少年少女は恋をする~8話~

廊下

足早にはずきが追いかけてくる

怒ったような焦ったような声

返事もしないで振り向く

途端に はずきが間抜けな顔になる

開き直って、思ってたことを全部言ってやった

めったに怒らないはずきが、もの凄い目つきでこちらを睨む

俺も睨み返す

何も言えないのをいいことに早口で続ける

そう言うと、目の前を足早に通り過ぎていく

言いたいことだけ行言っていきやがって

あみの事わかった風にいいやがって

泣いている間、ひめが抱きしめていてくれたから落ち着いてきた

自分に怒っているわけじゃないのになんだか焦ってしまう

女子に興味無さすぎて話しかけることなんて滅多にないあお

私とは たくさん話してくれる

いつもそばにいてくれる

馬鹿だなぁ私

あおは幼なじみだからって、それ以上を考えたこともなかった

私があおを好きなのも

あおが私を好きなのも

幼なじみとしてだって、勝手に思い込んでた

あおは、私に好きって伝えてくれてたんだね

ほんと馬鹿だ私

私もちゃんと返事しないと…！！

帰り道

あの後あおと話す時間がまったくなかった

放課後も私が委員会やってる時に先に帰っちゃったし

ついてないなぁ

振り向くと、りく君が走ってこちらに向かってきていた

その不思議なノリに思わず笑ってしまう

いつも通りの笑顔で手を振って遠ざかるりく君の姿

突然すぎて頭がついてこない

りく君の言葉が頭の中でぐるぐるとまわっている

目が離せなくなってて

他の奴には渡したくない

あおには絶対渡したくない

好きです

告白、なんだよね？？