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晴恋ときどき雨恋

第5話 - 第5話晴れときどき涼雨

2025年07月11日

#同級生

#恋愛

#青春

#保健室

#心配

彩

青空

てわけ

大地

で、月乃さんは？

青空

早退した

青空

親が迎えに来るって

青空

念のため病院に行くらしい

大地

メンクリ？予約制じゃないんだ

青空

内科かもしれないけどな

大地

それで5時間目から元気なかったのか

青空

…

大地

青空お前、午後の授業ノート取ってなかっただろ

青空

なんで知ってんだよ

大地

俺の席は？

青空

あっ！もしかして見てたのかよ

大地

当たり。真後ろだからな

大地

だから分かったんだよ

大地

何となく様子が違うなって

大地

分かりやすいからな。青空

大地

たぶん月乃さんは

大地

過呼吸っていうか

大地

パニックになっちゃったみたいな感じなんだろうなぁ

青空

そうなのかな…

青空

あ〜あ。やっちゃったな〜

青空

あまり刺激しないように

青空

気をつけてたのに

青空

ぜーったい俺のせいだ

青空

なぁ大地

大地

ん？どうした？

青空

俺、嫌われたかも

青空

月乃に

大地

大丈夫！って言ってあげたいけど

大地

どうだろうな？

大地

月乃さん繊細みたいだし

大地

青空、月乃さんが教室に来られなくなった理由

大地

分かるか？

青空

いや

青空

気がついたらいなかった

青空

そんな感じ

青空

大地お前知ってんの？

大地

知らないけど

大地

たぶん誰に聞いても教えてくれないだろうしな

大地

でも

大地

とりあえず

大地

行くぞ！青空！

青空

待てよ！行くって…

青空

どこ行くんだよ

大地

お前頭いいんだから察しろよ

大地

分からない？

青空

…

大地

保健室だよ

大地

ほ、け、ん、し、つ

高橋美雨

どうしたの？二人揃って

高橋美雨

屋上にいなくていいの？

高橋美雨

放課後は、屋上か図書室に行くと

高橋美雨

大空さんと大地さんに会えるって

高橋美雨

情報持ってたんだけど

高橋美雨

今日は違うのね

青空

ヤバ…何その情報網

青空

怖すぎだろ

青空

先生、月乃は？

高橋美雨

大丈夫よ

高橋美雨

命に別状ないから

青空

そういう事じゃなくて…

高橋美雨

じゃあどういう事？

大地

言える範囲で構わないので

大地

月乃さんの様子とか教えていただけませんか

高橋美雨

私ね

高橋美雨

生きていてくれさえすれば

高橋美雨

それでいいと思っているの

高橋美雨

例えクラスに行けなくても

高橋美雨

そこに存在してくれてることが

高橋美雨

貴重で奇跡で

大地

確かにそうなんですけど…

高橋美雨

だから

高橋美雨

生き抜くことが大事なんじゃないかな。って

高橋美雨

思ってるわけ

青空

おい！先生！

高橋美雨

大丈夫。何でもない

青空

ハンカチいる？

高橋美雨

ハンカチくらい持ってるわよ！

高橋美雨

でも、ありがと

高橋美雨

今日はもうお終いにしようかな〜

青空

お終い？

大地

疲れてますよね。大丈夫ですか？

高橋美雨

大丈夫よ。とりあえず

高橋美雨

二人とも、ちょっと待ってて

高橋美雨

面談中の札を出すから

面談中体調不良の生徒は担任や部活動の先生の指示に従ってください

高橋美雨

これでよし

高橋美雨

そうしたら、あなた達以外の生徒は入ってこられないでしょ

青空

なるほど。悪知恵ってやつか

高橋美雨

特に今日は激務だったし。ねー

青空

なんで俺の顔見るわけ？

高橋美雨

お財布や、お弁当忘れた生徒がいたから

大地

ですね

青空

大地！お前‎

大地

事実なんだから仕方ないだろ

