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おにぎり🍙
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#他界隈さんと繋がりたい
みっくす@常に暇
32
#イラスト
スペイン
やってきたのはメキシコの家。
アンティークなラテン風の 家具達が並ぶ家は、 俺らの家にどこか似ている。
メキシコ
スペイン
メキシコ
スペイン
スペイン
皮肉混じりの物言いは、 今の俺には丁度良い。
元気でいる為にもノリって 大事だし。
スペイン
メキシコについてはまぁ…
深くは知らないけれど
きっと俺に興味はないと思う。
メキシコ
メキシコ
スペイン
メキシコ
メキシコ
スペイン
都合が悪い方向に話が流れて しまった。
メキシコ
スペイン
このまま話を続けられたら 俺は確実にボロを出す。
直感し話題を変えようとした。
スペイン
メキシコ
思いっきり遮られた。
冷汗がおちる感覚がした。
メキシコ
誤魔化しが効かない、 効いてない……
スペイン
そんなの、
スペイン
目線を逸らすことしか俺には できない。
メキシコ
メキシコ
スペイン
スペイン
メキシコ
そう言ってメキシコは、 俺の様子を事細かに話し出す。
いつものように、ウイスキーを買いに行こうとした最中。
ドアに手をかけたところで、店主と話し込む顔が見えた。
メキシコ
長い睫毛に緑色の瞳。
右目に当てられた眼帯。
恐ろしいほど整っている顔立ち。
メキシコ
少し眉を下げ困ったように笑う顔も
店主と話しながらも無邪気に悩む顔も。
間違えるはずもない、義兄スペインだ。
メキシコ
俺が今まで何度スペインを突き放したのか覚えてないのか?
…なわけないよな?
メキシコ
メキシコ
店から出てきたスペインに声をかけた。
見つけてしまったからには声をかける他ない。
本当は、大好きな兄貴なのだから。
ただそれを正直に伝えられなかっただけだったから。
メキシコ
声をかけようと手を伸ばした刹那、
スペインが小さく呟いた。
スペイン
スペイン
その発言に、一瞬手が止まった。
俺の気も知らないくせに。
俺がどんな思いでお前を見ていたか知らないくせに。
無邪気にそう言う此奴が、やっぱり嫌いだ
止まっていた手をまた動かした。
スペインの薄い肩と、鎖骨に指が触れる。
メキシコ
メキシコ
スペイン
酒の瓶が大量に入った重い袋を持つと、
スペインが歩く足を止めた。
俺の声に振り返ったスペインの、 丈に合わない長いカーディガンが揺れる。
メキシコ
メキシコ
その顔が酷く蒼くて、心配になった。
本人は気づいてないように俺を見つめている。
スペイン
スペイン
無邪気に笑う顔を見る限り、 気付いていなそうだ。
これを放置するわけにはいかない。
メキシコ
メキシコ
スペイン
スペイン
兄なのに子供っぽいスペインに微笑みながらも、 やはり心配になるのはその体調。
メキシコ
つい細すぎる手首と目の下の隈に目が行く。
まぁそれ以前に、高すぎるその 顔面偏差値に目が行くのだが。
スペイン
つい買いすぎちゃった、と笑うスペイン。
その顔に冷汗が見えたのは気のせいだろうか。
メキシコ
スペイン
如何せん、放っては置けない。
メキシコ
メキシコ
下心がないといえば嘘になるが、 それより今は庇護欲が勝った。
スペイン
此奴にパートナーがいることなんて知ってる。
メキシコ
スペイン
知ってるけど、庇護欲が勝ってると 言い訳をして此奴を部屋に誘う。
スペイン
スペインが吹っ切れたように笑った。
それが最高にうれしくて、 でも悟られたくなくて。
メキシコ
メキシコ
なんとかこらえて言葉を放つ。
スペインはその後家に着くまで、ずっと笑顔だった。
顔が蒼いままなのも知らずに、満面の笑みで。
話を聞き終えて、馬鹿らしくなった。
スペイン
メキシコ
メキシコ
スペイン
俯きかけていた顔を上げる。
スペイン
スペイン
そう、声に出してしまった。
メキシコ
