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"私"感がある…!大森さんがいなくなったから人生を手放すんじゃなくて、大森さんの分まで生きていこうって思えるの若井さんぽいなぁ
すごく儚くて、切なくて、泣きそうになりました😭 今作もとても綺麗な作品✨
気が付いたら泣いてた😭すごい儚くて美しい作品で即ブクマ案件😢死パロまで上手いとかもはや神か?
若井side.
あの瞬間、俺は確かに貴方に恋をしていた
あの瞬間、俺は貴方が好きだった
消毒液がツンと鼻につく白い病室
横たわった白い肌
管にたくさん繋がれた貴方の心電図が、段々と弱くなる
抱きしめた手の温もりは、前と同じ
けれど握り返す力はあまりにも
弱くて、脆くて__
生まれつき、心臓が人より弱かった元貴
学校にもなかなか行けない日が続き、
家で歌ばっかり書いていた
俺は毎日学校に行っていたから
元貴と会える時間は少なかった
けれど、たくさんの話をして
色んな場所に行って、色んな景色を見た
そんな、高校二年生の夏
元貴の心臓病が、悪化した
学校に行きたかったな、と病室の中で呟く元貴
医師の言う通りに運動も控えていたのに
あれだけ行きたがっていた学校にも行かなかったのに
恋人同士になっても激しいことはしなかったのに
元貴の体はだんだんと弱っていった
そして、いつしか会う場所は病室になり
病室に行っても元貴に元気がない日が増えた
それでも俺の前では無理して笑っていた
そんな、優しくて、世界一素敵な俺の恋人
hrt.
もう一度手を握り締める
心電図の波はもうすでに浅い
握り締める手の力もだんだん弱くなっていく
mtk.
少しずつ荒くなっていく元貴の呼吸
元貴が呼吸するたびにぜーぜーと苦しそうな音が響く
hrt.
mtk.
hrt.
mtk.
元貴はそう言うと、ゆっくり微笑んだ
涙を一筋流して、綺麗に笑った
その涙を掬ってまた元貴の手を握る
hrt.
元貴はまたよかった、と笑った
mtk.
hrt.
hrt.
元貴は最後に花が咲いたようにふわりと笑って
そして静かに目を閉じた
扉の向こうでは人の喋る声が聞こえる
元貴は
お医者さん、看護師さん、両親…
沢山の人に囲まれて
十八歳の生涯に幕を閉じた
俺の中で、今でも元貴は輝き続ける、
綺麗な花になった
一生忘れない
忘れるわけがない
初めて見た桜並木と花吹雪も
一緒に行った夏祭りの花火も
たくさん拾った綺麗などんぐりも
凍えながら作った雪だるまも
勉強を教え合った放課後
静かな二人だけの帰り道
全部、綺麗で忘れられない俺の宝物
だから俺は
天国で元貴に会った時に
元貴に怒られないように
残された俺の人生を歩いていく
『貴方の笑顔は綺麗な花.』 End.
こんにちは
儚い系の話が書きたくなってかきました 明日は『喋れない君〜』更新できるようにがんばります
♡と💬たくさんください
それではまた