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めあ☔️
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29
あさくら
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るい
るい
茂武
るいは出口の扉にそっと手をかけ、隙間をわずかに開けて外の様子を伺った。
扉の向こうには、夜の静寂に包まれた深い「森」がどこまでも広がっている。
先ほど出て行ったローブの男たちの姿は見当たらない。
風が木々を揺らす気配もなく、不気味なほどの静けさが漂っている。
るい
るい
茂武
るい
茂武
るい
るいは最初の小部屋へと戻り、壁一面を徹底的に調べて隠し扉や抜け穴がないか探した。
しかし、壁の継ぎ目や板張りを念入りに確認したが、この部屋には隣の儀式部屋へ続く引き戸以外の出入り口は絶対に存在しないことが確定した。
また、壁の隙間を間近で調べたるいは、壁一面に吊るされたのこぎり、斧、ナイフといった無数の刃物類の刃先に、乾いて赤黒くなった無数の「血痕」がこびりついているのをはっきりと視認する。
るい
茂武
るいは回収した小さな鍵を拘束具の鍵穴へ差し込み、ひねった。
カチリ、と硬い金属音が響き、女性の両足首を締め上げていた金具が外れる。
その刹那――解放された女性は、るいの手や茂武の制止を振り切るようにして、一目散に出口の扉へと駆け出した。
周囲の様子を窺う余裕すらなく、ただ生き延びるために、我を忘れて夜の闇へと飛び出していく。
茂武
茂武とるいは慌てて扉を開け、女性の後を追って外へと飛び出した。
目の前に広がる森の暗がりの中へ、女性の影が消え去ろうとしていた――だが、女性が森の中へ逃げ込むことは叶わなかった。
――バタバタバタッ!
鼓膜を震わせる異様な羽ばたき音と共に、夜空から突如として「2つの巨大な影」が急降下し、逃げる女性の前に立ち塞がった。
それはコウモリのような巨大な翼を持ちながら、鳥と言うにはあまりに歪で大きく、月明かりに照らされたその異形の肉体は、まるで蟻が腐乱死体の皮を被っているかのようだ。
人間であれば、そのあまりの醜悪さと冒涜的な姿に正気を失い、吐き気を催すであろう怪物――「ビヤーキー」。
2匹の醜悪な怪物は、取り合うようにその鋭利な嘴を女性の身体へと突き立てた。
女性の悲痛極まりない絶叫が、飛び散る鮮血と共に夜の森へと撒き散らされる。
怪異は獲物を簡単には絶命させない。
高所まで持ち上げては地面へと叩き落とし、四肢を互いに引っ張り合って散々に弄んだ末、一匹が喉笛から血を吸い尽くし、もう一匹が腹を引き裂いて内臓を貪り喰らう。
女性は凄惨な激痛により気絶と覚醒を繰り返しながら、自らの生命が失われていく地獄を味わい尽くし、やがて動かなくなった。
その凄惨な光景の周囲に、いつの間にか先ほどの黒いローブの男たちが現れ、怪物を円状に囲んだ。
そして、男たちは再びあの名状し難い呪文を夜空へ向けて合唱し始める。
Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn Ia!Ia!Hastur!
(ふんぐるい むぐるなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん)
(いあ! いあ! はすたー!)
――そして、るいと茂武もまた、自らの意志でその輪へと加わり、男たちと同じ冒涜の呪文を恍惚とした表情で繰り返し唱えていた。
Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn Ia!Ia!Hastur!
二人は思い出したのだ。
自分たちが何者であるか。 なぜあの小部屋で目覚めたのか。
女性を拉致し、この儀式場へと運び込み、そして今日この「生贄を処理する初仕事」を任されていたのが、教団の一員である自分たち自身であったことを。
ひとしきり唱え終えると、男たちは満足げに黒いローブを脱ぎ去り、散会していく。
るいと茂武もまた、血の匂いが漂う森の中でローブを脱ぎ捨てた。
立ち去ろうとする二人の背中に、教団員の男の一人が親しげに声をかけてくる。
「今日はお役目ご苦労だったな、二人とも。初仕事の感想はどうだ?」
「それにしても、生贄の鍵を外して生きたまま踊り食いさせるなんて、お前たちもなかなか酷い趣向を考えつくものだな」
「次はちゃんと殺してから差し出すんだぞ」
そう言い残し、男は暗闇の向こうへと消えていった。
月明かりの下、取り残された二人の顔には、自らの成し遂げたおぞましい「仕事」の完遂に対する、底知れない満足げな笑みが浮かんでいた。
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KP