私も好き!初めて会った時は元気な人だなって思ってたけど、この間のことがあってからすごく頼もしくて、こんないい人が自分のすぐ近くにいたのになんて気づかなかったんだろうって思ってた!
明日香
これからは彼女としてよろしくお願いします!
健人
俺も、これからは彼氏として精一杯頑張るから!よろしくな!
隆一
告白成功したじゃん!
心優
良かったね!
明日香
あ!ここ、グループじゃん!健人!
健人
ははっ笑わざとだよ笑
心優
そうだ、今度ダブルデートしない?
隆一
賛成!次の土曜日に行こうぜ!
明日香
私の家集合でいいよ!
心優
よし!決まり!楽しみだね!
明日香
ふふっ♪
明日香の小学校生活は幸せと楽しさに満ち足りたものであった。一方先生はいじめていた児童の親とちょうど言い争いがあったらしく、いじめが原因で姫華達を殺したのではなかったことがわかった。あんなに優しかった先生がどうしてこんなことになってしまったのか私達は今もわからないままです。