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コメント
1件
ギリギリを攻めてしまった……😇 キャラの感じはいかがでしょうか? 何か気がかりな点があれば、修正させていただきます🙇
⚠️ATTENTION⚠️
◉この小説は犯罪を助長するものではなく、またそういった意図もありません。 ◉暴力的な内容が含まれているため、不快に思われる可能性があります。 それでも、大丈夫だよ!という方のみご覧ください☺️
るるんぱ
るるんぱ
どちらに首を振ろうとも、四方八方が白一色。もし平穏な日常の一コマだとすれば、ここはただの清潔感にあふれた「浴室」だろう。
今の俺にとって、この新品のカップめいた小綺麗さは、生活感がなくただ不気味でしかなかった。
理由は主にふたつ。ひとつは、今、俺自身がおかれているこの混乱必至な状況。そして、もうひとつが——
【密室殺人】
???
???
カイ
鏡右下の浴槽にそう投げかけると、関心の薄さを一切隠さない中性的な声が返ってきた。
???
目が覚めた時には、彼——性別はわからないが、便宜上「彼」とする——が浴槽に体育座りで、こちらをじっと見つめていた。
そして「おはよう」と一言残して口を閉ざすものだから、俺は慌てて説明を求めた。
???
それだけだった。おかげで、とてもマズイ状況であることは理解できた。 その後、彼の指示のもと扉や換気扇のフタを動かそうと努力するも徒労に終わり、己の指先にはまだじんわりとした痛みと赤みが残っている。
???
???
???
???
???
???
わすがに声が弾んで聞こえる。心なしか表情も楽しげだ。この数分で、彼という人間が全く読めないことを俺は学んだ。
???
彼はガッカリするでもなく、納得したように頷いた。機嫌をとって、無理に付き合う必要がないのは非常に助かる。
ロン
カイ
ロン
狭い部屋で、話し相手はお互いのみ。バカでもなきゃ、嫌でも仲良くすることだろう。会話でもしてなければ、到底冷静ではいられない状況なのだから。
ロン
???
突然、見知らぬ声があちこちにこだまして聞こえた。俺でもロンでもない——第三者の、電子的に加工されたくぐもった声。 どこから聞こえているのか……。俺の素朴な疑問は、もはや聞き慣れた声によって答えられた。
ロン
天井に設置された換気扇。耳を澄ますと、たしかにその奥から発せられているようだった。
???
???
静かで美しいが、自然の鏡ゆえに底が見えない湖面のようだ。不気味なほど落ち着いている一方で、どこか愉しげにも思える。 何も写さない闇が耳の中を這いずってくるようで、少しでも気を抜くと飲み込まれてしまいそうな危機感を覚えた。この人に関わってはいけない、誰もが瞬発的にそう感じるはずだ。
???
???
カイ
???
???
ロン
???
???
ロン
???
???
その言葉を最後に、浴室内は生ぬるい静寂を取り戻した。
後編へ続く