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獣たちと契約せし日
9話:主の処遇
???
目の前に、顔。
何もなかった空間から、いきなり現れた。
淡い水色の瞳が、至近距離で細められる。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
足がもつれた。
どん、と尻もちをつく。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
硬い床の衝撃が腰に響く。
そして──
???
甲高い笑い声が王の間に響き渡る。
ピンクの髪がふわりと揺れた。
逆さまだ。
天井からぶら下がるようにして、こちらを覗き込んでいる。
???
さらに顔が近づく。
???
真琴は言葉を失ったまま、床に手をついた。
その前に、すっと影が入る。
ユイだった。
真琴を隠すように立つ。
ユイ・ラビエル
小さい声。
けれどはっきりしている。
ユイ・ラビエル
わずかに震えている。
それでも、一歩も退かない
???
ひょい、と角度を変えて覗き込もうとする。
ユイがさらに半歩前へ。
ユイ・ラビエル
ぴたりと空気が張る。
???
頬を膨らませた、その瞬間。
がし、と鈍い音。
???
低い声。
黒髪の男が、背後から首根っこを掴んでいた。
七三に流した前髪。
細縁の眼鏡。
表情は動かない。
???
???
声音が冷える。
???
さらに、淡々と。
???
???
静まり返った空気に、柔らかな声が落ちる。
???
糸目の男が一歩前に出た。
場の緊張が、わずかに緩む。
???
穏やかな微笑。
???
真琴の心臓が、どくん、と鳴る。
歓迎。
その言葉が、妙に重かった。
腰がまだ痛い。
でもそれよりも、視線だ。
三人の視線が、こちらを見ている。
???
糸目の男が静かに言う。
???
カイゼル・ドラグニル
カイゼルが、無言で一瞥する。
???
首を掴まれたまま、にこっと笑う。
レヴァン・オルディア
???
わずかに間を置く。
セリオ・アルティナ
王の間が静まる。
セリオ・アルティナ
その視線が、ふいにノアへ向いた。
空気が変わる。
ノアの肩が、わずかに強張った。
ノア・ベアルド
短い返答。
それだけ。
けれど、何かがある。
気まずい沈黙が、ほんの一瞬だけ落ちた。
セリオは何事もなかったように視線を戻す
セリオ・アルティナ
今度は空気が締まる。
セリオ・アルティナ
カイゼルが一歩前に出た。
カイゼル・ドラグニル
カイゼル・ドラグニル
視線が順に、真琴たちを射抜く。
カイゼル・ドラグニル
静まり返る。
カイゼル・ドラグニル
カイゼル・ドラグニル
淡々と、しかし逃げ道を与えない声。
カイゼル・ドラグニル
わずかに目が細まる。
カイゼル・ドラグニル
真琴は顔を上げた。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
カイゼル・ドラグニル
カイゼル・ドラグニル
静寂。
カイゼル・ドラグニル
問われる。
真琴は言葉を探す。
胸がざわつく夜。
理由もなく不安になる瞬間。
誰かの苛立ちが、刺さるみたいに伝わったこと。
雨宮 真琴(アマミヤ マコト)
うまく、言えない。
カイゼルは目を逸らさない。
カイゼル・ドラグニル
小さく、うなずくしかなかった。
セリオが口を開く。
セリオ・アルティナ
セリオ・アルティナ
セリオ・アルティナ
静かに落ちる言葉。
セリオ・アルティナ
空気が、重くなる。
カイゼルが言う。
カイゼル・ドラグニル
カイゼル・ドラグニル
カイゼル・ドラグニル
真琴の背中を冷たい汗が伝う。
カイゼル・ドラグニル
レヴァンがくすくす笑う。
レヴァン・オルディア
レヴァン・オルディア
レヴァン・オルディア
軽い声。
けれど問いは鋭い。
カイゼル・ドラグニル
カイゼルの声は硬い。
カイゼル・ドラグニル
カイゼル・ドラグニル
王の間の温度が下がる。
カイゼル・ドラグニル
その一言で。
背筋が、凍る。
真琴の指先が震えた。
レヴァン・オルディア
レヴァンが首を傾げる。
レヴァン・オルディア
レヴァン・オルディア
セリオが静かに口を開く。
セリオ・アルティナ
セリオ・アルティナ
視線が、レオたちへ向く。
セリオ・アルティナ
レオは何も言わない。
ただ、主のすぐ後ろに立っている。
セリオ・アルティナ
セリオ・アルティナ
沈黙。
やがてカイゼルが言う。
カイゼル・ドラグニル
カイゼル・ドラグニル
レヴァンがにやりと笑う。
レヴァン・オルディア
セリオが結論を告げる。
セリオ・アルティナ
穏やかな声。
だが拒否権はない。
カイゼル・ドラグニル
真琴は、言葉を失った。
歓迎されたはずなのに。
気づけば、自分の命は議題に上り。
自分の死が、こんなにも静かに語られている。
なのに、現実味が追いつかない。
自分が死ねば、後ろの四人も死ぬ。
その事実だけが、喉に張りついた。
逃げ場はない。
王の間の扉が、重く閉まった。