高橋美雨

二人ともこの後なにか予定ある？

高橋美雨

塾とか？

青空

いや特にないけど

大地

俺も

高橋美雨

じゃあ少し話さない？

高橋美雨

青空さんも大地さんも

高橋美雨

話したいことっていうか

高橋美雨

気になることあるでしょ

大地

そうですね

青空

で、先生月乃は？

青空

あいつこのままだと

青空

いろいろヤバいんじゃないの？

青空

最悪、学校追い出されたりとか…

高橋美雨

月乃さんは大丈夫

高橋美雨

ま、そこまで楽観的になってもいられないんだけど

高橋美雨

でも、彼女は

高橋美雨

一生懸命生きようとしてる

高橋美雨

それは確か

高橋美雨

だから、事情を知った先生方が

高橋美雨

彼女の力になりたいと思ってくれている

高橋美雨

だから

高橋美雨

１ヶ月後の期末試験さえ受けてくれれば

青空

場所は？

大地

ここで受けることも可能なんですか？

高橋美雨

それはこれから、教務部と相談なんだけど

高橋美雨

たぶん大丈夫

高橋美雨

大事な生徒を追い出すなんて…

高橋美雨

そんなこと

高橋美雨

私がさせない

青空

ヤッバ！先生めっちゃカッコイイんだけど

高橋美雨

この仕事してるとね

高橋美雨

いろんな子供と出会う

高橋美雨

みんな、一生懸命で

高橋美雨

キラキラして

高橋美雨

でも時々危うくて

高橋美雨

いい？二人とも

高橋美雨

ここからは、私の作り話

高橋美雨

だと思って聞いてね

高橋美雨

そして聞き終わったら

高橋美雨

すぐに忘れなさい

高橋美雨

できる？

大地

はい

高橋美雨

青空さんは？

青空

分かった

高橋美雨

まだ私が養護教諭になったばかりのころね

高橋美雨

今から、何年も前

大地

物語の舞台は？

大地

この学校なんですか？

高橋美雨

そう

高橋美雨

当たり前だけど私、保健室の先生になりたかったの

高橋美雨

この学校のね

青空

うわ！ピンポイント！？

高橋美雨

そう

高橋美雨

なんて言うのかな。イメージなんだけど

高橋美雨

楽そうな気がしない？

高橋美雨

とりあえず、経済的に困ってる家庭とか

高橋美雨

少なそうだし

高橋美雨

青空さんも大地さんも

高橋美雨

進学希望でしょ

大地

はい。医学部希望してます

青空

俺も、医者になりたいかな

高橋美雨

だよね。恵まれてると思う

高橋美雨

だからきっと、養護教諭はヒマなんじゃないかと

高橋美雨

勝手に思ってたわけ

高橋美雨

でもそれは

高橋美雨

私の大きな勘違いだったの

大地

勘違い…ですか

高橋美雨

今もそれなりに忙しいんだけど

高橋美雨

私が入ったころは

高橋美雨

今よりも、もっともっと忙しくて

高橋美雨

保健室だけじゃ対応できないくらい

高橋美雨

体調不良の生徒がいて

高橋美雨

だから、会議室を臨時の保健室として利用したり

大地

凄い。ですね

高橋美雨

そうなの本当に大変だった

高橋美雨

でね、そんな中

高橋美雨

私は一人の生徒と出会うことになるの

青空

男子？女子？

高橋美雨

女の子

高橋美雨

その子が高校2年生の春に

高橋美雨

保健室にやってきたの

大地

月乃さんと同じ。ですよね

高橋美雨

そうね

青空

それで？

青空

サクサクいこうぜ。サクサク

大地

青空

大地

お前、少しは待つってこと覚えた方がいいぞ

青空

ごめん

青空

早く続きが知りたくて

青空

つい

大地

それで、その生徒はどんな理由で保健室に？

高橋美雨

彼女、泣いてた

大地

泣いてた…

大地

まさかイジメ

高橋美雨

理由は

高橋美雨

ペットのカメが死んだから

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