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ザーザー

ザーッ

6月〇日天気は雨

梅雨だ

私は6月〇日が嫌いだ

何故なら…

あの子が亡くなった日だから

ザーッザーッ

雨がどんどん降ってくる

服もびちょびちょだ

もう何時間ここにいるか分からない

体も冷えてきた

今すぐ暖かい家に帰りたい

けど

23時にならないと家に帰れない

いや、帰りたくないが正しいか

なんで?って?

だって

6月〇日の23時にあの子をここで

消したんだから

昔っからあの子達が嫌いだった

 何もかも完璧で毎日褒められて

それに比べて私は…

何も出来なくて毎日叱られてばっかり

だから努力したのに

…私はあの子をあの子を…越せなかった…

あとちょっと…もう少しで届きそうなのに!彼奴が、

彼奴が‼︎邪魔をしたんだ!!!!!

彼奴が…彼奴が全て悪いのに!あの子は…彼奴を庇った…何故?何故庇う…そいつは!私の邪魔をしたんだぞ…そうか、君も此奴の味方なのか…

その時はそう思っていた…だけどあの子は言ったんだ

『よく頑張ったね…よく我慢したね…君は完璧な人間だ!だから君には道を踏み外して欲しくない…だからお願いだ…あの子を……消さないでくれ』

そう言った…

その瞬間涙が溢れ出た…私は崩れ落ちて泣いた…

え?誰を葬ったって?…

弱い自分さ! 弱い自分はもういなくなった…今は前向きに生きる強い自分がいる!

ははっ、あの子には感謝だよ

ポタポタ

さくら

雨が…やんだ?

上を見上げると傘を持った男の人がいた

さくら

『 !』

私はその子の名前を大声で呼んで抱きついた

さくら

ありがとう、ありがとう

暖かい

泣いてお礼を言ったら君は動揺している顔をした

君の顔をもう一回見てみると…そこには誰もいなかった… 

温もりなんて1ミリも感じなかった

あぁ、そうか…あの子は…私のもう一つの人格

『弱い』人格だ

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