メキシコの低い声に、体が震える。
メキシコの黄色い目に怒りとも、困惑ともつかない色が灯る。
メキシコ
それが逆に、俺を触発した。
スペイン
スペイン
メキシコ
思い出したくない、死にたいけど、死にたくない
失いたくない、壊れたくない、愛されたい
スペイン
怖い怖い怖い怖い怖い
スペイン
涙が溢れて止まらなくなる。
話したら、相手に負担かけるだけだからだめなのに。
メキシコ
無言のまま、メキシコが優しく俺を抱きしめていた。
スペイン
メキシコの黄色い瞳には、まだ怒りが灯っていた。
……灯っているように見えた。
メキシコ
スペイン
メキシコ
メキシコ
スペイン
スペイン
これも病気の副作用なのだろうか。
日常生活に支障が出るならなおさら、 ポルトガルと一緒には居られない。
メキシコ
メキシコ
スペイン
メキシコ
メキシコが俺に手を添えたまま、にやりと微笑む。
メキシコ
何かを企む獣のような、俺を見て哀れむ聖人のような
不思議で、掴みどころのない目。
スペイン
メキシコ
そう言いメキシコは俺をソファに座らせて、
メキシコ
メキシコ
そう言い笑ってキッチンの方へ行ってしまった。
態度が変わらないから、
嫌われてるって確信がまだあるから。
ポルトガルがいない間は少しだけ、頼ろうと思えた。
スペイン
スペイン
それでも、小さくため息が漏れる。
だってそうじゃないか。俺は弱い。
体も心も、メキシコに頼ってもらえないほどに。
スペイン
キッチンに向かう、遠ざかるメキシコの背中は
もう俺よりも大きくて。
「行かないで」って言いたかったけど
もうだめだって思っちゃったんだ
こんな俺で、ごめんね
彼奴の顔と体の様子をなんとなく見て、
ご飯も食べれてないんだなぁ、と直感的に思った。
だから作ったのはお粥とゼリー。
メキシコ
メキシコ
メキシコ
さっき言っていた、「出張」
どうせポルトガル、彼奴のことなら
スペインの治療費を無理してまで 稼ごうとしてるのだろう。
メキシコ
俺が、いつから彼奴のことが好きだったか。
彼奴を一目見たときから惚れて、
性格も少しづつ過ごした経験の蓄積で好きになって
彼奴より……長いはずなんだ。
なのに選ばれたのはポルトガル、彼奴だ。
メキシコ
メキシコ
心のわだかまりはまだ取れない。
それでも、距離が近いだけましなのだろうか。
メキシコ
スペイン
ソファの上で本を読んでいたらしいスペインがこっちを見た。
温かい部屋にいるからか、 少しだけ顔色がよくなっている。
スペイン
メキシコ
スペイン
メキシコ
スペイン
スペイン
そう言いゆっくりとお粥を食べ始めた。
メキシコ
スペイン
メキシコ
細い手足、首筋、シャツの隙間から見える鎖骨。
明らかにもっと痩せているだろう。
スペイン
スペインの小さい声が部屋に響く。
メキシコ
メキシコ
スペイン
スペインがまた視線を俯かせてしまった。
…でもしょうがないだろ
流石に細すぎて心配なんだ。
スペイン
スペインのおかゆを食べる手が、いつしか止まっていた。
お皿を無言で回収し、1/4程しか減っていない皿を持つ。
スペイン
申し訳なさそうに、少しだけ揺れる声でつぶやいた。
メキシコ
顔面偏差値高すぎて、下心なしで見るとか無理だろ
…そもそも兄貴として見れない。
メキシコ
それでも俺の兄、という形だけの肩書がある。
スペイン
揺れる声を押さえつけたかのような声。
何かをこらえているような、苦しい声。
メキシコ
まだ蒼い顔のスペイン。
栄養失調の体にお粥はまだ、気晴らし程度にしかならないようだ。
メキシコ
スペインの座るソファを指さし、お粥の残る皿を持ってキッチンへ向かった。
……どうか、彼奴が少しだけ幸せになれるように
残りの寿命で俺が、幸せにしてやるよ。
コメント
1件
「余命4か月」の告白、あの場面でちゃんと受け止めてくれたメキシコの優しさが沁みました。スペインが「弱いなぁ」と呟くところも、自分を責めながらも「頼ろう」と決めた揺れがリアルで……。二人の距離感が少しずつ変わっていく過程をもっと見たくなります。