これは、聖葵が産まれる6年前の話
看護師
俺たちにとって、初めての子供だった
わんわんと泣き喚くその子の姿はとても愛おしかったのを今でも覚えてる
修羅魏 恵美
妻の恵美は涙目になりながら 優しい笑顔で子を撫でた
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
修羅魏 恵美
「優聖」
優聖(ゆうせい)それがその子の名前だった
それから、4年の時が過ぎた
あれから優聖は特に大きな病気もなく、すくすくと元気に育っていった
誰にでも優しくて、おっとりした性格だった
そんなある日、優聖に異変が起きた
修羅魏 優聖
優聖は涙目になりながら俺の元へやってきた
修羅魏 優聖
見ると、優聖の体から植物が生えていたのだ
修羅魏 蒼
そう
能力が、使えるようになったのだ
修羅魏 優聖
今にも声を出して泣きそうな顔をしながら尋ねてきた
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
それがわかった瞬間 優聖は安心したようにほほえんだ
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
俺は早速、優聖に稽古をつけた
最初は基本的な能力の使い方
優聖は難しそうな顔をしながらも、どこか楽しそうにしていた
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
優聖は信じられないスピードで能力を使いこなしていった
たった数時間教えただけなのに
能力の使い方だけ見れば既に1級程の実力はあるだろう
修羅魏 蒼
そんな優聖の姿に俺は唖然とした
思考が停止したように 優聖の姿を見つめることしか出来なかった
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
俺のつぶやきに、優聖はパァァっと顔を輝かせた
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
優聖は昔から"サイキック"に憧れていた
だからきっと、早く"サイキック"としての仕事をしてみたいんだろう
修羅魏 蒼
そう言って俺は 優聖の頭を優しく撫でた
修羅魏 優聖
あれから約2年の時が過ぎた
恵美の腹の中には赤ちゃん… そう、聖葵が居るのだ
修羅魏 恵美
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
兄弟に興味を持っていた優聖は嬉しそうに目を輝かせる
きっと、自分が兄になるのが楽しみなのだろう
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
優聖はそういうとニコッと笑った
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
そう言って俺が立ち上がろうとした時
ピンポーン
家のチャイムがなった
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
玄関の扉を開けた
チャイムを鳴らした正体は 俺より立場が下のサイキックだった
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
普段サイキックのヤツらが優聖を尋ねることなんてなかったから、俺は何事かと尋ね返した
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
理解が出来なかった
だって、6歳の少年を任務に連れていくなんて
殺すようなものだったから
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
この業界が昔から人手不足なのは 勿論知っていた
でも、おかしすぎる 6歳の子供を任務に連れていくなんて
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
そんなの、無茶苦茶すぎる
いくら優聖が能力の使い方が上手くても
まだ、戦闘の仕方なんて分からないんだから
連れていくなんてダメに決まってる
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
最近噂の神社、そこは2級から上級の手強いグリムたちが集う場所として有名だ
修羅魏 恵美
修羅魏 優聖
俺たちが言い争っていたからだろうか、2人が玄関までやってきた
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
そういうとAは優聖の腕をグイッと引っ張った
修羅魏 優聖
強く引っ張られたせいだろうか 優聖は痛みで顔を歪ませた
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
優聖は俺に手を伸ばした
俺は靴も履かずに 外へ飛び出し、優聖の手を掴もうとする
…が、優聖を助けるのに必死だった俺は、背後から来ていたBに気づかなかった
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
修羅魏 優聖
その場で倒れた俺の代わりに次は恵美が玄関から飛び出した
修羅魏 恵美
だが、男の力に勝てるはずもなく 恵美はすぐに身動きが取れなくなった
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
最後に見たのは、泣き叫ぶ優聖の姿だった
修羅魏 恵美
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
恵美の声で目が覚めた
どうやら俺たちは気絶していたらしい
恵美は俺より先に起きていたようだ。 泣いたのか、目元が赤く腫れていた
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
恵美は無言で首を横に振った
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
優聖が連れ去られてからちょうど1時間くらいの時間が経過していた
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
俺たちの目的はただ1つ
優聖を家に連れ帰ること
ただ、それだけ達成出来ればよかった
だから、何も準備せず 俺たちはすぐに家を出た
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
恵美は悲しそうな目付きで自分の腹を優しく撫でた
そう、恵美の腹には既に子供がいる
優聖はその子と会いたがっている
だから、その願いを叶えるために なんとしてでも優聖を生きて連れ戻さなければいけないのだ
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
修羅魏 恵美
沢山叫んだ
沢山歩いた
グリムとも戦った
見つからない
見つからない
優聖は、まだ見つからない
優聖、どこだ
ど
こ
に
い
る
の
?
修羅魏 恵美
恵美が立ち止まった
何かあったのかと思い、俺は恵美の方へ向かった
修羅魏 蒼
そこには
辺り一面に死体が散らばっていた
修羅魏 恵美
恵美が指さした先には
数時間前に優聖を連れ去った2人の姿があった
修羅魏 蒼
修羅魏 蒼
そう、あの二人は死んでいたのだ
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
恵美をその場で待機させ、俺は死体の中を歩く
修羅魏 蒼
微かに、誰かの呼吸音が聞こえた
修羅魏 蒼
名前を呼んだ この呼吸音が優聖だったらと願いながら
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
後ろから、小さい声で自分を呼ぶ 優聖の声が聞こえた
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
弱っていた 腕がおかしな方向に曲がり、頭から血を流して倒れていた
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
修羅魏 恵美
恵美が俺たちの所へやってきた
恵美は優聖を優しく抱きしめた
修羅魏 恵美
修羅魏 優聖
修羅魏 蒼
恵美は首を横に振った
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
軽い手当じゃ、助からない
もう、諦めるしかないのだろうか
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
弱り果てた声で、優聖が話しかける
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
修羅魏 優聖
優聖は恵美のお腹を撫でながら話しかけた
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 優聖
修羅魏 恵美
修羅魏 蒼
それが優聖の最後の言葉だった
この日の夜は、夜空がとても綺麗だったのをよく覚えてる
コメント
5件
うわぁーー!!!(´;ω;`) 意外と良い奴じゃないか蒼お前←やめなさい
こうして、嫌われ者の修羅魏パッパの好感度が上がっていくのでしたちゃんちゃん