リオネル
よぉ〜。
ツララ
あ、リオネル⋯!
ツララ
良かった⋯ここにいた⋯。
リオネル
んん?ツララか。どした?
ツララ
変な箱と、それに着いてた多分リオネル宛っぽい手紙が⋯。
ツララ
本人に見てもらうのが一番だと思って持ってきたんだけど⋯。
リオネル
へぇ〜。余程重要そうじゃなかったらそのままでも良かったのに。
リオネル
本当に重要なら俺の執務室まで届けると思うんだよね。
ツララ
うーん⋯でも一回開けてみた方がいいと思う。
ツララ
変なの拾ってきちゃったとかだったらごめん。
リオネル
んー、まぁいいや。開けてみよ。
ツララ
(軽っ⋯)
リオネル
何が入ってるかなー。何かのプレゼントかぁ?
リオネル
まず手紙から⋯
ツララ
(え⋯あれって⋯)
ヒュンッ
リオネル
⋯!
リオネル
クオリテス・ウィカンド!
カラン⋯
ツララ
え、ええ⋯
ツララ
今のって⋯
リオネル
魔力が込められた短剣だろうね。
リオネル
この短剣は普通に使用することも出来るが、魔力を一定数込めると勝手に動き出す。
リオネル
この短剣が落ちてきたところに、俺の魔法を使って短剣の威力を最大限まで落とした。
リオネル
まぁ、俺の魔法も効果が永続って訳ではないからすぐ処分しなければ⋯
ツララ
物騒な道具だね⋯
ツララ
なんでそんなものが手紙の中に入ってたんだろう⋯
リオネル
俺に相当な恨みがあるのか、あるいはその逆か。
ツララ
その逆、ってことは⋯
ツララ
リオネルのことが好き、ってことでしょ?なのになんでこんなものを⋯
リオネル
んー、まぁしょっちゅう居るんだよな。
リオネル
好きってのを拗らせすぎてこうなるやつ。
リオネル
別に俺がモテモテとは考えてないんだけどな。
リオネル
これまでも愛のラブレターと一緒にこんなもんが入ってることはよくあった。
リオネル
イーストン生だった時もまぁあったんだけど、神覚者になってから増えたんだよな。
リオネル
それもめちゃくちゃ。
ツララ
神覚者ってだけで見られがちだからね⋯。
ツララ
それよりも⋯ごめん。
ツララ
そんな変なもの持ってきちゃって。
リオネル
いいや、気にしなくていいよ。
リオネル
さっきも言ったけどよくあることだからな。
ツララ
うん⋯
リオネル
そしたらこの箱も怪しいよなぁ⋯
リオネル
何が入って⋯
ばぁ!
ツララ
何が入ってたの?よく見えないんだけど⋯
リオネル
なんだ、ただのびっくり箱だったよ。
リオネル
これめちゃくちゃ場所取るからさっさとしまって処分したいんだけどなぁ。
リオネル
仕組みが複雑だからしまうのめんどくさいんだよな⋯。
ツララ
そうなの?
リオネル
まぁ、魔法で劣化させれば⋯
シュンッ
ツララ
ええ!?
リオネル
あ⋯。
ツララ
な、なにこれ!助けてリオネル!
リオネル
魔法の効果が完全に切れたのかもな⋯。
ツララ
え、ど、どうしよ⋯!
ツララ
う〜ん⋯
ツララ
えい!
パキパキッ⋯
ストン
リオネル
おー。すごいな。
ツララ
凍らせちゃってよかったの⋯?
リオネル
あぁ。そのまま壊してくれ。
ツララ
どうやって⋯?
リオネル
その短剣は魔法を直接受けると刃の部分が脆くなるんだ。
リオネル
試しに魔法を一回解除してみてくれないか。一度魔法を受けたから暫くは動かないはずだ。
ツララ
こ、こう⋯?
カランッ
リオネル
そう。それで簡単に壊せるはずだ。
ツララ
えっと⋯これでいいのかな?
パリンッ
リオネル
ありがとう。
ツララ
いや、こちらこそごめんね。
リオネル
じゃあこの短剣と箱はこっちで処分しておくよ。
ツララ
うん。またね。