一日限定。

誰かに声を掛けられたと思って振り向けば、 さっきまで居なかったであろう場所に人が居る。

俺と同い年くらいの少し小柄の女の子。

目は透き通るようなピンクで、髪飾りがよく映える。

"願いを叶える"ってもしかして、 さっきの願い事のことか？

でも、どうやって叶えるんだ？

普通の人間に叶えられるような願いじゃないし。

やばいスピード感に飲まれて逆に冷静になったけど、普通に意味わかんな過ぎる。

まず、俺の願い叶っちゃうの？

てか、この人ほんとに信用出来るの？

神様って見えちゃうの？

なんで分かって…

なんか一気に信憑性が出てきたな。

1日だけでも、先生と両思いになれるなら。

そんなのとっくの昔から知ってるし、 全然驚きもしない。

一日だけでも両思いになれるだけ、俺は幸せ者だ。

そう言ってのあさんは、お札を手に取り 目を閉じて祈り始めた。

人間の俺には何をしているかなんて、 全く分からない。

ほんとに先生と両思いになれたのか不確かだけど、 何だからいつもより自信がある。

"両思い"という言葉のおかげかな。

昨日の夜から、明らかに俺は落ち着いていない。

そりゃ、好きな人と両思いですから 落ち着いてられないけど。

いつも出来ないような思い切った行動に出てみても 良いのだろうか。

いや、出てみるべきだ。

あの人ってやっぱ本物の神様なんだ。

てことは、今日一日だけは先生は 俺にゾッコンなんだよね？

やりたい事、全部やり尽くしたいな。

明日から先生を諦めるために。

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝1000♡